表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

ex. ジローの場合/Another End

 ……結論から言うと、僕たちは助かった。

 覚悟を決めたケンイチが台所に突入。お茶で濡らしたハンカチをマスク代わりにしつつ、まだ起動していた料理用のコンソールからセントラルシステムをハッキング。システムを強制的にシャットダウンし、ドアを蹴破って脱出したのだ。この間わずか三分。恐るべき火事場の馬鹿力だった。

 強制停止の影響でセントラルシステムのログが飛んだため、あのとき正確に何が起きたのかは、実際のところ誰にも分からない。結局、「自作の変なプログラムをホームサーバーに入れたせいで、警備システムが誤作動して閉じ込められ、皆がパニックになった」という説明に落ち着いた。一時は危なかったジローもどうにか手当てが間に合い、今は何事もなかったかのようにケロッとしている。発作については、精神的ショックによる心因性のアレルギー反応だろうということになったらしい。

 サクラ先生にも説教され、結局は全員、普通に読書感想文を出すことになった。

 みんなが無事で、本当に良かった。

 ――けど、僕は少しだけ、あいつの書いた『罪と罰』の感想を読んでみたかったなと、今でも思っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ