46:幸せの始まり、ですか?
「オーウェンス様!」
元気にリリィが朝起こしに来てくれた。
昨日のことあってか、まともに口を聞いてくれなかったけど、今日は腹の虫がいいのだろうか。
「――ん、リリィ……おはよう……」
「おはようございます。早速ですが、少しお話がしたいです」
「――……ほへ?」
「…………」
二人の少女は寡黙する。
一人の金髪は赤面し、もう一方の黒髪は今か今かと待っていた。
「――あの、リリィ……」
「もう少し待ってください!」
「はい……」
それいってもう30分経つんだけどなあ……オーウェンスは黙った。
「――――そ、その! 本日お時間頂いたのは……えっと……」
「――わかってる。昨日のことだよね?」
「え、ええ! そうです……」
「まあでも、ボクはリリィの選択肢を尊重するから、強制する気は全くないよ」
「……お母様にきいたんです」
「――え! な、何を……?」
ボクが告白したこと? えそれ色々とマズくね?
「そ、その……好きとはなんなのかと言うことを」
「なるほど……」
よかった、まだそこまでじゃなかった。
「お母様は、その人が頭の片隅にいつもいて、その人が誰かと自分より仲良くしていたら嫉妬すると言うならその人のことが好きだと言いました」
「…………」
――ほう。
「そ、それで考えてみたんです。私のオーウェンス様に対する『好き』は、どういう方向での好きなのか、それは恋愛としてなのか、忠誠としてなのか確かめたかったんです」
「……それでリリィはどう結論づけたの?」
「私は……オーウェンス様といると胸がドキドキします。笑っているオーウェンス様を見ると幸せになって、もっとお側にいたいと思います。それに、ユリウス様やフェーリ様、クライム様と仲良く談笑しているときは、なぜかなんだか嫌な気持ちになるのです。……私は、これがなんなのか確かめたい。だから――――」
もっと仲良くなれますか?
ボクはもちろん、と答えた。
○○○
「ふんふ〜ん♪」
「ちょ、オーウェンス様、あまりくっつかないでください」
リリィの腕に抱きついて、登校する。うん、朝から最高だ。
周りの視線がいつもと違う気もするけど、そんなのは知らない。
それに、厄介な人たちもいなくなって万々歳だ。
これでボクの物語はリリィエンドに持っていくだけ、ありがとうございました。(勝利宣言)
「いいでしょ? 私と、リリィの仲、なんだから!」
「ちょ、オーウェンス様! 引っ張らないでください!」
「オーウェンス様! おはようございます! 今朝の騒動はいったいなんだったんですか!?」
「私も気になります! アグネスとあんなに仲良かったですか??」
「み、みんな……まずは落ち着いて……」
リリィと登校デートしてすぐ、ボクの周りはたくさんの人が押し寄せていた。
直接きいてくるのは女子だけだが、それとなく男子も聞き耳を立てていることは知っている。
「――オーウェンス様、少し宜しいでしょうか?」
リリィが間を縫って助け舟を出してくれた。
「リリィ……」
「――だから、あれほど腕を組むなと言ったんですよ! あのおかげで私にまで影響がやってきてるんですからね!?」
「り、リリィ……落ち着いて」
「落ち着いていられますか! 朝から勇気出して、思いをつげ、そしたら好きな人が急に腕を組んでくるんですよ!? 私の鼓動は高鳴りっぱなしです!」
「ん? 好きな人?」
言葉の綾か?
「――は、はわわ……! と、とにかく! 学校ではこういったことは禁止です! わかりましたか!?」
「…………はい」
なんか誤魔化された気がするのは気のせいだろうか。
ボクは心の中でつぶやいた。
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次回は13:00の予定です。(前後します)




