表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/42

風邪かはやり病か(文明19年)

 「あ、やばい。頭がくらくらする。」2月の始めに風邪を引いたかと思い、すこし様子を見ようと市販の風邪薬と冷却枕を買いベットに入ったが急速に悪化の一途をたどってきた。

(新型のインフルエンザだったのかも)と思った時点で意識を手放した。


 ようやく落ち着いたようで意識が戻りうっすら目をあけると、やはり知らない天井が見える。なぜ和室の天井があるんだ。顔を傾けるとなぜ布団。寝ている所だけ畳だし、板の間だし。だるいが体を起こしてみるが、何となく違和感が。体が小さく感じられ、手を見ても子供の手のようだ。(まだ夢を見ているのかと)ボーとしていると和服の若い女性が廊下より水桶を持ってちょうど入ってきた。

「九郎様!目を覚まされましたか。熱は下がりましたか。」

(九郎って誰よ。)

「ここ、どこ」

「太田のお館ですよ。」(だ~か~ら、太田ってどこよ。)


 その後世話をしてもらっている周りの者にそれとなく聞いてみると、どうもどこもかしこも風邪なのかはやり病が蔓延してたようです。今居る所はどうも常陸の佐竹の家らしいこと、文明19年らしいことは分かった。文明っていつ、さらに幼名じゃ分からん。年号オタクじゃないとこんな年号で西暦とか出てこないよね。信長とか桶狭間が出てくるもっと前じゃないか。応仁の乱のほうが近いし。佐竹を始め関東の大名・小名は複雑すぎるんだよ。分家、庶派など枝葉がめちゃくちゃ多すぎだし婚姻・縁戚関係が分からん。本当常陸は家臣や豪族も結構入り組んで面倒なんだよね。転生物だとチートを生かしてあれこれするらしいけど、この時代に元服前の子供があれこれできるほど甘くはないよな。さあどうしよう。


記憶を頼りにあれこれ思案する。確か九郎って史実では四男で、将来は田口家へ養子にでるんだよね。うーんそれも困るな。上の兄上など2歳で北家の養子になったようだし。現在山入佐竹と抗争中らしいし、攻められちゃうんだよねここ。一応落ち延びるらしいけど。それでも転生した時点で何かの変化は起きるかもしれないから、不確定要素満載だしな、バタフライエフェクトだっけ。それならいっそ熱で片目の視力がなくなったことにでもして、出家してしまったほうが早いかもしれないと考えた。養子後に出家するはずだから、いっそ前倒しで本家の子ならそこそこの寺に押し込めてくれるだろうし。寺なら所領があるし。うん、決まりそうしよう。

 熱の影響で目が見えない振りをして養子に出ることなく、早々に出家することになった。ヨシOKではなく、重畳じゃ。最初だけは言葉も注意しないとね、無双しだしたらそんなものどうでも良くなるけどさ。

 出家するならおもり役はいらないので、下働きの子をつけてもらおう。できれば影働きするような者を、今宮(神社別当職ね、庶長子が養子で行ったところね。どうも修験道のとりまとめをしていたようです。じゃ羽黒同様に忍働きもあるのかと思ってさ。)のところから誰か派遣してもらうように、お願いししてみた。死にたくはないけど、佐竹家には適度に頑張って欲しいものです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ