千賀地召還と最初の公害は奈良?(長享2年末)
千賀地元長さん参上です。
これからの起きる戦に向けて戦力強化です。伊賀3家の家系で子孫が活躍の場を求めて足利将軍家に仕えたんですよね。手持ちの強化とともに、将来の敵対勢力の弱体化になるし最高ですね。
眼が怖いですね。
「多分国元でも火薬の研究をしていると思うんだけど、煙石を作成していこうと思うんだ。」
「まだ完全に作れておりません。本当に作れますのでしょうか。」
「多分ね。数年かかると思うけど。製造するのに色々と病気の心配も出てくるので、手を洗うものも作ろうかと思う。敵に知られたくないので、製造の場を作り任せたい。それと数年後の戦に参戦する。そのために配下の者を集めたいだよね。」
当初は作るのは躊躇していた煙石と石鹸に着手する。工業化を始めると公害の心配や人体への影響を考慮しないといけないのですぐに作成しようとは思わなかったんだけど。炭焼きで木酢液が副産物として出来たから、アルカリ物の中和や消毒、殺菌、動物・害虫対策、土壌改良もできるし、ガラスや金属で装置を作って蒸留できればメタノールへの道も開けるし。アルカリ中和に弱酸性でだめなら強酸泉でも使えば良いや。やるっきゃないよな。
人糞だけは、すべてにおいて使わずに別処理をおこないます。城攻めの防御とかで糞便を落とすとか不衛生だし、そんなものより他を使えば良いんだから。
鉱山開発とか精錬とかは、煙害や水毒害など公害の温床だし、もっと科学の発達を見るまで公害の抑制が思いつかなかった。足尾銅山や水俣などの二の舞を起こさずに、いけるのか考察して簡易処理なら作れるか。無害化は無理でも低害化なら何とかなるか、それで時間稼ぎをしようか。そういった思いとはうらはらに、力を貸してもらうためのプレゼンを行う。
「確か伊賀の地は農作適さない場所も多く、養蚕が盛んだよね。伊賀の組紐とかだったよね。」
「でさ、もし手伝ってもらえるなら、国元の生活の向上につがるようにするのも可能だよ。」
蚕の糞をまとめて取り寄せてね。(今まで必要の無かったものへの新たな価値とその対価を)
蚕桑の品種改良、一代雑種の利用、枝ごと与える飼育の方法、稚蚕共同飼育、土地の改良などで労働と生産性の向上を目指す。さらに研究が進めば、現在の昆虫飼育のように、羊羹やゼリー状の人工エサも可能になるかもしれないことを話す。それでやってみて量が確保できれば、製糸の改良で上質な絹への道も提示できるかもしれないと煽っておく。ここまでやって仕事への出来高への対価の支払いや将来の所領の可能性を話せば協力はしてくれるよね。さらにそれが国元へ広まれば他の家や隣の甲賀へのアピールにもなるしね。他の紐付きになる前に、掻っ攫う戦法です。とりえず協力はしてくれるそうです。
夜に再度足尾銅山の事を考えていると、それなら歴史上の最初の公害って大仏作成事業じゃないのかとふと思い浮かぶ。確か現在において少しずつ研究がなされてきたはずだし、一部では水銀アマルガムでの金の鍍金での被害も論じられているが、それよりも桁外れの銅の鋳造での被害のほうが多かったような報告もあるよね。かなりの人が死んだり、環境破壊も起こしたとの文献もあるようだしね。民の安寧を祈願して、民を死なせるとか民を苦しませるのは本末転倒じゃないの大仏さんよ。お寺さんもこの辺のことはどのようにお話してるのでしょうかね。それ以外でもその当時の九州での天然痘大流行は遣唐使のせいとも言えるか(でもちょっとだけ責任転嫁かも)、数年で遷都を何回も繰り返すし、都の造営も適当な設計で、欠陥造営でさらに遷都せざる負えなかったり。事業決定者本人だけの責任じゃないけどホントダメ人間ですね聖○○皇。
あれれ、天然痘とかあると、それじゃ種痘も作成しないといけないのか。確か平安が疱瘡で室町が痘瘡だっけ。種痘って言うとすぐ牛に罹患させる話になるけど、本当に良いのはウサギを通して弱毒化させて、牛に接種してから人へ接種させるほうが良いんだよね。この弱毒化でもかなりの副作用が発症するのに、牛痘で即劇的に押さえ込むのはお話だけの世界だよね。転生者の皆さん注意してね。
ここ常陸太田なら石の倉鉱山があるから石灰石をとっきてもらおうかな。もう一つは鹿沼と赤城山周辺の石や土を持って来てもらう。そろそろ工業も考えないとね。