とりま能力使ってみました
あ…ちょっとムカついてきたぞ、
ヤってくれんじゃんよ、この野郎!!
折角だから、この世界の獲物第一号に
なってもらおうかね。
えーと確か、こう言う呪文だったよな?
「己が重苦を汝と置換す、左の腕の疾を汝へ」
ふと脳裏に、滂沱の汗を滴らせながら
能力の説明するガチムチの姿がよぎる。
“いいか、お主がこの能力を発動させる時は、
「出力対象者+重苦+置換+場所+疾+入力対象者」
これが肉体に起った際で、精神は
「出力対象者+苦重+置換+場所+疾+入力対象者」
の順で文を作成するである。
口に出しても頭で思っても良い、
順番さえ間違ってなければ発動する、
相手に対しての正式な名前が
判らなんだら汝で良いぞ、
この能力は「事象」を移動させる能力である。”
体からスウッと何かが抜けて行った様に感じ、
赤色の玉が狼の方結構な速さでへ飛んで行く、
玉がぶつかった後一拍置いて
”ィヒィン”と哀れな叫び声をあげ
狼から出た青色の玉が俺に向かってぶつかる。
「おー、上手くいった、良かった良かった。」
奇麗に元に戻った手を"ぐーぱーぐーぱ"
しながらつぶやく。
狼は一体何が起こったのか分からない、
といった様子で此方を見ながら、
千切れかかった前足をぶらぶらさせつつも
三本足でしつこく俺の周りを歩いている。
大丈夫だと分かった瞬間にちょっとだけ
気が大きくなってきた。
「だがっ!!あえてっ!!俺はっ!!動かないっ!」
あ…ちょっと自分で言ってて語感が
某JOxx風で楽しかった。
つか、下手に動いても遅いだけだしね。




