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女神様ちゃんとしてください‼  作者: 銀杏の葉
第1章:幼少期編
7/22

5話:女神様、センスなし

2部構成の後編です。


前半部分に変更を加えました。

先生から2時間ほど、この国の歴史の大まかな流れについて教えてもらった。そしてここからは待ちに待った魔法の時間だ!


歴史も十分楽しかったけどね、うん。ただ、魔法なんて魅力的な言葉には勝てないんだよ。


「魔法は、魔力と想像力が全てです。ただ、今使い方を教えることはできません。君がいくらおとなしいからと言え、小さな子には魔法は危険すぎる代物です。君がどんな性格をしているか、そして、魔力の適正などのことがわかってから教えます。」


少し期待してた自分がいたから、残念な気持ちがあったけど理由を聞くと納得だな…


「ただ、魔法の基本的な情報は教えられる限り教えますよ。安心してください。

あ、それと魔法を自力で使おうなんて思わないようにしてくださいよ?」


もちろん使いませんよ、先生。危ないことを自分から起こすことは断じてありません。


「具体的なことは言いませんが、魔法は詠唱によりイメージを作り、そのイメージを魔力を介して具現化させることで発動します。一般的に魔導士といわれる人たちは詠唱を行うことでそれらを1ステップで行います」


結構詳しく言っている気がするんだけど、ここまで聞かれても問題ないということはそれほど難しいのだろう…


魔力か… 少し気になることがあるな…



先生が帰った後、自分の部屋に行って『あの人』を呼び出した。


「おっ、どうしたんですか、そんな怖い顔して」


そう、女神様だ。


「今回は、僕の体のことで聞きたいことがあってですね… 単刀直入に聞くと、僕の体って魔力を生み出しやすい体だったりします?」


女神様は特に気にした様子もなく言葉を返した。


「はい、なってますよ」


魔力トレーニングをした次の日、異常にエネルギーに満ち溢れていた時から、薄々こうなってんだろうな、と思ったが改めて聞くとびっくりする。


「それはどういう状態なんですか?」


別に悪い状態ではないだろうけど… やっぱり不安だよね…


「そうですね… 魔力を作り出すスピードが異常に早いです。使ったそばから補充されます。平たく言うと無限です。それに、魔力をためることができる量がとても多いです。これに関してはそのまんまですね」


開いた口が塞がらないとはこのことだ。そもそも、なんでこんなことになってるんだ? 僕はこんなオーバーパワーを望んだわけじゃないんだけど…


「え? でも、『大切な人を守れる力』って言ってませんでした?」


この人会話1回のつき1回は心読まないとどうにかなってしまうのだろうか。


「言いましたけど…」


一応返事をしておく。多分見透かされてるけどね。


「じゃあ、望んだとおりですよ。この世界には魔物も、盗賊も、あなたたちが言う魔族もいます。この世界の中でこれらの者たちに勝てるように、力をあげたのですが…

もちろん、最初からそんな力をあげられないので、ポテンシャル、あるいは素質としてあげました

他にも、無詠唱で魔法が使えたり、自己オリジナルの魔法が使えたりします…って聞いてます?」



「…………」



絶句。まさかこんなことになってたとは。ショックでフラフラする。心配する女神様をよそにベッドへと向かう。


「ごめんなさい、ちょっと頭がパンクしそうで… 少し、寝ます…」


そのままパタンとベッドに倒れこんだ。


「あれ? どうしたんですかね? うーん… まぁ大丈夫ですか!」


自己解決をした女神様はそのまま消えていった。



ハッと目が覚めた。そんなに長くは眠ってなかったらしい。


まさかこんなに衝撃的なことを伝えられるとは… いや、でも前向きに考えよう。魔法の練習さえすれば何者から襲われても基本的に大丈夫ということになる。誰だって守れる。


……結果オーライかな?


それにしても女神様、やりすぎだよな。もうちょっと限度を覚えてくれれば…



夕食の時間の最中、母さんに聞かなきゃならないことがあるのを思い出した。


「パパ、ママ。今日、先生にパパが大きな商会をもってるって聞いたけど、本当?」


両親は少しびっくりすると、微笑んでこう答えた。


「そうだよ~ じつは父さんも母さんもすごいんだよ?」


そうだろうな、と思いながら、父さんの話を聞いていた。


「ロールは、三大商会は知ってるかい?」


「うん、知ってるよ。先生が教えてくれた。」


偉いね~なんて言ってる両親を横目にご飯を食べていたのだが、次の瞬間、そのご飯を吹き出しそうになることになる。


「ちなみに母さんは、三大商会のクラウン商会の一番偉い人の妹だよ。」


ええええええええ! なんでだよ! なんでそんなにすごい生まれなんだよ!


普通に食べてるもの吹き出すかと思ったわ!


「ロールのおじさんはクラウン商会の一番偉い人ってことだね~」


策略的な結婚かと思ったら、純愛だったらしい。幸せそうで何よりだが、両親ののろけ話は勘弁だ…


それにしても、すっごいことを聞いてしまった。


今日は大変な1日だった…… それも人生最大の。まだ生まれてから5年しかたってないらしいけど。



うん……やっぱり増えてる。魔力の量が増えてる。何も意識しなくても魔力がどんどん増えていってる。


なるほどね…… こうなっているのは教えられていたけど、改めて確認するとびっくりするな……


どうせ、1度魔力に触れたのがきっかけでこうなったんだろう。


「今日は疲れたな」


父さんが大商会の主で、母さんは大商会の主の妹で、僕は、魔力の永久機関で。


平凡な人生とは程遠い。


なんでこうなったかなぁ……


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