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お公家さんと牛の尻尾

「元長、教えて。畿内のことはある程度知っているでしょう?」

 「どのようなことでしょうか?」

 「畿内の三好さんてどこの出?」

 「三好さんとは三好之長殿のことでしょうか?」

 「多分。」

 「細川家の家臣で信濃小笠原氏の支流ですね。」

 「なんだ、成り上がりじゃないか。」

 「細川家はここ最近当主が早世するため、現在澄元殿に仕えていて執事格かと思われます。」

 「お、さすがだね。この細川が本家?」

 「いえ、讃岐細川で分家です。本家筋は京兆家高国殿です。幕府管領で五国の守護です。」

 「え、五国!そりゃすごいわ。他の細川は?」

 「あとは弟とか息子とか不明なのですが、野州家晴国殿ですか高国殿の補佐をしております。」

 「さすが細川、手ごわいな。それと五摂家って分かる?」

 「さすがに公家衆はちょっと。それならばこの前来られた板坂殿の方が詳しいのではないでしょうか。」

 「そうだった。」


 「惟順殿、ちょっと五摂家のことを聞いてよいかな。」

 「何をでございましょう。」

 「五摂家ってどこ。その中でも格付けはあるの?」

 「そうですな、近衛を筆頭に九条と一条、さらに二条と鷹司となります。」

 「じゃその下は?」

 「七清花家です。」(あれ九じゃないのか。)

 「どこ?」

 「久我・三条・西園寺・徳大寺・花山院・大炊御門・今出川となります。」

 「ふ~ん、次は?」

 「大臣家で正親町三条・三条西・中院ですな。ちなみにその下は羽林家、名家、半家となります。」

 「全部は覚えられないな。あと二つ。まず御屋形様が常陸を完全掌握したら常陸守とか名乗れるの?」

 「え、ご存知ありませんでしたか。上総、常陸、上野は大国の中でも親王任国のため、守は名乗れません。」

 「そうなんだ、じゃ逆にそれを名乗る奴は討ち取ってもよいのかな。」

 「こちらに正当な理由付けがあればですが。」

 「使えるね。で、今の天皇って誰?」

 「えっ!それもご存知ではないのですか!」

 「いやちょっと忘れちゃったんだ。」(テヘとかは、しませんよ。)

 「後土門帝です。」

 その後もいくつか細かい部分を問い質してレクチャー終了です。

 じゃ近衛、九条、久我に狙いを定めよう。天皇家のリサーチも必要とメモしておこう。

 

 そうだ牛の解体で肉しか食しないのは勿体ないよね。ホルモンやタンはどうした。ホルモンは衛生的には微妙だけど、タンならいけるよね。塩や味噌でも良いけど、入門編とするならタレとかあるといいかもね。あれ別に焼きだけでなくても佃煮や燻製もあるか。おお尻尾も使えるじゃないか。テールスープでしょ、これも衛生面で大丈夫そうですよね。牛骨ととんこつも使えるのかな。とんこつラーメン、牛骨ラーメンまでいけるか。

 台所へ急ぐ。

 「今度牛の尻尾を手に入れて。」

 「皮を削いで、下茹でして、この場合沸騰した湯で四半刻でね。その後ぬるま湯でよく洗ってね。本茹では水からね。沸騰したら、葱の青い部分を二本、生姜を一かけら薄切りにしたもの、大蒜二欠片、塩を入れて弱火で煮込んで。透明な汁を目指すので弱火です。白濁系なら強火でガンガンだけどね。半刻煮込んだら葱などの薬味を取って、さらに一刻くらいアクを取りながら煮込んで輝く色になったら良しです。」

 「塩もうまみのあるのやコクのあるやつね。」(福島の山塩が好きだな。)

 

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