4話:実はすごい人ばっかり?
今回は2部構成です。
はぁ、ひどい目にあった。まさか魔力トレーニング(仮)を1回するだけでこんなにも疲れるとは思わなかった。
昨日は死ぬほど疲れたけど、今朝はなぜか元気いっぱいだ。エネルギーに満ち溢れている気がする。気のせいかな…
そういえば、今日も先生が来るらしい。契約上は、前世でいう月曜日、水曜日、金曜日にあたる日に授業があるんだけど… 今週は特別なんだと。火曜日である昨日に授業があって、水曜の今日に連続授業ってことね。
今日は多分、歴史の授業かな? ちょっとでも魔法の話をしてくれたらなぁ…
「ローレンス様、そろそろ先生が来られますよ。」
フィーナだ。あんまり様付けはあまり好きじゃないんだけど…
ともかく、迎えに出よう。
「こんにちは、先生」
相変わらず美しいことで…
「こんにちは。ローレンス君」
この世界の歴史を学べるのにワクワクしながら、先生とともに部屋に向かった。
「先生、今日は何をするんですか?」
目を輝かせながら聞いてみる。もしかしたら魔法のことについて教えてもらえるかもしれない。
「今日は、歴史の勉強をしましょう…… もう、そんな顔をしないでください… しょうがない、魔法の勉強も少しだけしましょうね」
やった! 悲しそうな顔をしてよかった! 少しだけらしいけど、1と0じゃ雲泥の差だ。
「今日はこの国のおおまかな歴史について、軽く学んでいきましょう。」
「いいですか、我がグレイヴェルト王国はをここ、ランドルドを首都とした大国です。周りの国と比べても、ひときわ大きな国で、商業、魔法、文化については他の国より飛びぬけています。
我が国がここまで大きくなったのには、過去の戦争の歴史が大きくかかわってきます……」
長い。とても面白く、魅力的な話なのだがいかんせん長い。2時間ぐらい話を聞いていたのではないだろうか。
先生が言っていたことを簡単にまとめると、今から約700年前は、国同士が対立して、戦争をしていた。『歴史上最悪の人間同士の戦争』と言われる戦争は100年程度で終わった。
しかし、今から500年前まで、この国を含め周辺国家が互いに互いをけん制していた。いわゆる、冷戦状態というものである。
そんな人類が1つにまとまるきっかけがあった。
それが、魔人戦争というものである。戦争のきっかけはシンプル。魔族が魔物を率いて攻めてきただけ。外的要因で内が団結したってこと。
双方多数の犠牲者を出し、約10年をかけて魔族全員を封印して戦争が終結した。『魔族全員』と聞いてびっくりすると、先生が『魔族は13人しかいない。その13人は1人で国を滅ぼせる程の力を持っていた』と聞いてさらに驚かされた。
化け物ぞろいだ… いや、元から化け物なんだろうけども
というか、さらっと聞き流していたけど、普通に魔物っているんだな。最初のテストにも出てきたこともあり、いるんだろうとは思ってたけど。
話を戻して、その戦争でうちの国の魔術師が大いに活躍したことでほかの国にリードをできたということだったそう。その魔術師の中で魔族の封印を率先して行っていた3人は英雄とまつられている、とのこと。
「なるほど…… そんなことがあったんですね。この国が魔法と文化で発展した理由がわかりました。ところで先生、何がきっかけで商業が発展したんですか?」
気になった疑問をそのままぶつけてみた。
「いい質問ですね。それは、魔人戦争の後2つの大商会が発足したのです。一つは、英雄の1人であるクラウン様が作り上げたクラウン商会、もう一つが国が復興のため立ち上げた王都復興商会です。この2つの商会は今もそのまま三大商会に数えられています。
…まぁ、もっとも今は王都復興商会ではなく、王都大商会となり国が運営を取りやめていますが。」
ん? ……三大商会のうちの2つはわかったけどもう1つは?
「三大商会のうちの最後の1つは何なんですか?」
すると、先生は困ったような顔をしてこう言った。
「知らないんですか? もう1つはあなたのお父さまが運営しているウィンベリー商会ですよ。発足は確か200年位前で、当時は他の2つの商会と対立していたそうですが、互いに干渉しないことがわかると、和解したほうですよ。ちなみに、お母さまの出自について聞いたことがありますか?」
ええええええええ! マジで! そうなの!? 随分大きい家だとは思ってたけど…
しかも今度は母さんのことときた。普通にある程度裕福な家の娘か何かかと思っていたけど……
「その様子だと知らないようですね。まぁ、これは私から言うべきものでは無いのかもしれませんね。ローレンス君の口から聞いてみてください」
なるほど…… 父さんが言っていた『パパは結構すごい』っていうのはこんな意味だったのか。本当にすごかったなんて…
母さんのことも気になるな… この授業が終わったら聞いてみようかな?
僕の身の回りの人はめちゃくちゃすごい人だったのか…