猫いらず
八溝衆の主だったものともう少し計画的な生産向上を目指す話をすることになった。反射炉はまだだが大型のたたら炉を四基作成し、前座(下処理)、金座、銀座、銅座、鋼座として稼動しようかと。
さらにその前処理をする野焼き。その後に銅から貴金属部分と銅に分け、煤煙の中の銅成分を再処理し銅の生産量を上げる。貴金属は硫黄による焼き金法による金銀吹分けと海塩水での塩化法によるで純度の上昇を目指し。各金属をそれぞれに送る。水銀による混汞法やシアン化合物による青化精錬法はとらないことにします。害が大きく、現在の技術だと無害化がきついので。
製鉄もコークスでの高火力処理が良いが、精度や純度を高めるために、もう少し工夫しておこう。
細かい鉱粉(現在だと3mm以下とそれ以上かな)を振り分け以下のものから造粒し、大き目の粗目の鉱石と混ぜる。最初は木炭と僅かなコークスでも良い、その後に石灰粉とコークス粉を入れて作るとか。資源の無駄をなくして、低品位鉱石を有効に使おう。製鉄会社さんはすごいわ。
うん、仕事の細分化ですね。
銅の残渣も電気分解法でかなり余すことなく銀を抽出できるな。コストは大丈夫か。電池を作るわけじゃないから。
銀精錬も凝灰岩坩堝方法だけだと吸収しきれなかったので。通常の灰吹きで行い、仕上げ的に坩堝を使う。
銀鉱石を見せてもらったら、輝銀鉱はほとんどないそうで、方鉛鉱や閃亜鉛鉱などに含まれるのを抽出するから大変なのだと。初めて見たよ、そりゃ大変だわ。
ゴマ油の改良も行います。高級ゴマ油を作りましょう。白ゴマを焙煎して、すり潰さないで圧力絞りで出来るだけ熱を与えないことを目標に。熟成させて和紙で漉し数回繰り返すと、おいしいゴマ油の出来上がり。これで次の目標はテンプラですね。
「甚六、そういえば今の堀越公方は誰?」
「政知公だったかと。病気で臥せっていると。」(あれ、史実より一年ズレがでたかな。山入は早めに討伐しているから変化するのは当然か。)
「じゃ好都合だ、堀越公方のもとへ挨拶に行け。韮山の地で店を開く挨拶にな。それなりの土産を持っていけば、内証は苦しいはず。その際に円満院に体力を奪う薬だと諭して、嫌な奴に少しずつ飲ませれば、体力を徐々に奪うとか言っておけば、あの母親なら茶々丸に飲ませるだろうからな。念のために多いと臭いがするから気がつかれますよ、それに効果がなくなるとでも言えばよいよ。要は死なさないで体の力が入らない状態が理想だね。問題を出来るだけ起こさせないのが一番。」
「併せて外山豊前守、秋山新蔵人などは毒殺でも良いや。鈴木繁宗や松下三郎右衛門尉など豪族を調略してみて。どこかの城を拠点にできたら琴平神社あたりが良いかな。」(最終的には鷹狩りと称して出陣し、小田原城を攻めちゃうか。普通ならだまされるはずはないのに、だまされるみたいだから。城主の大森って間抜けなのかな。)(一人で納得。)
「それと今川駿府で堀越公方に味方につくと得だと広めろ。金銀を土産にしろ。今は分からなくても良いけど、将来分かると予言でもしておけ。」
「そうだなそのためには円満院に金山の話をして金開発を請け負え。八溝衆を同道して開発の基礎築いてしまえ。土肥、持越、天正鉱山あたりかな。」
「さすがに取り立てられた伊勢家をもうこの時点で今川から排除は無理だよな。」
毒を造ろう。亜砒酸製剤、酖毒とかいわれるやつね。羽毛とかいらん。ヒ素硫化物はあるし、硫砒鉄鋼はタングステンがとれるところにある。常陸だと高取鉱山ね。硫酸銅は銅鉱山に青い結晶があればそれ。磁鉄鉱もとれるしね。砂鉄や餅鉄ね。数晩焼けばよいのかな。江戸時代の石見銀山のねずみ取り剤ですね。
鉱山ならベルトコンベアーか、ゴムがないから考えよう。
元長と針根津、宮島(掃部守)源十郎、牧村(右馬介)利房を集めて会議です。
「聞くのを忘れたけど元長、小弓公方って知っている?」
「いえ,存知ませんが。」
(あれ、もっと後なのか。)「そうか。」
「根津、源十郎、利房。お疲れさん。りんごありがとうね。栽培するぞ。それにこの前の戦もお疲れ。」
「いえ。」「はっ。」「・・・」
「それでさ、元長。甚六に堀越公方対策を頼んだので、他にもあちこち対応が必要でさ。各方面担当で対応しようか。根津にまず江戸崎周辺および城の構造の調査をお願い。源十郎には下野方面を特に宇都宮周辺にある竹林の伐採をあちらの許可を受けて、朝陽屋としてすこしずつ刈っていって。炭焼きを作るとか。裏から日扇屋と連携してね。特に夏場に刈って、下から生えてくる芽とか若葉かな数回刈れば、生えなくなるから。もしうるさく言うなら新型火薬で焼いちゃえ。」
「利房には結城白河をお願い。」
「元長、ダメだ足りないよ。」
「足りませぬか。」
「もっと欲しい。武力支配、経済産業支配、宗教支配で同時進行だから。学校のほうもまだまだしさ。」
「政義様、出来ました。」
金瘡医グループにスカウトして主任さんにした田代三喜がやってきた。
「こちらが通仙散、こちらが酖毒です。」
それぞれ和紙に一つまみの粉が載っている。
「これぐらいの量だと死なずに効果は出ると思います。いくつかまとめての量なら即効的な効き目を現すと思います。」
「よし、甚六を呼んできて。」
しばらくの後甚六が着たので、再度細かな説明をする。
「酖毒はこの前の計画通り、堀越の天満院へ。もし酖毒が効かなければ、通仙散を茶々丸に飲ませ。足のここの筋を切ってしまえ。その上で縫いつけちゃえ。」そうですアキレス腱切断です。
「金瘡医を連れて行きますか?」
「別に傷を治すわけではないので、誰かにやらせてよいよ。戦闘力をうばうこと、ただし死なせないこと。これに尽きるから。ほんとうなら植物状態が良いけど管理が大変だからさ。」
「うまくいきますか。」
「牢番とかのダメさ加減を知れば、警戒が薄いはずだから甚六たちなら大丈夫だと思うよ。薬さえ効けば音を立てずに処理で切る出ろうし。ただし傷口が腫れるといけないので、煮沸消毒ね。」
煮沸消毒の説明もしておく。
「分かりました。」
「あとは諸々細工して円満院にうまく取り入ることが出来たら、相模への進出を持ちかけろ。」
「でも堀越公方様は先の文明十四年の将軍家と古河公方様との和睦で、堀越公方様には伊豆一国となったはずですが。」(そうだ都鄙合体だったっけ。)
「そこは、この者たちは堀越公方の手の者ではないとすれば良いじゃないか。裏で操れば美味しい思いが出来ますよと信じ込ませれば良い。裏で密約を交わせばよいさ。わが子可愛さでやるんじゃないかな。」
「長期計画ですな。あちらに貼り付くと事になりますな。こちらはどうしますか?」
「誰か居れば推挙して。それとあちらでの調略として土肥の富永、江梨の鈴木なども重点にしてね。」
「行く前にそれらを含めて準備しておきます。」
「うん、頑張って行ってきて。」
将軍家対策を抜かった。でもこれは御屋形様案件だしな。




