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当ててみて、私の箱の中に何が入っていると思う?〜俺の冒險用ミミックだ!  作者: 上部乱
第三部——召喚塔林

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第68話 巨人を剣で指し、毒龍を拳で穿て

炫光の巨人と毒竜ニーズヘッグが

ジープに向かって襲いかかり、

空気が一瞬で引き裂かれた。


巨人が腕を高く掲げ、

その掌に眩いエネルギー光束を収束させ、

一気にジープへと叩きつける。


ヘッドライトはその炫光に

晒されるやいなや、

たちまち溶けて歪な形へと変形した。


毒竜は巨大な翼を広げ、

口を開いて幽緑色の毒煙を吐き出す。


毒煙に包まれたものは、

すべて腐蝕して崩れ落ちていく。


アレカがみんなの前へと飛び出し、

びっくり箱の本体が

炫光の中で不規則にきらめく。


彼は、その色を判別できない宝石で

巨人の掌から放たれたエネルギー光束を

丸ごと吸い込み、

宝石の奥底に幾重もの幽青の渦を生み出した。


エネルギーは

箱の内部にしばらく蓄積され、


やがてかすかな低い唸りとともに

反射波となって放たれ、

夜空を照らし出す。


炫光の巨人の腕は

その反射波をまともに受け、

魔力は砕けた鏡のようにひび割れ、

周囲の空気までもが衝撃でわずかに震えた。


アレカはさらに大きく口を開け、

毒煙を一気に吸い込む。


箱の中で魔光が明滅し、

毒霧の塊を丸ごと飲み干した。


「この毒ガス、

ちょうどいい材料だニャ!」


蓋が閉まるとき、低く鈍い音が響く。


次の瞬間、アレカの両目がぱっと輝き、

箱の隙間から不気味な漆黒の光があふれ出した。


『精製・ブラインドパウダー』


彼は布袋をひとつ取り出し、

跳び上がって炫光の巨人と毒竜に向けて撒き散らす。


黒みがかった緑色の毒煙が

ぶわりと立ち上り、

二体の召喚獣へと押し寄せた。


巨体が同時にぎくりと止まり、

怒りに満ちた咆哮が空中に反響する。


アペスは一切ためらうことなく毒竜ニーズヘッグへと飛びかかった。


踏みしめた地面の礫が砕け散り、

その身体は稲妻のような速さでうねる鱗の巨体へ迫る。


彼女は毒竜の側翼の下へと身をかがめ、

巻き上がる毒霧の一帯をすれすれで滑り抜ける。


両拳には脈動する

脈輪チャクラのエネルギーが凝縮され、

そのまま毒竜の腹部めがけて猛然と打ち込んだ。


毒竜が苦痛に満ちた咆哮を上げ、

尾を大きく横薙ぎに振る。


アペスは軽やかに跳び上がり、

蛇のような鱗を足場に回転しながら身を翻し、

その勢いのまま竜の頭部へとよじ登る。


燃え立つような視線で、

血のように赤い両目を真正面からにらみつけた。


一方その頃、チェラーレは

音もなく炫光の巨人の背中をよじ登り、

幽霊のような気配で、

その首筋にぴたりと張り付く。


巨人がまだ異変に気づいていないその刹那、

彼女は鋭い短剣を振り上げた。


銀の光がひらめき、

刃は巨人の頸椎へと深々と食い込む。


鮮烈な魔力のエネルギーが、

火花のように傷口から噴き出した。


アペスはその隙を逃さず、

踵を大きく振りかぶり、

毒竜の両目のあいだへと踵落としを叩き込む。


乾いた破砕音と共に、

足元の竜鱗が粉々に砕け散り、

微かな光の破片となって四方へ飛び散った。


毒竜は激しく頭を振り、

血に染まった両眼に苦痛と怒りの光を浮かべる。


アペスはその龍角をしっかりと掴み、

渦巻く毒霧と暴風の只中で体勢を崩さず、

まるで嵐の頂で舞う踊子のように身を躍らせた。


炫光の巨人の体躯は山のように震え、

輝く魔光をまとった巨大な掌が振り下ろされるたびに、

空気の中で爆音が弾け飛ぶ。


チェラーレの身のこなしは

しなやかで素早く、

巨人の手風の下を

滑るように駆け抜けていく。


黒髪が魔光を受けて翻り、

足音は驚くほど静かだ。


彼女は巨人の肋骨の下を疾走し、

月光のように白く光る短剣を、

ためらいなく左脇の下へ突き立てた。


炫光の巨人が苦痛の咆哮を上げ、

その傷口から再び魔力が噴き出す。

まるで夜空に咲く星屑のようにきらめきながら。


アペスは竜の頭頂部で姿勢を整え、

その息遣いは張り詰めた弦のように鋭い。


視線は毒竜の額一点に定まり、

両拳には眩いエネルギーが宿り、

その力が掌の中でうねり渦巻く。


低く短い気合と共に、

彼女は連続して拳を振り下ろした。


一撃ごとに稲妻が走り、

微かな震動が鱗の隙間を駆け抜け、

重い衝撃音が竜の頭蓋に反響する。


チェラーレは巨人の体勢が

崩れた瞬間を逃さない。


再びその姿をひらりと揺らし、

巨人の腹部の装甲に沿って駆け下りながら、

弱点となる綻びを探る。


彼女は装甲の隙間を見極め、

魔法の妖しい光を帯びた短剣を、

躊躇なく連続で突き立てていく。


一突きごとに、

刃は正確無比に急所をえぐり取った。


アペスの最後の一撃は、

これまでの怒りと勇気をすべて

一点に注ぎ込んだかのような重い拳だった。


それは毒竜の額中央へと叩き込まれる。


鈍い衝撃音が響き、

硬い鱗は音を立てて崩れ落ち、

ニーズヘッグの頭蓋を砕いた。


毒竜ニーズヘッグの脳漿が四方へ飛び散り、

悲痛な絶叫が喉の奥から絞り出される。


巨体は激痛に身をよじらせながら痙攣し、

やがて地響きを立てて崩れ落ち、

その生命の気配は完全に途絶えた。


チェラーレの眼差しは、

炫光の巨人の喉元から決して離れない。


彼女は静かに跳躍し、

一歩一歩を確かめるように、

しかし無音でその喉へと迫る。


巨人が苦痛に満ちた怒号を上げ、

魔力があふれ出る中、

チェラーレは一気に

巨人の胸元へと回り込んだ。


短剣の刃には冷たい銀の光がきらめき、

その指先はわずかに震えながらも、

一切の迷いを見せない。


彼女は深く息を吸い込み、

全身の力を腕へと集中させる。


最も脆い一点だけを、

静かに、確実に狙って——


短剣は流星のごとく振り下ろされ、

巨人の喉奥深くまで容赦なく突き刺さった。


魔力と血液が混じり合った奔流が、

裂けた喉から吹き出す。


炫光の巨人はかすれた咆哮を漏らし、

巨大な両手を空中で

滅茶苦茶に振り回しながら、

己を震え上がらせた殺意の主を捕えようとする。


チェラーレは素早く後退し、

その姿は幽鬼のように

揺らめきながら巨人の攻撃をかわす。


喉を深く傷つけられた巨人の巨躯は、

次第に足元をふらつかせ、

膨大な身体が左右に大きく揺れ始める。


傷口の周囲では魔力の火花が散り、

空気を焦がすようにぱちぱちと跳ねた。


そして数瞬後——

山のような巨影はついに支えを失い、

地面を揺るがす轟音とともに崩れ落ち、

戦場全体を震わせた。

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