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北か南かならまずは南でしょう

 大子町の生瀬集落近くにある内大野館へ、まずはご挨拶の書状を書くことにしました。というか脅迫または恫喝のお手紙ですかね。こちらに付くか、明け渡すか、討ち死にするかと選択してもらいました。そりゃ孤立無援の状態なら引きますよね。

ほぼ北部常陸の掌握完了。ここは焼き払おうかと思ったけど、川の監視と徴税場所としての仕事を担うそうなので誰かをやっておきますか。

 年明けの延徳3年となり、一度田渡城帰ろう。

 「役立たずは帰りま~す。」

 戦闘力はないし、力仕事も不向きだし。計画実行はお任せすることに。城掟だけを明文化しておくことにします。北条家臣の内藤さんの津久井城掟を真似ます。

 大手門に見張りは何人。見張り台に何人。郭の交代要員の確保と交代の目安。周囲の木々の伐採には許可をとかね。


 田渡城で城下と寺の整備を行いながら、どうしようかと思案する。北へ向かうか南を処分するか。

南を狙うなら大掾と江戸かな。大掾は家の格から「東方の衆」という連合体に属しているから、那須家や宇都宮家のお節介が出てくるし。こっちが攻めてくるのなら、いっそ小田氏と組んでやれとかなりそうだよね。それを見越して、江戸氏を後ろからたきつけて、速攻でつぶす。その後にその責めを負わせて江戸氏をつぶすとかかな。もしくは大掾と江戸を使って、鹿島や大洗まで殲滅した後に鉢合わせさせるか。


 そんなことを妄想していたら、田渡城からひと山越えた海岸沿いを治める、大窪善方君と石井国守君が挨拶に来ました。こちらが、山方城から八溝山に転戦していたから、遅ればせながらようやくとのことでした。あれ、こいつら昔に大掾から枝分かれしてなかったかな。今はあまり大掾抹殺計画を話してはダメでしょうね。取り合えず礼だけはしておこう。手土産になるようなものを見繕って持たせておくか。

 海といえば、佐竹の水軍はどこだろうか。戦国時代中期なら龍ヶ崎氏だけどこの時代はまだ分家してないから、本家筋の江戸崎氏か。美濃の土岐家からの派生でしたよね。この年代だと、まだ独立豪族で、小田氏なんかの影響をうけてるよね。この江戸崎を欲しいと思うのは、東条庄の地頭方の岡沢家を味方に引き入れたい。大工や鍛治をまとめていたらしい。そうお察しのとおり、飛び道具ですね。でも今行くとまだやっている山内上杉家と扇谷上杉家の争いが、この辺に波及しているから。手が出しにくいのよ。実際正しい苗字が分からん。土岐原なのか江戸崎土岐なのか江戸崎なのか。さらに土岐原も土岐の原氏からきているらしいとか。今だとたぶん土岐かな。

どうしようか、考えがまとまらない。よく主人公がパッと決断して、サクッと実行とかあるが、全然無理。

 「皆、太田へ行くよ。先触れ、お供をお願い。」


 「御屋形様、お疲れ様です。」

 「何じゃそれは。」

 おっといけない。

 「いえ、つつがなくご健勝のことと存じます。」で良いかな。

 「政義、今回は何だ。」

 「はい、この先の佐竹の進む道をどうしたら良いかと思い、いくつかの案から御屋形様にお決めいただきたく参上いたしました。」

 「その案とは?」

 「幸いにも現在北は陸奥白河結城の勢力は排除して、防衛体制と整えておりますが、しばらくはこのまま侵攻せずに、前の裏工作を継続で宜しいでしょうか。」

 「うむ、それで良い。」

 「では南は、各領主が競い合っていますし、管領家の争いも及んでいますが、逆にこの段階で仕掛けてしまおうかと。」

 「あちらについたり、こちらについたり、敵同士が合力したり大変ではないか?」

 「そのようにも思いましたが、逆に一部の勢力だけが増したり、管領家の争いがどちらかに傾いて決着されるよりはその隙を狙ったほうが、実利を得やすいかとも思います。」

 「で、具体的には?」

 「大掾家や江戸家を使い南の勢力の駆逐をして、駆逐したものを裏から取り込みます。その後江戸家を使い、大掾家への討伐を持ち込みます、その後東方の衆でもある大掾の家を攻めた責を旗印に江戸家を潰しに行こうかと。」

 「江戸も大掾も南の覇権争いで、仲はそれほどよくはないのではないか?協力するか?」

 「餌次第かと思います。切り取った領地の分配ですが。」

 「それだと両家の勢力が増すだけだろう。お主も加担ぜずば佐竹の得にならんだろう。」

 「この時点では御屋形様もそうですが、それがしも表立って動かないほうがよいかと。」

 「ではどうする?」 

 「義信兄上にお願いしたく。」

 「義信をか?」

 「兵などはこちらから助勢いたしますので。細かい所まで思案できましたら、またお知らせいたします」

 「大体は分かった。」

 「次に、任官のことでございますが。」

 「官位がどうした。」

 「正式に勅許を得ていただきたいと。」

 「金がかかるが。お主のか?」

 「今後南に勢力を伸ばす場合に必要になるかと。それにそれがしのではなく、御屋形様と義信兄上のです。頭の固い旧家の連中用に一つの御旗をと思い。その他にも色々とありますが。ある程度参内できて、有力公家らに会えるくらいで宜しいのですが。」

 「分かった、必要ということであればやってみよう。」

 「最後に今のうちにため池や遊水地などの造営の許可を。」

 「昨今の状況は好いように思うが。」

 「これより数年先から変化が激しくなりますれば。」

 「そのほうの神通力か?」

 「そのようなもので。」

 「政義の手で行うのであれば、反対する理由はないがな。」

 

 (ふ~。メンドクサイな。当主じゃないから裁可を取っておかないと、後で何を言われるか。謀反を疑われたら目も当てられなしね。)

 

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