30.5:意外な組み合わせ?
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ここは王都ミドガルド学園。魔法の叡智を全て集めた学校である。全5学年からなり、英才教育を受けたもののみが入学を許されるアバンの国で最も難関学校だ。
『貴賤問わず、人格と実力にあれ』というのが、現国王アシュタイン=キリリ=ネーゼの意向であり、実力と人格、それらを兼ね揃えたものは、今後永劫の繁栄が確約され、身分問わず、国一斉になって生活や将来をサポートする学校でもある。
今回は、二人の金髪少女の物語。
「あら」
「まあ!」
廊下を歩いていましたら、マリィ様と出会いました。
「――リリィじゃない! どうしたの?」
「……特に理由はありません。マリィ様は?」
「マリィ? マリィはねえ……リリィに会いにきたの!」
はわわ。抱きついてきました。
ふんわりと柔らかい髪も、なんだかいい匂いもして、心地がいいですぅ……――はっ。
「――ま、マリィ様? お気持ちは嬉しいのですが、こういったことは周りに誤解を生んでしまいます……」
「5回? マリィってそんなにしたかしら?」
「いえ、回数のことではなく……むしろそれ以上しています……じゃなくて! 周囲の人に勘違いされてしまいます」
「そう? 別にマリィとリリィの仲なんだし、いいじゃない!」
マリィ様はより一層強く抱きしめてきました。うう……だからそんなことやめてください!
「と、とりあえず! お茶でも淹れましょうか? お菓子もご用意いたします」
私は無理やり引き剥がして、マリィ様に提案しました。
「おかし!? 行く! 食べる!!」
私はマリィ様のお部屋に招かれました。
「――ところで、オーウェンスとあなたって付き合っていないのよね?」
「……へ?」
あまりのことに、私はティーカップを落としてしまいました。
「――ああっ!! す、すみません!!」
「いいわ! 別にこれぐらい!」
すぐに破片を拾ったのち、何度も謝りました。
「――それで、さっきの話なんだけど」
「……っ! い、いいいいいいえ、私とオーウェンス様がお付き合いしているとか、あり得ませんから!! オーウェンス様は、確かに女の子なのにかっこよくて、時折可愛い部分もありますが……私とは釣り合いません! ……はっ。そもそも! 女の子同士が付き合うなんて、普通じゃないです!!」
うう。口早に変なことまで喋ってしまいました……。
「――私は別にいいと思うわよ? 私もオーウェンスのことは大好きだし」
「…………はい?」
刹那、私は足元が崩れ落ちるような感じがしました。
マリィ様が……オーウェンスをお好きに?
えまさか?
でも最近何かといい感じだったし……この前の授業だって、一緒にハイン先生に怒られていましたっけ?
……それってもしかしてオーウェンス様も……?
え、ええ……そ、そんなあ……あは、あはは、あはははは…………。
「リリィ、溢れてる溢れてる!」
「す、すみません!」
――ふぅ、今日は取り乱すことが多くて困ります。
「それにマリィ、リリィのことも大好きだし」
「――っ!?!?」
え、えええ!! マリィ様が私のこともお好きに??
それじゃあ、マリィ様とオーウェンス様と私の関係は……??
は、はわわ……! 考えただけで、頭がパンクしますぅ……。
「だからリリィこぼしてるってば!」
「すみません!!」
――……ふ、ふぅ……きょ、今日の私は取り乱すことが多いですね。メイドとしてあるまじきことを……。
「どうしたのリリィ? 今日具合悪い?」
マリィ様は額同士をくっつけて私の熱を測ろうとしました。
「ま、マリィ様……ちかい、ですぅ…………」
「リリィ!?!?」
最近の私は、ちょっとおかしいです。
そのまま熱に当てられて、私は意識を失いました。
今日は遅れてすみません。お詫びの追加投稿です。




