表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/61

◆▲29.歌の魔法は同じ魂だから引き継げる


====[ティップス・補足情報]====


 サラサ0の〝ゼロ〟とはすなわち、前世界線のサラサのことだ


 正確に表記するなら サラサ38 なのだが


 べんぎ上、前世界線のサラサを サラサ0 と表記し


 今世界線の未来に生まれる サラサ39 を、番号の無いただの サラサ と表記する


=======[END]========



 そうして〝彼女〟の黒髪と黒目が、金と青にうっすら変わりかけた瞬間。


 本能的に、八牧は席を立って。


 パソコンのスピーカーから距離を置こうとしたが、そこはもう〝サラサ0〟の間合いであった。




 前任のカズハ達から、代 々 引 き 継 ぎ し 魔 法 ――。




 サラサ0:「 ロ ー レ ラ イ 歌 唱 法 、行きます!」




―――◆第2章◆▲第8幕―――




 サラサ0:「━━━━ 救って Your Sea ━━━━

         ━━━━ 針を 戻して ━━━━

     ━━━━ 繰り返す 時を超えて 何度でも ━━━━」



 歌声に仕込まれた呪文が、空気中のエーテルと反応を起こし。


 八牧の部屋に 風の魔法 を巻き起こした。



 スピーカーから突如吹き荒れた猛風に。


 両腕を交差させて防御体勢を取った八牧は。


 吹き飛ばされまいと踏ん張りながら、我が耳を疑った。



 サラサ0:「━━━━ 吹き付ける雨風 揺さぶられる船体 ━━━━

        ━━━━ 暗き 荒海に 投げ出された ━━━━」



 歌声に仕込まれた呪文が、オーケストラの演奏を奏で始めたからだ。


 しかも映画館のような5.1chサラウンドシステムを設けているわけでもないのに。


 全方位から聞こえてくる楽器の音色は一体どういうことか?



 それは空気を震わせる音の波ではないからだ。


 言ってしまえば、幻聴を聴かせる デバフ魔法 に等しく、彼の脳内に直接響いているからである。



 なにせ、海中でも対象にクリアな歌声と演奏を届けられるよう〝前任のカズハたちが代々〟改良を続けてきた〝継承魔法〟の たまものだからだ。



 そのローレライ歌唱法は、サラサ0に引き継がれた時点で。


 サラサ0が過去に体験してきた出来事を、他人に追体験させる 幻覚魔法 までもが備わっている。


 ともなれば。


 プリマメという 創作 の主題歌を聴かせながら、アースセザードでの 現実 を見せることだって可能なのだ。



 つまりは、ここからがサラサ0の本気である。



 サラサ0:「━━━━ もう無理と 諦めた そのとき ━━━━

   ━━━━ 抱きしめてくれたあなた 励ますその声に ━━━━

       ━━━━ わたし また会いたいと 望む ━━━━」



 足裏からフローリングの感触が消失した次の瞬間。


 八牧はいつの間にやらアクアマリン色の 海の中 に居て。


 生まれて初めて驚天動地な衝撃を受けた。



 とっさに息を止めるも、とてつもなくクリアな視界と聴覚がウソっぽいのに。


 海水の感触だけはやけにリアルで、あまりのチグハグさにワケがわからなくなった。



 だというのに八牧は、自分自身がワクワクし始めていることに気がついた。



 〝彼女〟がもたらしてくれるであろう〝漠然とした何かを〟期待していたからには。


 それを見逃してしまっては意味がない。



 そうして、よく意識してもみれば、――見えた。


 この〝視界の持ち主〟が、猛スピードで向かった先に。



 朱髪の メロウ 分隊によって。


 今にも取り囲まれそうになっている蒼髪の マーメイド の姿が。



====[ティップス・補足情報]====


 ※メロウ = 遺伝子操作で造られた人魚


 ※マーメイド = メロウと人の間に産まれたハーフ


=======[END]========



 アーラウ0:「ナノくん! 下がって!!」



 勢いよく薙ぎ払われたリヴァイアソード――蛇腹剣が放射状に広がり。


 メロウたちの包囲網を、ただの一撃によって切り崩した。



 その一撃をどうにか剣で防いだ〝サキト〟が声を荒げる。



 メロウの第二皇子サキト:「アーラウ・ニーベルンだと!? なぜ貴様がここに!!」



 無論、その中身はサラサ0であるわけだが、連中が知るよしもない。



 マーメイドの第一皇子ナノクス:「なっ…!? どうしてあなたがここに!?」


 アーラウ0:「話は後です! 今は撤退を!」


 サキト:「竜の呪いを笠に着た魔女風情が! おめおめと見逃すとでも思ったか!?」



 斬りかかってきたサキトを、ただの1・2回斬り結んだだけで、アーラウ0が勢いよく弾き返してみせる。



 サキト:「馬鹿なっ…!? 海中でメロウの剣を上回るなんて…!!」


 アーラウ0:(顔だけじゃなくて! 声まで崎戸さんソックリじゃないですか!?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ