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39:勝利と、栄光と(兄妹対決 後編)

面白いと思った方は、いいねブックマークしていただけると見逃すことなく閲覧することができます! 何卒何卒。

感想や質問は励みになります! 是非是非。 

また2022年12月13日から、ツイッター(@Yumiera_naro)も始めました。

こちらのフォローも差し支えなければ。

「聖騎士の進行!」


「水龍の咆哮!」


 形勢逆転。攻守交代ともいうだろうか、今までマリィが受け身側だったのに対し、今度はユリウスが圧倒されている。


「――逃しませんわっ! ホーリーランス!」


 ホーリーナイトを水龍の咆哮で防ぎ、一旦距離を取ろうとしたユリウスに迎撃の光魔法・ホーリーランスが飛んでくる……っ! 


「――っ。が、ウォーター!」


 なんとかユリウスはウォーターで相殺。両者拮抗状態となった。


 ――否、実質マリィの方が分があるだろうか。ユリウスの魔力はほぼ枯渇。


 かたやマリィは一定時間とはいえ、無限に攻撃が可能だ。


 さらには攻撃したところで、回復魔法で治され、今のマリィには意味が全くない……っ! 


 まさに、ユリウスは絶対絶命のピンチに立たされていた。


(だが……これが長く続かないのも眼に見えている……)


 事実、『永久なる至上の喜びカリス・デリス・アイン』の立方牢はだんだん薄くなってきていた。


「――ウォータ!」


 転機だ。


 ユリウスは強気に中級魔法・ウォータを出した。


「――無駄ですわ! 精霊の喜び!」


 しかし虚しくもユリウスの攻撃はかき消される。


 だが――――


 ユリウスの目的はそこではなかった。


「――今のはブラフだ」


「……っ!? そんな!」


 ウォータが防がれた刹那、マリィの目の前にはユリウスがいた。ウォータはあくまで囮……身体強化魔法で一気に近づき、次なる一手を繰り出す……っ! 


「これで終わりだ。――水龍の咆哮っっ!!!!」


 最後の魔力を使い、最後の攻撃、水龍の方向を放つ……っ! 


「ほ、ホーリーナイト! …………っ!!!」


 防御が間に合わなかったマリィは直接ユリウスの攻撃を喰らい、そのまま吹き飛ばされる。


 次第に立方牢は消え去り、マリィは瀕死の状態ながらも立ち上がる。


「……さすがお兄様ですわね……全力を賭しても、この状態……完敗、です…………」


「――ばかいえ……私だってもう限界、だ……」


 両者ノックダウン。二人は力尽きて倒れた。


 結果はわずかに倒れるのが遅かったユリウスの勝利となった。


   ○○○


「――…………」


 オーウェンスは彼らの試合を見て、今日初めて驚いた。


 手応えのある対戦相手がおらず、そのままリーグ優勝してしまい不服だったが、その不満さえも吹き飛ばされてしまった。


「マリィに……それにユリウスも……強かったんだなあ……」


 ふとしてその感想が落ちる。


「当たり前です。オーウェンスが転入する前は彼らはトップだったのですから。それに、ユリウス様は聖マルクス学園の主席合格者ですよ」


 赤く泣き腫らした目のリリィが言った。


「――リリィ。まだ目が赤いよ」


「――!?!? す、すみません!」


「あはは……」


 オーウェンスは思考に耽る。


 ……彼らの試合はそれこそ、1級リーグでも十分勝てるレベルだ。


 ユリウスやマリィだけでない。


 クライムやフェーリだって、その実力は確かなものだった。


 もしリーグが違えば…………オーウェンスその先を考えることやめた。


 正直、オーウェンスは自他ともに認める最強だと理解していた。


 しかし、その常識も今や崩れかけようとしている。


「――これはより一層気が抜けないなあ……」


 オーウェンスの目にはより強い炎が宿った。


「そ、れ、に! 総合優勝して、古代魔道具はボクのものだっ!!」


「――いえ、それが欲しいのはオーウェンス様だけかと……――ひゃうっ! な、何をするんですか!!」


 ボクは黙ってリリィの胸を揉んだ。


 久しぶりのリリィの巨峰は柔らかかった。

最近、更新ペースを守れずすみません。

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