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当ててみて、私の箱の中に何が入っていると思う?〜俺の冒險用ミミックだ!  作者: 上部乱
第二部——首都とネクロマンサーの観光農園

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第46話 姉妹そろって暴走! 七つの脈輪全開 vs スピリッツオーケストラ

『戦闘終了! レベルアップ!』


――――――――――


『デレオ:アイテム士 Lv46

新スキル獲得:

レプリカ、アップグレード、エンハンス、

アイテムコンバイン、ツールコンバイン』


――――――――――


『アレカ:ジュエルイーター Lv45

新スキル獲得:

有機毒耐性、貴金属合成、宝石合成、

宝石融合、光学属性効果反射』


――――――――――


『カシヤ:楽師 Lv45

新スキル獲得:

進攻の楽章、哀悼の楽章、鎮魂曲レクイエム

スピリッツオーケストラ、聖楽』


――――――――――


『アペス:モンク Lv50

新スキル獲得:七脈輪解放

クラスアップ条件達成』


――――――――――


「うぉーーーっ!」


アペスが爆発したように叫んだ。


「三年だよ! うわっははは!

やっと昇格できるー!」


彼女は高く跳び上がり、

海風と夕陽を背負って弧を描く。


そのまま波打ち際に着地し、

押し寄せる満ち潮が

今にも彼女の足元を飲み込もうとする。


「七脈輪(チャクラ)全開!」


アペスの全身を七色の霊光が包み込み、

脈輪から溢れ出した莫大なエネルギーが噴き出した。


周囲に高熱が発生し、

押し寄せてきた波は一瞬で蒸発する。


白い水蒸気が、もうもうと立ち上った。


デレオとカシヤは、

突如として解き放たれた力に押されて、

思わず数歩よろめく。


「アペス!」

カシヤが心配そうに叫ぶ。

「大丈夫!?」


アレカはデレオの背中に隠れ、

宝石をびくびくと瞬かせている。


さすがに

この規模のエネルギーは怖いらしい。


水蒸気が晴れた時、

アペスは熱でじりじりと焼けた

砂浜の上に立っていた。


笑いすぎて、

目尻には涙まで浮かんでいる。


「はは……やった……

やっと、やった……!」


彼女は懐から

レスラー用のマスクを取り出し、

夕陽に向かって高々と掲げた。


「会長! 見てなさいよ!

プロレスとモンク、

両方の道を極めてみせるからねーっ!」


アペスの燃えっぷりは止まらない。


今や海水を蒸発させるだけではなく、

足元には塩の結晶が生まれ、


砂地は熔けてガラスのような

構造へと変わり始めていた。


「これ以上暴れさせたらまずいな。

七つの脈輪を同時に開いたままじゃ、

エネルギーの出力がデカすぎる。


あのままじゃ、

そのうち本当に倒れるぞ……」


デレオにとってアペスは本物の仲間だ。


そんな彼女が

暴走して壊れてしまうことを想像すると、

胸がざわつく。


「姉さん……ちょっと落ち着いて!」

カシヤも心配そうに歩み寄る。


――けれど、

アペスにはもう何も届いていなかった。


彼女は、

自分の手に入れた「力」の恍惚感に、

すっかり飲み込まれている。


極致の力を追い求める者は、

「最強」という二文字を前にして、

いつだって簡単に道を見失う。


「完全に聞く耳持たないね……」

デレオは眉を寄せる。


「だったら、聞かせてみせる!」


カシヤの瞳に、

決意の光が宿った。


「スピリッツバンド!」


ひとり、ふたり、みっつ、よっつ……。


小さなスピリッツたちが次々と現れ、


ギター、ベース、ジャズドラムセット、

ヴァイオリンを抱えて飛び出してくる。


スピリッツたちはアペスの周りを、

くるりと取り囲んだ。


「哀悼の楽章!」


ヴァイオリンが鋭く細い悲嘆の糸を引き、

重低音のベースが沈んだ振動を、

じわじわと解き放つ。


それでもアペスの力はなお、

真昼の太陽のごとく燃え盛っている。


彼女の高笑いは、

海鳴りと張り合うほどだ。


ジャズドラムのビートが、

まばらから密へ、

速さから緩やかさへと変化する。


ギターが胸の奥の重たい本音を、

ポロンと弾き出す。


――少し、効いてきた。


アペスの身を包む光が、

ほんのわずかにしぼんだ。


だがそれは、

引き絞られた弓が

次の一矢を放つために必要な

「たるみ」にも見える。


「見た? まだまだ行けるじゃん、私!」


アペスの歓喜が、

空気そのものを震わせる。


海辺の墓地の岸辺に、

信じられないことに竜巻が立ち上った。


「私だって、まだまだだよ!」


カシヤも負けじとムキになってきた。

完全に張り合っている。


一体、二体、三体、四体……

十五、二十……四十……八十……


やがて――

合計百二十三体の

音楽スピリッツが姿を現した。


まるでカーニバルのパレードだ。


それぞれのスピリッツが楽器を手に、

アペスをぐるりと取り囲む。


「スピリッツオーケストラ――

鎮魂曲レクイエム!」


カシヤが魔力で形作ったタクトを、

高々と振り下ろす。


次の瞬間、

すべてのスピリッツが一斉に鳴り響き、

重厚な一撃のような音の塊が、

海岸線全体を叩きつける。


海が震え、

打ち上げられた波は、


その衝撃で

夕陽を覆い隠すほど高く跳ね上がった。


アペスは、その壮大な伴奏を聞いて、

さらにテンションを上げた。


「この二人、完全にイカれてる……。


そもそもアペス、不死者じゃないのに、

なんで鎮魂曲レクイエムなんだよ……」


デレオは疲れたように眉間を押さえた。


「アレカ、

さっきお前もLv45になってたよな。


新しいスキルに

『宝石融合』ってあっただろ?」


アレカがぱちりと瞬きをする。

肯定の合図だろう。

———大したことではないこと———


【楽師のスキル】

Lv29 強化の楽章

Lv31 哀悼の楽章(敵の能力を大幅ダウン)

Lv37 鎮魂曲(不死生物の浄化)

Lv41 スピリッツオーケストラ(召喚できる伴奏スピリッツの数に上限なし)

Lv43 聖楽(補助効果付与/戦闘不能回復/体力回復)

Lv47 崩壊の楽章


【モンクのスキル】

初期スキル:素手格闘強化

Lv2 頂輪

Lv3 精神統一

Lv5 眉心輪

Lv7 動体視力強化

Lv11 喉輪

Lv13 呼吸法

Lv17 心輪

Lv19 スタミナ回復強化

Lv23 太陽輪

Lv29 行血術

Lv31 臍輪

Lv37 属性耐性強化

Lv41 海底輪

Lv43 易筋術

Lv47 七脈輪解放

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