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24:再び、学校生活ですか?

面白いと思った方は、いいねブックマークしていただけると見逃すことなく閲覧することができます! 何卒何卒。

感想や質問は励みになります! 是非是非。 

また2022年12月13日から、ツイッター(@Yumiera_naro)も始めました。

こちらのフォローも差し支えなければ。

「オーウェンス様! スライムファンデーション私も使ってみました! そしたら見てください! 肌はモチモチスベスベ! ……魔力適性が少ない私でも、扱えたんです! こんなこと初めてです! ありがとうございます!!」


「喜んでいただけて、幸いですわ。またなにか気づいたら逐次、教えていただけると嬉しいですわ」


「はい! それじゃ失礼します!」


 スライムファンデーションが世に出て1週間、主に女性を中心に飛ぶように売れている。こうして直接お礼を述べられることも少なくない。


 突然だが、皆さんもビジネスをするときは女性をターゲット層にした方がいいぞ。なぜなら、いつの時代だってカカア天下ですから。


 家計を握っているのが、カカアなら、その彼女たちを虜にすれば良いのだ。それで夫婦仲が悪くなったと言われましても、ボクは知りません。


 ――むしろ逆に、妻が美しくなって……とか、そう言った惚気を街を歩いているだけでも耳に入ってくる。


 こうして噂されるのも、悪い気はしない。結局、ミドガルドの方でも話の種になってしまったなあ……。


 学園のときは、ボクが一つあくびをしただけで、さまざまなありもしない憶測が飛び交い、学園一丸になってボクをサポートしようとしてきた。


 ――いや、ボクが眠いのって元はと言えば、あなたらの影響だからね? 



「――お前らぁ〜浮かれてないで、さっさと席につけぇ〜」


 相変わらずだるそうな声のハイン先生が教室に入ってきた。


「いいかぁ、今日から転校生を紹介するぅ……入ってこい」


「失礼する」「失礼します」「失礼するぞ」


 入ってきたのは、ユリウス、フェーリ、そしてカルバン。


 ……まあ、知っていたよ。お父様ならやりかねないと思っていたもん。クソ親父……失敬。お父様のヘッタクソなウィンク顔が浮かんできますわあ。想像するだけでも、腹が立ちます。


 ボクは笑顔を貼り付けて押し黙った。


「じゃあ、自己紹介しろぉ〜」


「――聖マルクス学園からやってきた、ユリウス=ネーゼだ。……と言っても、初等部のときとあまり顔ぶれが変わっていないな。久しぶりだ」


 ユリウスの挨拶に、うおおおお、と周りが湧く。多分、彼はどこ行ってもこんな感じなんだろうな。


「――同じく聖マルクス学園から転校してきました。フェーリ=ヨルンです。僕はミリカ先生の弟子として、イライザの国代表として転校してきました。よろしくお願いします」


 フェーリの自己紹介は、ユリウス一強の空気によってかき消された。


 まあ確かに、留学生だから、みんなが警戒するのも当然か。肌の色や体つきも結構違うし。


「俺はクライム=カルバンだ。聞いての通りカルバン商会の次期跡取り。そして……うちの商会は、そこにおられるオーウェンス様とアーティファクトシリーズとして販売・生産をしている」


 クライムはボクの宣伝効果で上々。主に女子の間で、ヒソヒソと話題になっていた。きっとスライムファンデーションのことだろう。


 ――結局、フェーリ君はこの場では空気だった。


   ○○○


「――オーウェンス、ちょっといいだろうか」


 休憩時間に学校の友達と談笑していたら、ユリウスが強引に割って入ってきた。


 みんなは何かを察したのかさっさとその場を去ってしまった。


「はい、なんでしょうか?」


 ボクは笑顔で答える。


「……ここではなんだから、少し場所を変えよう」


「わかりました」



「――それでお話というのは」


 ボクは学校の庭へ案内した。ここなら広いし、誰に聞かれることもない。


 ……と、思っていたのだが。


「なんで、みんな茂みに隠れてるんだよ……」

 大量の魔力反応に不思議に思って、ひとたび探知を使えば周りには四方八方囲まれているのがわかった。


 ユリウスは気づいていないようだ。


「――……そ、その。オーウェンス……会えて嬉しい」


「はい、私も嬉しいですわ」


 全くの嘘である。


「その、お前に会ったらまず伝えたいことがあったんだ……」


 真剣なお顔でこっちを向く。


「はい、なんでしょう?」


「そ、その……前々から思っていたのだが…………実は!」


 ――あ、これ告白されるやつじゃん。


「――いけませんよ」


 ボクは即座に水をさした。


「……へ?」


「――実は、(わたくし)、自分より強いお方でないと、興味が惹かれないのです。ですから……お気持ちは嬉しいのですが…………」


 要約。ボクより強いやつはこのようにいないだろ? =ボクのことはさっさと諦めて、聖女様とでも結婚してくださいな。


 ボクはリリィと結ばれます。


「で、では! お前より強くなればいいのだな!?」


 ユリウスは半分ヤケクソで聞いてきた。


「ええもちろんでございますわ」


 ――そんな奴いねえけどな。


「じゃあ、来月の新春大会に私は出る! そこでお前に勝つ! 今日の続きは……その日まで」


「楽しみにしていますわ」


 出る気ないけどね。ボクは心の中で付け加えた。

フェーリは、アバンの国の言語を覚えるために敬語をまず勉強しています。21.5話では、咄嗟のことに母語が出ていたのです。

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