1/5
1 魔王の最後
赤ー
朱ーー
緋ーーー
世界がアカに染まっている。
「ぐッー ! お、おのれ…ッ!」
私の口からは自分の物とは思えない低い唸り声、そしてすべてのものに対する怒りや悲しみが溢れ出す。
足元には勇者と呼ばれていた女の骸が転がっていた。
辺りには戦いの影響だろう、崩壊する城と辺りを包む赤黒い炎ー
「許さぬ…絶対に許さぬぞっ!!」
私は滅びゆく身体を震わせ吠え続けた。
いつか、絶対に復讐してやる。
ー魔王と呼ばれた男はその生涯を自分の城とともに閉じた
復讐を誓いながら・・・