21:では、本題に入りましょうか?(後編)
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前回のあらすじ。ボクはカルバン商会に新しくスライムファンデーションを持ち込んだ。そしたらなぜかカルバン商会と、どこか違った意味で深い関係になった気がする。以上!
――そして、ようやく利益配分や今後のことなどを話し合って数時間。
ボクは例の如くベッドに倒れていた。
「づ〜〜が〜〜れ゛〜〜だ〜〜〜〜」
「お疲れ様です。オーウェンス様。……お茶、入れましょうか?」
「――いや、目が覚めちゃうから、ホットミルクにして」
「かしこまりました」
ほんと、今日はめっちゃ長かったなあ……普通に12時回ってるんじゃない? 寮の人には予め伝えておいたけど、それでも夜中にこっそり帰るってのはいささか気が引ける。
「ほんと、リリィ。ありがとね。こんな時間まで付き合ってくれて」
ボクは前世の癖から、夜更かし体質は抜けてないけど、リリィは人生2周目でもなんでもない。ただの普通の10歳だ。
「いいえ。なんて言ったって、私はオーウェンス様のメイドなんですから」
「そうは言っても、申し訳ないって。なんかお礼させて……?」
いやらしい考えは全くない。今回は純粋な好意である。(←N回目)
「そうですねえ……最近肩がよく凝るので、マッサージをしてください」
「……おっけえ」
最近のリリィいい意味で遠慮がなくなったよなあ。甘えるところは甘えるというか。心なしか、親密度が少し上がっているのかな?
そんなことを考えながら、黙々と揉んでいると、
「あの、オーウェンス様……」
「――んん? なーに?」
「そ、その! オーウェンス様は今でも私のことを……す、好いているのでしょう、か……?」
「そうだねえ。ボクはリリィが、だいだいだーい好きだよ?」
何気なしに、耳元で優しく囁いてみた。
「ひゃうん! そ、その近いですぅ……そんな耳元で口を近づけられると……んっ」
「何を言っているの……ボクはマッサージ、してるだけだよ?」
暗く一本の蝋燭が小さく部屋を照ら中、二人はベッドの上にいる。疲れも溜まり、眠気も重なり、正しい判断もままならない環境下、少女たちは頬を紅潮させ、一方は意地悪な笑みを、もう一方はどこか恍惚とした表情を浮かべていた。
(※マッサージです。至って健全です※)
「――んっ、オーウェンス様。そこ! いいです!」
「そうかそうかここがいいのか」
ボクは鼻を伸ばしながら手を進める。
「あ、ああ! そこ! いいですぅう!」
(※マッサージです。至って健全です※)
「じゃあ、ここなんかはどう、かな……!」
「と、とってもいいですぅ……ふやけちゃいますぅ……」
(※マッサージです。至って健全です)
「じゃあ仕上げにここ…………っ!」
「あ、あ、あああああああああああ!!!!!!」
(※マッサージです。至って健全です※)
(※マッサージです。至って健全です※)
(※マッサージです。至って健全です※)
(※マッサージです。至って健全です※)
(※マッサージです。至って健全です※)
――――――――――――――――ERROR!!!――――――――――――――――
「はあ、はあ…………」
「どうだった? ボクの秘孔をついたマッサージは」
「最高ですぅ……毎日頼みたいぐらい、ですぅ…………」
マリィはよほど気持ちよかったのか、語尾がふやけている。身も心も満たせてボクも満足満足。
「――ていうか、もう1時じゃん」
「そうですね……――そろそろ寝ましょう……」
しかし、リリィはどこかチガウコトを期待しているような眼差しだった。
「――そうだね。今日はもう遅いし。明日も学校だ」
「いえ、明日の学校はお休みですよ?」
「……へ?」
おかしい、今日は金曜日のはず。学校はあるはずだ。
「いえ、ですから。明日は国王陛下の謁見ではないですか。先日進言した内容やこれまでの功績をたたえて、授与式が開催されるのですよ?」
「……はいぃ?」
あまりのことに、リリィのように可愛く小首を傾げる。
「忘れたのですか? ……お手紙も……ほら」
「え、ええ…………」
しばらく、というか、ボクに休みはいつ来るんだ…………。
「もう……げん、かい…………」
ボクはそのまま瞼をシャットダウンした。
今回は久しぶりのお色気回でした。
……しかし、彼女らはマッサージをしているだけにすぎません。




