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パソ子と俺物語

今回は全体的にシモネタが溢れております。

それに伴ってR-15タグを追加いたしました。

苦手な方はご注意ください。

 唐突であれなんだけども疲れた。

 何に疲れたって?

 人生に?

 それとも人間関係に?

 違う違う。

 そんな大仰な事じゃないんだ。

 ぶっちゃけて言うならば、仕事で、だったりする。

 いやぁ、今日もよく働いたわ。

 そんな俺の全身に漂う疲労感は、心地よいとかいうレベルじゃない。

 大袈裟に言うならば疲労困憊。

 控えめに言ってみても疲労困憊。


 ええ。


 そうですとも。


 疲れきっておりますわ。


 そんな疲れきった俺の心の癒しと言えば。

 ずばりインターネットだよね。

 何せ深夜にTVを付けても通販ぐらいしかやってない。

 焦げない鍋とダイエットサプリ、そして腹筋強化マッシーンのヘビーローテーションは流石にきつい。

 ネットってのは、深夜に活動する者共にとっては非常に有難い存在なんだよな。

 

 具体的に活用方法を言うならば、なろうの作品を読みふけったり。

 他の人が行っているツイキャスを聴いてみたり。

 ユーチューブで好きな音楽を聴いたり。

 エロサイトを巡ったり。

 エロサイトを巡ったり。

 エロサイトを巡ったり。

 と、まぁ、挙げればキリがないが、ざっとこんな感じだ。


 特にエロサイトは重用してたりする。

 独り身の霊長類ヒト科の♂としては、とてもとてもお世話になってる。

 わざわざエロ本買ったり、レンタルビデオ屋に行かずに、自宅で自給自足が出来ちゃうとか、便利な世の中になったものよのう。


 え?

 彼女作れば良いじゃんって?

 目の付け所が良いね。

 まぁ、俺もね。

 作りたいとは思うよ。

 でも出来ねぇんだわ。

 そんなに簡単に彼女が出来るような♂だったら、エロサイトのお世話になんぞ、なりゃしないっての。


『お前は女心ってやつが分かっていない』


 ってのが中学時代からの友人の言葉だ。

 特にデカカリ…… おっと失礼。

 デリカシーに関しては致命的との事だ。


 そんな訳でエロサイトってのは俺にとって、重要な存在だと言えちゃったりするんだよな。

 使ってるPCも12年ほど前に初めて買ったPCで、長年使い込んで密かにパソ子と命名するほど愛着もある。

 そして疲労困憊の時ってさ。

 妙にムラムラしちゃう時も少なくない訳で。

 子孫を残そうとする生存本能ってやつらしいね。

 股間の性帝様もいきり立っておられますよ。 

 そんな時にやることは一つ! とは言わないけども想像に難くないと思う。

 詳しい説明をしちゃうと色々アウトっぽいので、割愛させて頂きますよっと。


 ってな訳でパソ子のスイッチ・オン!

 ガタガタと唸りを上げて、起動し始めるパソ子。

 人間で12才といえば、まだまだ子供といったところだろう。

 だがパソ子はPCだ。

 PCの世界では12年という時間は途轍もなく大きいらしい。

 最新のパソコンが、お肌ぴっちぴちの現役JK,JCとするのならば、パソ子はそろそろ閉経するんじゃね?って位の熟女だと言っても過言ではないと思う。

 そんな熟女なパソ子だけど、未だに現役で絶賛稼動中。

 パソ子の秘密の小窓に映し出される魅惑の映像は、独身男のロンリーナイトを導いてくれる女神様と断言しちゃっても良いくらいだ。

 女神様!

 今夜もめくるめくハッスルナイトを一つお願い致しますぜ!

 因みに俺は特定のサイトを、お気に入り登録していない。

 適当に色んなサイトを巡っては、性帝様がお気に召すサイトを探したりするんだよな。

 言わば、一期一会を大事にするスタイル。

 いや、すれ違い様に、一刀で斬り捨てていくスタイル。

 って言った方が中二っぽくてカッコいいかな。


 そんな訳で、本日も風の吹くまま気の赴くままに、幾つものサイトを渡り歩く性帝様。

 我等が性帝様は、無人の野を行くが如く、歩みを止める様子もない。

 そのお姿は正に帝王の風格を醸し出している…… ような気もしないでもない。

 いや。ごめん。

 ちょっと見栄張りました。

 極々一般的なサイズだったりするから、そこまでの風格はないっぽい。

 でもまぁ、じっくりと。

 そして確実に。

 安住の地を求めて、その歩みを進める性帝様。

 日本語だろうが、英語だろうが、ブロント語だろうが、お構いなしってなもんよ。

 俺の股間は有頂天。

 ふは! ふはははは!

 退かぬ! 媚びぬ! 省みぬぅ!

 何人たりとも性帝様の歩みを妨げる事は適わないのだ!

 この次もクリック、クリックゥ!


 と、調子に乗りまくる性帝様。

 結果どうなったかと言えば。


『54個のウイルスに感染した可能性があります』


 こんな感じの警告文が、パソ子の小窓に表示される始末だったりする。


 これが後の世に謳われる事になる

 

 『パソ子性病の変』

 

 と、いうやつだよ。

 試験にも出る可能性があるかも知れないから、覚えておくように!

 まぁ、冗談は置いとくとしてだ。


 ふぁ!?


 54個のウイルス!?

 感染しすぎにも程があるだろ!?

 おい! 

 セキュリティソフトさんよ!

 ちょいとばかり仕事サボり過ぎじゃありませんかい!?

 いや、落ち着け俺!

 とりあえず、パソ子の指示に従って再起動だ。

 そうすりゃ、きっと大丈夫さ!

 と、思っていた時期が俺にもありました。


 しかしだ。

 再起動してみれば。

 びっくりするほどの無音。

 あれ?

 音が出なくなってるじゃん!

 性帝様もまだ元気一杯だってのに音声なしだとぅ!?

 どうする?

 どうすんの?

 音声なしで動画のみって、少々厳しいか?

 とりあえず、口パク状態の女体に合わせて、適当に台詞を当てればイケるか?

 当方いい歳こいたおっさんだが、ハスキーボイスな女優さんって設定なら何とかなるかも知れん。


 よっしゃ、一丁やったるか!


 はい。無理でしたよっと。

 まぁ、当たり前だよな。

 自分のオカマボイスな喘ぎ声とか、拷問以外の何物でもなかったわ。

 うん。やる前に気がつくべきだったと、今なら思えるよ。

 性帝様も心なしかしょんぼりしてように思える。

 思春期の煮えたぎってた頃の、迸るパトスが恋しいでござるよ。


 ふーむ。どうしたもんかね。

 む。待てよ?

 官能小説や、エロ漫画はボイスなくても充分にエロいよな?

 あれは多分脳内で女の子の声として再生してるからエロいんだよな……

 なら、イケるんじゃね?

 この俺様の妄想力は53万。

 性帝様に視線を落としてみれば。

 おお。荒ぶっておられる!

 やってやる!

 やってやるぞおおおおお!


 って、あれ?

 パソ子さん?

 このタイミングでもう一回再起動しろと仰いますの?

 まぁ、大した手間でもないし、良いんだけどね。

 手早く頼みますよ。

 性帝様も臨戦態勢で荒ぶっておられますし。

 などと、思いながら再び再起動を行ってみる。


 ……


 あれ?


 一旦シャットダウンした後、一向に再起動し始める様子がないんですけども。


 パソ子? 

 

 ……パソ子?


 パソ子おおおおおおおおおお!


 嘘だろ!?

 パソ子! 目を開けてくれよ!

 ついさっきまで元気一杯だったじゃねぇか!

 起きてくれよ! 

 今、お前に逝かれたら……

 性帝様のお相手は一体誰が務めるって言うんだよおおお!

 っと、まぁ、性帝様の事情は置いとくとしてだ。

 まいったな。

 とりあえず、平日は仕事もあるし、週末まで性帝様には耐えて貰うしかないか。

 夢精とかしちゃいそうでちょっと怖いけど頑張れ俺!

 土曜にでもパソ子を修理に出すとしますかね!


 結局、修理に出しに行ったものの。


「これ、中古PCの方が修理代よりも安いですよ」


 という店員さんの言葉により、中古の格安PCを買う羽目になった生際防衛隊なのでした。


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