片11。カケル2分の2。─それからの一つ─
もしも、ここが未来都市だったならって、
想い描いた造形
朝焼けの光とともに
日照時間の短くなった世界を照らすパネルが
街の中心部へと太陽光を集めて
地下に眠っていたビルが芽吹くように顔を出す
僕と君は、いつ出会ったの?
消されていた線路がたちどころに隆起して
温暖化で上昇した海面よりも高く繋ぎ合わさる
それでも激しく感情を揺さぶるのは
君と同じ未成年でも、まだ早くないってこと?
ねぇ、教えてよなんて見つめてる君の制服の赤いリボン
視線を落としても
大人たちにさえ分からない未来が
ただ一つさえ求めてるってことだけに気づいて
足早に訪れる命の終わりに近づいてさえいるのに
君の奏でるピアノの音が美しくて
傍にいたくて
なのに、どうして戦わなくちゃいけないんだろう
もはや、世界は地球だけのものじゃないって
今日も、ネットニュースとかが授業中の僕のカバンの中で振動してる
雲間から射し込む光──、巨神光霊に搭乗する新たなる段階
約束の期限が迫っている
一人たたずむ教室で君と待つ時間
君になんて声を掛けていいのだろう
どうしても、人には、やらなきゃいけないことがあるって、
けど、僕らはお互いにまだ未成年だから
大人たちの人形にはなりたくはないのに。
君は──
この星の運命とか希望とか、さも頑なに背負ってる
逃げ出したって良いんじゃないか?
もしも、ここが未来都市だったならって、
ずっと先の滅んだ世界
ここが、終わりの世界だったならって。