天に鍔する
私も欲しいかも(笑)
天に鍔すれば
握りこめる柄を得る
天に鍔すれば
そのさきを刃となす
天に鍔すれば
地へと振り下ろす機を伺い
天に鍔すれば
海を薙ぎ払う折を見計らう
蒼穹は弓のしなりのようなアーチを反りに持ち
天下無双をも凌ぐ 天上唯一の刀
地と海を覆い尽くす刃渡りに
昼は抜き身の紋へと
日輪の陽光を疾走らせ
夜は収めた黒漆の鞘に
星々を散りばめる
ときには
雷鳴 豪雨 暴嵐をも纏ってみせては
昼と夜の境界のたびに
これまで浴びてきた血の赤を
その身によみがえらせるのだ
われらはそれに畏れ慄く
だとしても われらは
この天下無双をも凌ぐ 天上唯一の業物を
どうにかして手にしたいと 高望みしては
愚かしいことに きょうもまた
天に鍔してしまうのである
「刃紋」でなく「刃文」らしいですけど、あえて。