雨の日、唯一のメリット
~放課後~
加藤「ああ神様。どうかどうか」
高木「お願いいたします。何卒。何卒」
志村「マジで頼みます。心の底からお願いします」
加藤「我らに救いの手をお与えください!」
志村「どうか」
高木「どうか」
加藤「どうか」
加藤・高木・志村「「「雨を降らせてください!!!」」」
古手川「あの、うるさいんだけど…(笑)」
古手川「てゆうかさっきから何してんの?」
加藤「いや、見りゃわかんだろ」
古手川「見てもわからないから聞いているのだけど!?」
志村「まったくバカだなー。古手川は(笑)」
古手川「成績がクラス最下位のアンタにだけは言われたくないわ!!」
加藤「「雨乞い」だよ」
古手川「雨乞い??」
加藤・志村「「はーーーーー。(呆れ)」」
古手川「え?ちょっと、その「なんでこの程度のことがわかんねえのコイツ」みたいな顔やめなさいよ!」
加藤「なんでこの程度のことがわかんねえのコイツ」
古手川「言っちゃったよ!!まんま口に出しやがったよ!!」
加藤「いやだってお前、高校生にもなって「雨乞い」の意味も知らないとか(笑)」
志村「笑っちまうよな(笑)」
古手川「そうじゃなくて、なんで今雨乞いなんてしてんのか聞いてんのよ!」
加藤「なんだ、そっちかよ」
志村「そういうことはもっと早く言えよなー」
古手川「コイツらと話してるとホント腹立つ…」
高木「ほら、俺ら3人とも外でやる部活だからさ、雨が降るとさ、部活の練習が筋トレとかだけになってクソ楽&短くなるのよ」
加藤「そうそう。で、今日の天気予報はなんと、午後からずっと「雨」!!」
志村「のはずなのに、曇るばっかりで一向に雨が降らない!!」
高木「だからこうして雨乞いをして、雨を降らせようとしてるってわけ」
古手川「ほとんど意味ないと思うけど…」
加藤「俺らはこのために、家でてるてる坊主を10体逆さにしてきたんだぞ!?」
志村「やるべきことはやったんだ!あとは神に祈るしかねえだろうが!」
古手川「めっちゃガチだな!もはや怖いわ!その執念が」
古手川「…てゆうかさ、そんな部活が嫌ならやめちゃえば??」
加藤・志村「「はーーーーーー。(大呆れ)」」
古手川「え?何よ?」
加藤「こいつ、マジでわかってねーわ」
志村「ホントそれな。アホの極みだわ」
加藤「マジドン引きだわ」
古手川「ちょっと!!なんでアンタらみたいなアホどもにそこまで言われないといけないのよ!」
加藤「それとこれとは違うじゃん。まったく古手川さんよー。しっかりしてくださいよ」
古手川「一々言い方が腹立つな!?なら早く教えなさいよ!!」
志村「ホントにわかってねーなー。はあこれだから風紀委員は」
古手川「風紀委員全然関係ないでしょ!!てかさっさと教えろ!!」
加藤「ホントにわかってねーなー。はあこれだから古手川は」
古手川「……とゆうかアンタら、もしかして答えられないんじゃ…(笑)」
加藤「そんな訳ねーだろ。おい高木。ガツンと言ってやれ」
志村「そうそう。高木、あのアホ女に教えてやれ」
古手川「アンタらが答えろや!!」
高木「やっぱ部活はさ、死ぬほどつらいんだけど、そこでしか芽生えない、なんか独特の友情みたいなもんがあんのよ。一緒に苦しい時間を乗り越えてきたからこそ、生まれる絆的な?」
加藤「うんうん。(*-ω-)(*-ω-) 全くその通り」
志村「それそれ。それが言いたかったんだよなー」
古手川「加藤と志村、アンタらモブ感すごいわよ(笑)」
高木「ほら部活ってさ、今しかできないじゃん?だからこそ、そういう奴らとの関係は特に大事にしていきたいのよ」
加藤「うんうん。(*-ω-)(*-ω-) それそれ。」
志村「間違いないね」
高木「だから、ソイツらのことを考えると、たとえ練習がつらくても、簡単にやめるとかはできないかな」
古手川「すごい説得力…周りのモブ2人とはなんか格が違うわね…」
加藤・志村「「誰がモブじゃい!!」」
高木「え?マジ?なんか照れるわー(笑)」
志村「調子乗んなテメエ!!」
高木「わめくなって。モブ2号(笑)」
志村「F〇CK YOU!!」
加藤「おい!ちょっと雨降ってきたぞ!?」
志村・高木「「マジ!?」」
志村「よっしゃー!雨乞い継続じゃい!!」
加藤「神様神様神様神様神様マジお願いお願いお願いお願い」
高木「たまには休みくださいたまには休みくださいたまには休みください」
志村「雨降れ雨降れ雨降れ雨降れ雨降れ雨降れ雨降れ雨降れ」
古手川「えっと、みんなどれくらいのペースで部活行ってるの?」
加藤「俺と志村は週5」
高木「俺は週6。しかも試合あると日曜日も潰される」
志村「それなあ」
古手川「うっわ…確かにそれは1日くらい休みたくなるわね…」
志村「だろ!?だからお前も一緒に雨乞いしてくれ!!」
古手川「それは遠慮しときます」
加藤「おい!お前雨乞いサボんなよ!雨また弱くなってきたじゃねえか!!」
志村「すいません!!もっと全力でお祈りいたします!!」
古手川「なんか宗教団体みたい…」
加藤「今大体、面積1㎡につき雨が1秒に5滴くらい降ってる!もうちょいだ!頑張るぞ!」
志村「おう!目指せ1秒に10滴!ああ神様神様神様神様…」
古手川「いや無駄にすごいな(笑) そんな具体的な数値までわかるのか」
高木「いや多分でたらめだと思う」
古手川「でたらめかよ!」
志村「ほらそこ!サボらない!」
古手川「いや私はやんねーよ!」
~15分後~
古手川「マジか…あんたらまだやってたのか…(笑)」
加藤「もうちょい…あともうちょいなんだ…」
志村「この雨の強さなら、まだ部活できちゃいそうなんだ…」
古手川「流石に呆れるわ。そんな暇があるなら、成績のいい高木はともかく、加藤と志村、あんたらは勉強でもしたら?」
加藤「え?勉強??」
志村「なにそれ?俺知らない」
古手川「しらばっくれるな!」
加藤「悪いけど、まず俺らの行動の選択肢にない」
志村「俺らには放課後、遊ぶか、部活するか、帰って遊ぶか、雨乞いするかの選択肢しかねえんだよ!」
古手川「いや雨乞いいらないでしょ!どうせ変わらないから!」
加藤「こいつマジわかってねーな」
志村「それな。1番バカだわ(笑)」
古手川「黙りなさいよ!このバカコンビ!」
加藤「成績がいくら良くてもこれじゃあな…」
志村「それな。やっぱり勉強ばっかしてると頭悪くなるって説はマジだったんだな」
古手川「そんな説ねえわ!!提唱した奴が一番頭悪いわ!!」
志村「大体さ、1度きりの高校生活、そんな勉強ばっかして楽しいか?」
加藤「そうそう!たまには遊ばないとね!」
古手川「たまにはって…アンタらはいつも遊んでるでしょーが!」
加藤「よっしゃ!結構降ってきた!」
志村「っしゃあああああああ!!」
高木「おっしゃあ!どんどんいけ!雨!」
志村「マジ神様ありがとう!!」
ガラララ
松本「おーい、高木。いる??」
高木「おう、松本!勿論今日は部活休みだよな!?」
松本「はあ?そんなわけねーじゃん。お前、この程度の雨で野球部が休みになるわけねーだろ(笑)」
高木「え??だって、こんなに雨降ってるぜ!?」
松本「今までもこんくらいの雨でも練習あるときあっただろうが。もう忘れたのか(笑)」
高木「ぐちょぐちょのグラウンドで野球なんてヤダヤダヤダヤダ!!!」
松本「子供か!!さっさと行くぞバカ野郎」
高木「待てよお前!これ見ろよ!」
松本「なんだよ」
高木「今さ、面積1㎡につき雨が1秒に10滴も降ってるんだぜ!?」
松本「何言ってんだコイツ……」
高木「これで部活があるって、常識的に考えておかしいだろ!?」
松本「おかしいのはお前の頭だ」
高木「はあ!?おい!お前らもなんとか言えよ!」
加藤「え??ちょっと何言ってるのかよくわからないんですけど…」
志村「俺もさっぱり。大丈夫かコイツ…」
高木「おいいいいいいい!!何を平然と裏切ってんだテメエらあ!!さっき一緒に雨乞いした仲だろうが!!」
加藤「え??雨乞いって何??(笑)」
志村「ちょっと聞いたことないですね…」
加藤「お前、頭でも打ったんじゃねーの?(笑)」
志村「間違いないね。頭に異常があるようだ…可哀想に…」
加藤「いい病院紹介するよ」
高木「ちょ、お前ら、マジ許さねえぞ!おい!!」
加藤「まったく、往生際が悪いな(笑)」
志村「ほら、さっさと部活行けよ(笑)」
高木「マジ〇す」
松本「だとよ。ほらさっさと部室行くぞバカ野郎。まったく世話焼かせやがって…」
高木「ちょ、ま、お前ら!!マジ許さねえからなアアアアアアア!!」
高木「ちょ、そんな引っ張らないで。わかった、行くから!!」
ガラララ
加藤「あっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
志村「うっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
加藤「最高かよ!!(笑)」
志村「ざまあみやがれ!!(笑)」
古手川「いや、アンタら友達じゃないの…?(ドン引き)」
加藤「まあ、「昨日の友は今日の敵」ってよく言うしな」
古手川「言わねえよ!!「昨日の敵は今日の友」だろうが!!」
加藤「いやー、あいつモテるし成績いいし運動できるし顔もいいし人生何でもうまくいってるから、少し腹立ってさ(笑)」
志村「そうそう。だからこういう時くらい痛い目に合わないとね!!(笑)」
古手川「完全に嫉妬じゃない!!」
志村「高木の不幸は俺らの幸せよ!(笑)」
加藤「うんうん。(*-ω-)(*-ω-)」
古手川「アンタらね…」
加藤「このまま雨が降ってれば、俺らは部活なさそうやな!」
志村「それなー!マジ雨様に感謝だわ!」
ガラララ
仲本「おーい、お前ら」
加藤「あ、ウザくなくて普通に優しい我らがテニス部2年の中本先輩。お疲れ様です」
仲本「なんだその紹介!?ウザくないって書く必要ねえだろ!?」
志村「先輩!今日練習ないですよね!?」
仲本「いや、あるってよ。さっき顧問が決めたって。それを伝えに来た」
加藤・志村「「はああああああああああ!?!?」」
加藤「先輩!!これ見てくださいよ!!」
志村「こんな降ってるんですよ!?1㎡に10滴ですよ??」
仲本「1㎡…?ちょっと何言ってるのかよくわからないけど、とりあえず今日はあるらしいから。マジ最悪だけど、ちゃんと来いよー」
加藤「しょ、しょしょしょ正気ですか…?」
志村「こ、ここここの雨ですよ…?1㎡に10滴ですよ??」
仲本「何回言うんだそれ!?まあ微妙なところよな…俺も休みかなーって思ったけど」
加藤・志村「「そ、そんなああああああ!!」」
仲本「あのなー、お前ら。こういうのは期待しないで待っておくもんよ。どうせ今日みたいにあることが多いし(笑) じゃあ、また後でな!」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「え、どうせ部活あるなら、雨なんて降らない方が良かったんですけど…」
志村「足ぬかるむし、ボールは重くなるし、そもそも濡れるからつらいし…」
加藤「え、もはや雨、ひたすらウザイだけなんだが」
志村「ホントそれな。無駄に練習がなくなるかのような期待させて、俺らを上げてから落としやがって…雨マジで〇ね」
加藤「本当にクソ腹立つわ。天気予報〇ね。マジで2度と予報すんな(無茶)」
志村「ホント…マジなんで降ってんだよ、このクソ雨!学校から帰る時もめんどくせえだろうが!やめ!今すぐやみやがれ!!そして2度と降るな!(無茶)」
加藤「おい、志村。今から雨を止める儀式やるぞ」
志村「おう!絶対に練習が始まるまでに、雨のクソ野郎を止めて見せるぜ!!」
古手川「…………………」
加藤「神様神様神様神様神様マジお願いお願いお願いお願い」
志村「雨やめ雨やめ雨やめ雨やめ雨やめ雨やめ雨やめ雨やめ」
古手川「…………………」
古手川「帰ろ。」
~完~




