発生。
*霧島 夢*
「消えてみてよ」
急に聞こえた声は、耳からすうっと通り抜ける。
誰かが私に囁いた。
移動教室に行く途中のこと。
廊下のすれ違いざまに、私を驚かせた。
誰が言ったのかはわからない。
驚きすぎて、そう。
後姿さえ確認をしなかった。
そう、私。霧島夢はいままで透明人間法を学びましたが
まだ実際に変化する方法は至ってわからないままであります。
それを知って私に消えろと!?
消えてみろと!
完成していないことを知りながら消えろと?
ひ、ひどすぎる。
…それよりもなんで知ってるのか。
誰にも、話してないと思ってたのに…。
*馬宮 咲*
廊下で、復讐という名の悪口を本人の前で言った。
なのに。霧島夢は普通に授業参加。
効いてないし…
「消えてみて」なんて言われたら誰だって、嫌悪感を抱くでしょう?
これは復讐なんだから少しくらい傷ついてもらわないと困る。
―手紙を回すことにした。
*白木 希*
授業中。ノートを一生懸命写してたら手紙が回ってきた。
宛名は夢。差出人なし。
ここは親友の私が確認しなくては!
おそるおそる手紙を開く。
{消えて}
…!?
こ、これ夢に!?
どうして…?
とにかく、人にこんな手紙を書くなんて…
しかも私の親友。
いてもたってもいられない。
私は夢のために。
*馬宮 咲*
「ねえ、これ誰から回ってきたかわかる?」
私に前の子が尋ねてきた。
それは、私が夢に向かって書いたあの手紙。
「え…?…知らない」
「そっか、じゃあ後ろ回して。で誰かわかったら伝えて。今言ったのも後ろに伝言して。」
「う、ん。了解」
なぜ、犯人探しが行われているのか。
夢がやっているの?
夢は、誰がまわしたのかすぐ分かるはずなのに…
罪悪感一つ感じてないってことなの?
…悔しい…
ここは夢に復讐できる次のチャンス。
ここで手紙を止める。
前の小説の続編…というか前の話ですね。
よろしくお願いしますw
読みにくかったら改良いたします。