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▲◆31.魔動具が多いのは魔法を使えなかったから


 ファッツ:「それは…?」


 アーラウ0:「ファツくん…、これこそが! 聖女制度の正体です!!」



 アーラウ0が高らかに掲げたリモコンを操作すれば。


 教会広間に敷設されていた 聖女選定針盤 が、ガタンと音を立てて回り出し。


 そのリモコンを床へと叩きつけて壊せば、それと同時に針盤の針がファッツを指し示してみせたのである。


 本当は男の身である彼を――、聖女選定針盤が選んだのだ。







 サラサ0:「━━━━ 故国が窮地なのは メロウたちの企み ━━━━

         ━━━━ 全部 いにしえの しがらみ ━━━━」



 みたび暗転し、場面が切り替わればそこは。


 緑豊かな群島の上空――、真っ青な空を航行中の 飛行潜艇 レノアホエール の甲板であった。


 そしてその甲板にあるカタパルトに。


 空飛ぶ箒 ブルームジェット に跨がってスタンバイを済ませたアーラウ0の 魔動ピアス に通信が入る。



 ナノクス:『望遠レンズでニュビズ王子を捕捉した。マズいな…! ヤマキの先遣隊に追われながら崖の方へ向かってしまっている! 我が弟の蛮行に鉢合わせて、思わず退路を誤ってしまったのだろう。ファブリック侯爵の館は…、あの猛火では手遅れだ』


 アーラウ0:「わかりました。予定通りニュビくんの保護を優先します」


 クルーのメリヤ:『サラサちゃん! エーテルの充填完了したよ! カタパルトスタンバイ!』


 アーラウ0:「了解です! メリヤさんお願いします!」


 メリヤ:『OK! ブルームジェット射出5秒前! 3、2、1――』


 アーラウ0:「 行 き ま す !! 」



 箒に跨がったアーラウ0が、カタパルトのレールを破裂したような勢いで滑り出し。


 砲弾のごとく射出され、宙へとブッ飛んだ。



 しかし、あまりの速度に猛スピンがかかり。


 艦橋に居るみんなの悲鳴が魔動ピアス越しに聞こえるも。


 箒のハンドルを握っている当の本人はカケラも慌てなかった。



 ファッツ:『サラサさん…!!』


 ルド:『やっぱぶっつけ本番なんて無茶だったんだ…!!』


 ナノクス:『いや、そんなことはない! キミならできるはずだ――、サラサ!!』



 アーラウ0:(―― 今!!)



 ナノクスの声を耳に、アーラウ0がエンジン始動レバーを引けば。


 純白フレームのブルームジェットは、エーテルのきらめきを噴射させて。


 ミサイルの姿勢制御と似た軌道を描き、空へと羽ばたいた。



 すると見る見るうちに景色が流れ。


 風にあおられていた 導きのペンデュラム が、物理法則を無視して独りでに向かうべき方角を指し示し。



 ニュビズ・オラージュ が追い込まれた断崖絶壁へと迫ったアーラウ0は。


 速度を落とすのに合わせて、収納神器の腕輪 からリヴァイアソードを引き抜くと。


 ヤマキと騎士たちの間を縫うようにして、すれ違い様に騎士たちを薙ぎ払ってやった。



 メロウの第四皇子ヤマキ:「なっ…!! 何だ!!? 何が起きた!?」


 アーラウ0:「ニュビくん!! 飛び下りてください!!」


 パシフィ王国 第一王子ニュビズ:「――!! あなたに賭けます!」



 ニュビズが走り出し、崖を蹴った。


 機首を回頭させて、崖下へと急降下したアーラウ0は。


 飛び下りてきた彼の落下速度に合わせ。



 アーラウ0:「手を…!!」


 ニュビズ:「恩に着ます…!!」



 しかとニュビズの手を掴んで、彼自体を手に提げる状態で急上昇し。


 ヘリから降ろしたハシゴに掴まってもらったような構図で。



 ヤマキ:「そんな馬鹿な…!? アーラウ・ニーベルーーーーン!!!」



 ヤマキの怒号を背後に、二人はその場を後にしたのだった。




―――◆第2章◆第9幕―――




 サラサ0:「━━━━ 災厄を 防ぐには 手を取ろう ━━━━

         ━━━━ 塔を めぐる――」



 八牧が幻覚魔法から復帰して。


 ハッと我に返った様子がモニター越しでもわかった。


 2番Bメロに入りかけたところで、彼の部屋と、近辺外気のエーテルを消費しきったのだろう。


 要するに魔力切れというやつだ。



 ならばこれ以上歌い続けても意味がない。


 サラサ0が歌うのをやめれば、髪と目の色もほどなく〝和葉のモノ〟に戻った。



 できれば気持ち良く歌いきってしまいたいところではあったが。


 自分の魔力を行使できない以上、遠隔ではコレが限度である。



 そもそも八牧が幻覚から醒めようと抵抗しなかっただけマシとも言えるのだ。


 なにせ、敵にも味方にもこういった魔法を強制できるのなら、そう苦労はしないからである。


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