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当ててみて、私の箱の中に何が入っていると思う?〜俺の冒險用ミミックだ!  作者: 上部乱
第三部——召喚塔林

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第69話 霊体堕落—— 受けるくらいなら、奪い取れ

情報端末の通知音が

途切れることなく鳴り響き、


レベルアップのメッセージが

次々とポップアップしてくるが、


誰もそれを確認している余裕はなかった。


召喚獣を撃破することは、

確かに「戦闘終了」とみなされ、


経験値の精算や、

ときには魔力結晶のような戦利品も手に入る。


だが、

彼ら——召喚獣は真の意味では死なない。


倒れるたびに、

ただ朧な霊光へと還り、

一時的に戦場から退くにすぎないのだ。


シミリスがそっと手を伸ばすと、

霊光が潮のように彼女のもとへと集いはじめる。


毒竜と巨人から溢れ出た霊光が、

彼女の傍らに渦を巻いた。


彼女は静かに目を閉じ、

その身を霊光の奔流に浸す。


そして、

星のように冷たい眼差しをひらくと、


指先で空をなぞるように印を結び、

召喚塔の頂に渦巻く魔力をさらに加速させた。


光が瞬きを繰り返し、

塔の上空に次々と霊影が呼び出されていく。


先ほどまで塔の周囲で激戦を

繰り広げていた召喚獣たちは、


シミリスの命ずるままに一斉に向きを変え、

黒雲のごとき巨体を翻して、

デレオたち一行へと標的を移す。


フェンリルの巨狼は身を低く構え、

鋭い爪で大地に深い溝を

刻みながらにじり寄る。


その眼差しは、

まるで一口で飲み込もうとする主神を

見据えるかのようだ。


ケルベロスは三つの頭を

同時に吠え立て、

炎と毒霧を牙のあいだから絡み合わせる。


その一歩一歩は、

まるで渡し守に連れられて冥河を渡る亡者の

列を踏みしめるかのように重い。


カルラは金色の羽翼を広げ、

胸に抱いた瑠璃色の宝玉を震わせ、

空に嵐を呼び起こす。


フェニックスは烈火の中から舞い上がり、

その身を五色の炎に包まれ、

鮮烈な炎の羽根が夜空一面を照らし出す。


すべての召喚獣は、

巨大な波濤のごとく一斉に押し寄せ、

咆哮を上げながら彼らへ突進してきた。


混乱の中、

アビスウズは高く杖を掲げ、

その掌に蒼白い魔光を浮かべる。


彼女は深く息を吸い込み、

低く力強い声で、

魔法守護者たちへの祈りを紡ぎはじめた。


「力の求道者ニュートンよ、

 見えざる重圧でもって敵の四肢を縛り、

 その歩みを阻んでください。


 生命の伝道師メンデルよ、

 彼らの本質を引き裂き、

 栄光を闇へと反転させ、

 その意志を徐々に蝕んでください。


 夢を掘り霊媒フロイトよ、

 揺らぐ内面へと侵入し、

 恐怖を鎖へと変え、

その魂を我が糧としてください。」


呪文が一節ごとに紡がれるたび、

空気は激しく震え、

冷たい魔力が潮のように戦場全体へと押し寄せていく。


アビスウズの杖には幽藍の炎が灯り、

その炎の中には、

無数に歪んだ影がちらついている。


地面には細い亀裂がいくつも走り、

その隙間から這い出した邪なる影が、

突撃してくる召喚獣たちの四肢へと絡みついた。


「──霊体堕落!」


アビスウズの声が、

まるで運命の宣告のように天地に轟く。


「彼らはもはや神聖ではない。

 堕ちた聖霊は、すべて私のもの。」


その言葉が響き終わると同時に、

周囲の空気は一気に冷え込み、


かつては威光を放っていた召喚獣の身体に、

ひとつ、

またひとつと禍々しい暗紋が浮かび上がる。


カルラの腹の中に宿る龍蛇が毒を吐き出しはじめ、

金属のような光沢を帯びた羽根はばらばらに剥がれ落ちる。


青い瑠璃の心臓は音もなく燃え上がり、

その下から、

妖しく輝く黒い翼が姿を現した。


フェニックスの炎の羽根は、

燦爛たる光から幽かな青炎へと変じ、

翼を打つたびに冷たい焔が吹き荒れ、

夜を死の気配に満ちた色へと塗り替える。


フェンリルの両眼には灰色の膜が降り、

その遠吠えには低く呪詛めいた響きが混じる。


その身には、

終末の日を象徴するような諸神黄昏の炎がまとわりついた。


ケルベロスの三つ首から

吐き出される炎と毒霧は互いに絡み合い、


やがて濃く粘ついた暗色の霧帯へと変わり、

その足元からじわじわと周囲へ広がっていく。


今や、堕落した召喚獣たちは

もはや突撃態勢を取らず、


静かに向きを変えると、

ゆっくりとアビスウズのもとへ歩み寄り、

その足元へと跪いた。


彼らの両目には異様な光が灯り、

その身を取り巻く霊力は歪みながら渦を巻き、

まるで暗黒魔法そのものと化したかのように脈動している。


彼らはただひたすら、

主の次の命令を待つ忠実な眷属として——

アビスウズの傍らに控えていた。

———大したことではないこと———


悪魔締約者のスキル


初期スキル:悪魔感知

Lv2 悪魔契約

Lv3 下級悪魔隷属

Lv5 生贄

Lv7 一部悪魔化

Lv11 中級悪魔隷属

Lv13 悪魔武器

Lv17 魔界の雷

Lv19 上級悪魔隷属

Lv23 悪魔犠牲

Lv29 悪魔化

Lv31 霊体堕落

Lv37 地獄火

Lv41 悪魔捕食

Lv43 魔界貴族召喚

Lv47 アーマゲドン──悪魔契約者単独では使用できない能力

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