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当ててみて、私の箱の中に何が入っていると思う?〜俺の冒險用ミミックだ!  作者: 上部乱
第三部——召喚塔林

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第75話 新進化にそんなものが必要なの?無茶すぎるでしょ!


「さっきシミリスがあれだけ強力な召喚獣を呼び出して、私たちは全部倒したんだ。」


「たとえ君たちがレベル1からだとしても、

もうクラスアップ条件は満たしてるはずだろ?」

 

デレオは肩をすくめた。

「たぶん、みんなクラスアップ条件を達成してると思うよ。

ここまで来る間に、

トラブルは十分すぎるくらいあったし⋯⋯」

 

チェラーレの口元に、

うっすらと笑みが浮かぶ。


「で、どうするつもり? 

料理人か、それとも整備士?」

 

「整備士かな。

そっちの方が、

冒険の途中で役に立ちそうだし。」


デレオはそう答えながらも、

声にはわずかな迷いが滲んでいた。

 

「でもさ、あの恐竜を売ったお金だけで、

もう冒険なんてしなくても食べていけるんだよ?」

チェラーレはそっと言う。

 

その響きは、デレオに少しは安穏な暮らしを思い出させようとしているようだった。

 

デレオは頭をかき、苦笑する。


「自分がどんな人間なのか、

一応考えたことはあるんだ。

俺にとって冒険に出るのは“生きる手段”じゃなくて“性分”なんだよ。

 

血なまぐさいのも、危険なのも、

その全部が“生きてる”って実感に近い。」

 

「――やっぱり、君らしいね。」

チェラーレの瞳に、

ほんの少しだけ尊敬の色が混じる。

 

そのとき、階段の方からドンドンと元気な音が響いてきた。


アレカがカエルみたいにぴょんぴょん跳ねながら上がってきて言う。

 

「二人とも、クラスアップの話してたの?」

 

「してたよ。」

 

「じゃあ、ひとつウワサを教えてあげるね。

カシヤ、クラスアップでピエロになるってさ!」

 

「え、マジで? 

お前、また適当言ってないだろうな?」

 

「どうしてボクが嘘つかなきゃいけないのさ。

嘘ついてもボクの得にならないでしょ?

それより、

ボクも進化条件を達成したんだよ!」

 

アレカは勢いよく箱から飛び出し、

スポットライトを待つ役者みたいに、

目をキラキラさせる。

 

「まだ進化できるのか?」

チェラーレが、驚いたように眉を上げる。

 

「もちろん! ボクね、

“びっくり箱”から“オルゴール”に

進化できるんだ!」


アレカは、へこんだ金属の外殻を誇らしげにポンポン叩いた。

 

「じゃあ、

今回はどんなアイテムが必要なんだ?」

デレオも、その得意げな様子につられて期待を込めて尋ねる。

 

「今回は一個だけ。

でもちょっと厄介なんだよね。」

 

アレカはバネをくにゃりと曲げ、

箱の中で前後にゆらゆら揺れながら、

もったいぶった雰囲気を作る。

 

「何が必要なんだよ。じらすなって。」

デレオが思わず急かす。

 

「魔王専用の楽器。」

 

アレカは小さな前足をぎゅっと握りしめて、

まるで重大任務を宣言するみたいに真面目な声で言った。

 

「それって⋯⋯」

チェラーレは、

これから起こる災難を先取りしたみたいに、

不安げにまばたきをする。

 

「そう、そのとおり。宇宙船の遺跡でアバドンが持ってた、隕石を呼ぶ角笛。」

アレカの声には、濃い憧れが滲んでいた。

 

「お前、

本当にとんでもない物を要求してくるな!」

デレオは目を丸くする。

 

「まあいいや。

夜風も十分堪能したし、

そろそろ休もうか。」


チェラーレは大きく伸びをして、

襟元をぐっと引き寄せる。

 

「だな。下に行こう。」

デレオはうなずき、

残っていたスープ椀とパン皿を丁寧に重ねた。

 

そしてアレカをひょいと抱き上げる。

その“びっくり箱”は、今度は上品なオルゴールにでもなりきったつもりなのか、

目を細めて得意げに揺れていた。

 

二人は、きしむ古い木の階段を下り、

さっきの部屋へと戻る。

 

シミリスはベッドで静かに眠っている。

カシヤは本棚のそばから振り返り、

手にはほこりまみれの古い本を持っていた。

 

「噂で聞いたんだけどさ。

クラスアップ第二階級の職業選択、

ピエロにするって本当?」

デレオは少し確かめるようにカシヤへ尋ねる。

 

「え? どうして私がピエロになりたいって思うの?」

カシヤは目を丸くし、

本についたほこりをぱんぱんとはたいた。

 

「アレカ、お前、

やっぱり俺をからかったな⋯⋯」

 

デレオが腕の中の猫のぬいぐるみを睨み下ろすと、

アレカは尻尾をふりふりさせながら、

いかにも無実といった顔をする。

 

「やだなぁ、こんなバカみたいな話を信じちゃうデレオが悪いんだよ。」

アレカはデレオの腕の中で、

ご機嫌にぶらぶら揺れた。

 

チェラーレは足音を殺してベッド脇へ近づく。


シミリスの額にそっと指先を当て、

熱がないことを確かめる。

 

それからようやく、ほっと息を吐いた。


「今夜は私がついててあげる。

なんだかんだ言って、

私はあの子の姉だからね。」

 

「うん、その方が心強いよ。

頼んだよ、チェラーレ。」


デレオは微笑んでうなずき、

腕の中のアレカをそっと椅子の上に下ろした。

 

カシヤは本を机に置き、

チェラーレに向かって片目をつむる。


「チェラちゃん、

あとでちゃんと自分も休みなよ?

人のことばっかり気にしてちゃダメ。」

 

チェラーレは小さくうなずき、

皆にあたたかな笑みを返した。


そして古びた木の椅子を引き寄せ、

ベッド脇に腰を下ろし、

横顔をシミリスの方へ向ける。

 

デレオは、眠り続けるシミリスを見つめ、

それから彼女を見守るチェラーレに目を移す。

 

ひとりぼっちだった自分が、

いつの間にか、

こんなにも大切な仲間たちに囲まれている――。

 

「⋯⋯本当に、遠くまで来たよな。」

彼は小さくつぶやいた。

 

窓の外、月光の下に、

遠くの遺跡がぼんやりと浮かび上がる。

アバドンは、

あの場所でまだ彼らを待っている。


———大したことではないこと———

 

どうせこの職業をちゃんと書くことはないだろうから、

かなり無責任にでっち上げた設定です

 

ピエロの全スキル

 

初期スキル:ユーモアのセンス

Lv2 主戦場離脱

 

Lv3 変顔

Lv5 隠密

Lv7 魔力メイクアップ

Lv11 脱出

Lv13 ダジャレ

Lv17 ギャグ武器

Lv19 誘導

Lv23 正体不明なウォーターボール

Lv29 バルーンボム

Lv31 イタズラ

Lv37 ギフトトラップ

Lv41 ヘイト転移

Lv43 食べられないパイ

Lv47 次にお前は〜と言う!

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