本当のこと。
*霧島 夢*
どうなっているんだろう。
私宛に{消えろ}?
物事がどんどん、希が進めるままに進んでて。
何が起きてるの?
でも、手紙が来たなら今日の「消えてみてよ」の言葉の延長なのか。
これって、透明人間とかそんなんじゃないのかもしれない。
第一に誰にも言ってないし、そのことは親すら知らないんだから。
―私に恨みを持つひとがやったのかもしれない。
ううん。そっちのほうが可能性高い。
もしそうなら、絶対に…咲。
私が裏切った。
だから、そう。
思い当たるのは咲しかいないのです。
咲とは、中学の時の塾仲間。
よく咲にはテストの結果を尋ねていたし、
もちろん塾での模試の結果も聞いていた。
私は咲ほど頭がよくなかったけど仲がよかったから毎回聞いていた。
咲は毎回満点に近い点数を取っていて、時には満点の時もあった。
順位はいつも1番の文字が刻まれている。
目指しているのは県内、いや日本ナンバー1の高校だった。
咲は大学も決めていて将来に向かってがんばっていた。
私より頭がよくて、美人で、高嶺の花。
私と友達でいてくれることがうれしかった。
でも私と咲は同じ高校に入学した。
理由を聞くと「夢と一緒にしてみた」なんていうから私もそうなんだって思ってた。
でも、私は“本当の理由”を知ってしまった。
実は、成績が下がって、ぎりぎりでここの高校に入ったらしい。
あの咲が?って思ったけどそういうこともあるしなにより同じ高校だからすごくうれしかった。
「馬宮って掲示板とか乗ったことないよね??」
ある日クラスメイトに聞かれた。
「ん~でも中学のころは、満点取ってたよ??ずっと1位だったし。」
本当のことを伝えた。
伝え方を間違ったのか…「じゃあ、調子乗ってんじゃん?」「成績もここでガタ落ち!」
と、悪いうわさをし始め学校中に広まった。
一時期、咲は1人だった。
「…夢が言ったの?」
「言ってないよ?」
そうやってごまかした。
咲はそれを根に持ってるんだ。
「・・・め、夢っ!!!!!」
「!?」
「聞いてる?だから、夢に心当たりはないかって聞いてるの!」
希が言う。
「心当たり・・・?」
「そう!馬宮さんか、神崎さんか、中川さんか・・・まあその他このクラスにやりそうな人はいないの??」
犯人が分からなくなってしまったのか希は急に私を頼る。
「あ、え」
咲、咲、咲…。
『…夢が言ったの?』
『言ってないよ?』
私が、言った。
私が咲のポディションを崩した。
私が、
私が。
「夢?」
「わ…私が自分でやった。」
長くなりました(汗)