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養蜂と和紙と毒薬と (長享2年 初夏)

草花をみながら何かないかなと見ていると、蜂が飛んでいるよ。(養蜂か。)たしか日本書紀に記載されていて公家さんたちは香木のつなぎにしたり、神事や薬用に使っていて、別にチート知識ではないんだけど、ただし巣箱利用しての増産は江戸時代以降だから、ちょっと先取りしようか。だってこの時代だと蜜を取り出すのに毎回巣ごと壊滅させないととりだせないやり方だものね。でも二ホンミツバチは繁殖力弱いし、帰巣本能が弱いので、全然作業効率やコスパが悪い。どこがチートじゃ、やったことが無い人のたわ言だわ。巣箱の製作も、定着させるのも一筋縄じゃいかんのですよ、テイムできれば簡単なのにね。西洋だって生産性が上るのが19世紀だぜ。

 そのうちセイヨウミツバチを導入するか。でも二ホンミツバチを駆逐することになるし、新たな問題発生になるよな。よし、まずは誘き出そう。キンリョウヘンという蘭科の植物が文明年間初期に渡来しているから、これを誘引剤にして分封(分蜂、どっちだ)させよう。燻煙器を製作して、燻すのは麻でもよいか。下総の総は麻に通じ、古来から麻の産地だしね。でも人に害がでるといけないので、落ち葉でもしておきましょう。

 お、それじゃ和紙もやっちゃうか。この関東地方はミツマタの群生地じゃないか。栃木や茨城あたりは有名だよね。コウゾより良いものになるはずだよね。あとは繋ぎのためのノリウツギも本州の山地でこの時代なら取れるし。いけるな。でも時間がかかるじゃん。白くするのに灰汁や苛性ソーダをつかうよね、まだ苛性ソーダは作って無いけどさ。人が・・・いない。

「次郎、無理だ。人手が足りないわ。」

「周悦様、どうしましょうか。」

「ある程度の立場にあるものを紹介して欲しいわ。」


 明くる夜「何かご用と承り参上いたしました。久兵衛と申します。」影の薄い、体の線も細そうな若いんだかおっさんなのか年齢不詳の男が尋ねてきた。元来次郎のところは、修験道を修行しながらあちこち行って情報を収集したり、売ったりする者たちらしい。

 「申し訳ないが、ちょっと手伝ってほしんだけど。まずこの寺を手中におさめたいんだ。そこで明日の夜、寺の食事にこれを分からないように混ぜて欲しい。ヒガンバナのノビル風。ドクゼリのオヒタシ。トリカブトを抽出した雑炊。その後うまくいったら手の者を引き入れてね。後は見栄えのよい者に、法衣を着せて本山から派遣された形にして、周悦にこの寺を任せるとしてくれ。報酬はおよびその後の雇用も期待していてよいよ。多分これから人はいくらいても良いので、一族郎党ごと順次雇いたいし。どうだろうか。」

 「承りました。」ま、費用さえだせれば、それなりの仕事はしてくれますよね。

 

 計画実行、忍者寺の完成です。

 

 すこしづつ檀家への浸透を開始します。新宗派への転換をはかります。

 肉食の禁止を解く、香りの強く精力がつくものの大蒜や韮などを食すこと許可します。それと祈るだけでは極楽浄土はいけないことを諭します。現世をいかに過ごすかが大事だよ説いていきます。民衆としては祈るだけのうほうが簡単だから、そんな言葉に騙されるんだよね。。

 他人のための狩猟はOKだけど、自分のための肉食はダメとか変な屁理屈をとなえるのもいるしな。

 それでも論じるだけじゃダメなんだよね。いかに庶民が飢えない日々を過ごせるか、よき生活を過ごせるようになるのか。導かないといけないな。その辺を体感できれば言葉だけでは納得しないよね。そして人は楽なほうに流れやすいので、祈りだけで極楽へいけるなどと洗脳されると、それにに傾倒しちゃうのは分かるので、何とかそれに対抗するようにしないと。お布施としてまきあげていた額の軽減したり、逆に境内の露店を開き、あまり労働力として活用がしにくいものを雇用してやればさらによいかな。

 一月に一回だけ寺に参拝し、説話を聞けばそれだけで、浄土への道が開けるとして、そこで有用なことや生活に必要なこと、この先の予言などを話していき。摩訶不思議なことを実現する教祖として確立させれば良いのだろうか。大乗仏教の1宗派の誕生ですかね。真仏宗とかにしようと思ったけど後世台湾の新興宗教がこんな名前だったことを思い出し、真言宗が東密、天台宗が台密と言われてたようなので、新密宗とでもしておこう。

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