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37:さあ皆さんお手を拝借。私が通りますよ?

面白いと思った方は、いいねブックマークしていただけると見逃すことなく閲覧することができます! 何卒何卒。

感想や質問は励みになります! 是非是非。 

また2022年12月13日から、ツイッター(@Yumiera_naro)も始めました。

こちらのフォローも差し支えなければ。

「ふ、ふふ、ふふふ……」


 起床。そしてボクは暗黒微笑ニチャアをする。


 朝の小鳥たちの視線が痛いが、そんなことは問題ない。


「――何をしているんですか、オーウェンス様。気持ち悪いですよ?」


「――ぐはあっ!」


 リリィからの心のない言葉! オーウェンスは10000000の精神ダメージ! 


 ……オーウェンスは立ち上がらない。まるで屍のようだ。


「何をしているんですか。早く起きてください。今日は3回戦ですよ」


「――あ、あ……」


 リリィに連れられるままにボクは会場へと向かった。


 ちなみに今日はお着替えしてもらった。



「――オーウェンス=クーデリカです。控室はどこですか?」


「あ、クーデリカ様ですね? こちらになります」


 通りかかったスタッフさんに案内してもらい、やけに豪勢な控室へと入る。


 どうやらボクは今回のMVPとして優遇されているようだ。うむ、くるしゅうない。


 ――しかし、最上位学園と聞いたから、心躍らせて望んでいるのに、今のところ全く歯応えのある人がいない。


 昨日は瞬殺。一昨日は――思い出すだけでも、腹が立つ。


 だがあの一件で今この気持ちを維持できるのだから、ありがたいこととして受け取ろう。


 圧倒的に蹂躙し、劇的に総合優勝する。


 そしてその先は古代魔道具とお楽しみの時間だ。


 待っててね。魔道具ちゃん♡♡ 


 そして、リリィやユリウスくんたちも奮闘しているようだ。


 クライムくんのスライムボ……ネットは驚いたけど。


 ノーヒントであそこまで叩き出すのはなかなか鋭い。


 この大会が終わったら正式に、ストック中のスライム系アーティファクトを持ち込みにいこう。


「――んで、そろそろリーグも終盤、か。今のところ連戦無敗だし上々♪」


 今日戦って、明日総勝利数が多いものが決勝、タイマンとなる。


 よーし、今日はギアを上げて記録チャレンジしようか。


 今日は全戦、何秒かかるかな? 



「――それでは、1級リーグ3回戦最終試合を開始します。それぞれ名前と、使用する武器と得意魔法をお伝えください」


「クーデリカ=オーウェンスですわ。使用するのはこの魔法剣。得意魔法は……――」


「――よい。そなたのことはよく知っておる。私の名前はデロリア=ドク。得意魔法は傀儡魔法だ」


 おお。未来とか過去に戻りそうな名前だな。


「こりゃヘビーだぜ……」


「え?」


 おっと失礼。これはこっちでは通用しないんだった。


「――い、いえ。ドク様ですね。よろしくお願いします」


「では、ドク様は距離を取って……1級リーグ3回戦最終試合開始です!!」


「スライムソード、刻印。初等5大魔法、ファイア、ウォーター、ウィンド、ロック、

 ライト…………スライムソード『オールドデウス』」


 ついでに身体強化っと。悪いね。こっちはタイムトライアルをしているんだ。さっきの試合で手間取って残り1分しかないんだ。


 オーウェンスは、一気に地を蹴り、ブラ……ドクに近づき、その体目がけて刃を入れる……っ! 


「――あれ?」


 しかし、オーウェンスは何もないところで転倒。笑いが静かに湧く会場に、恥ずかしさを覚えるが、気を取り直してもう一度。


「――はああっ! ……あだっ! だからなんで!?!?」


 今回は足元に気をつけて、走らずに飛んだんだよ? 何かに引っ張られるように倒れることってある?? 


 ――何かに引っ張られる…………は、そうか! 


「あなた、さては傀儡魔法の使い手ですね!!」


「え、ああそうだが……私の手で踊らされるのは楽しいか? 

 これが私の魔法、傀儡人形の輪舞曲パペット・ロンドだ」


 ドクは「さっき言わなかったか?」と小さく呟いた。


「やっぱり!」


 どうりでおかしいと思ったんだ。ボクが何もないところでコケるなんて、そんなあざとい系女子じゃない。それはマリィの十八番だ。


 ――――


 ――


「――へくしっ!」


「大丈夫ですかマリィ様? 風邪ですか?」


「いえ平気よ……なぜかしらね……少し失礼なことを言われた気がしますの……」


「え!?」


 ――


 ――――


「そうとなればやることはただ一つ! …………ふんっ!」


 オーウェンスは自分の体を縛っていたらしき糸を無理やり引き剥がした。


 すると――


「ぐあああああああ!!!! 指が、指がぁっ!!!!」


 糸の先はどうやらドクにつながっていたようだ。


 あちゃーこれはやらかしたなあ……。


 指から血はだらだら、そりゃ人の目気にせず転げ回るよ。もうなんか、審判さん引き笑いしているし……今日は残念だけど、辞退してもらおう。


「だ、大丈夫ですか? すみません。傀儡魔法なら引きちぎればいいと思いまして……」


「どうして……っ! どうしてそんなに君は脳筋思考なんだっ!? 普通はもっと解除方法を考えるだろう? 試行錯誤して、やっとこさ私を倒す――そのために私は出ているようなものだろ!!」


「はいすみません……いえ、後半から全くわからないのですが……はい。私が悪かったです。ごめんなさい」


 よくわからないけど、とりあえず謝った。


 そしてそのまま、ボクはなし崩し的にリーグ優勝をしたのだった。


 最後に言う言葉は決まっている。


 最後に言う言葉は決まっている。

「こりゃヘビーだぜ……」


「何が……重い、の……だ…………――ごふっ」

 ドクは最後にいいツッコミをした。

今日から毎日5本投稿していきます。

最終的には月末100話で区切りをつけたいものです。

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