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サキ視点 1話

 小さい時に、大好きな人が言ったこと・・・彼女はその言葉を忘れなかった・・


「彼のために」とひたすらに頑張る彼女・・しかし、些細なことからすれ違い・・

「可愛いなー。こんな子と一緒にいれたらなー」


ブラウン管に映る女性芸能人を見て言った彼の一言が、全てのきっかけだったような気がする。


私の幼馴染兼恋人が、まだ小学生の頃の話だ。


彼にとっては他愛もない一言だったかもしれない・・


しかし既に恋心を持っていた私にとっては、それ以後アイドルになることが目標となっていった。



 ・

 ・

 ・



それからはひたすら自分を磨いた。姿勢、話し方、勉強、音楽・・・


あげればキリがないくらいに。それも全ては彼のため・・・


彼の何処がいいのか・・と言われても即答は出来ない。容姿は普通だし、その他でも秀でたところはない。


しかし、私には彼以外の男性なんて考えられない。だから、辛いレッスンも頑張った。


幸いにも私の容姿は普通よりは上だった。あとは自分の努力しだい・・


しかし、プロの壁は厚かった・・


オーディション等ではいいところまでは行く。しかし1番にはなれなかった・・


ある審査員に「君には陰がある。熟成すればそれも魅力だが君の年代の子にとってはマイナスにしかならない」

と言われた。


何度も挫けそうになった。何度も止めようと思った。しかし、止めれば彼が離れていく・・そう思うと不安で堪らなかった。


普通に考えれば、彼がアイドルと付き合える訳がない。しかし、その可能性もゼロではない。いつか彼を奪われるのではないか・

そう思うといてもたってもいられなかった。


しかし、私の不安を打ち消す出来事が起きた。


高校入学後、彼に告白されたのだ。


信じられなかった・・アイドルでもない、一般人の私に告白をしたのだ・・・


天にも昇るとはこのこと。もう死んでもいい、とさえ思えた。


それからの私は憑き物が落ちたようになった。 自然になったのだ。


常に周りの目を意識しなくてよい。彼の視線だけ気にすればいい。


彼以外の評価なんて関係ない。と・・・


レッスンも行かなくなった。当たり前だ。そんなことをする時間があれば彼と一緒に過ごしたい・・


もう無理をしなくていい・・



しかし、両親はそれを許さなかった・・


これまでのレッスン費用等を考えれば当然だ。


だから理由は「いつまでたってもグランプリを取れない。こんな生活にはもう疲れた。」

ということにした。


そんな両親が「今までの自分と決別するためにも、最後に1回だけ受けなさい。それで終わりにすればいいから。」


私はその申し出を受け、芸能界の登竜門と言われる有名なオーディションを受けた・・それが自分の人生を変えるとも知らずに・・

サキ視点です。読んでいただければ幸いです。

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