第七話 勉強会
今日はみなと楓とゆうちゃんと騒ぐことになった。
親もいないし、夏休みは最高だな。
「みんな、聞いて!春ちゃん、田畑にキスされて田畑が家の近くのマンションに引っ越してきて合鍵持たされて一昨日花火見にいったんよ、ヤバない!!??」
みな…全部みんなに言ってしまうなんて…。
「小春…まじあいつキチガイだって、関わらんほうがいいって」
楓が真剣に止めてくる。そうかな、昔はそう思ってたんだけど、今はなんだか違う感情が浮かんでくる。私寂しそうな人が放っておけない。
「春ちゃんはこれから田畑君とどうしていきたいん?」
みなも心配そうに聞いてくる。
「まあなるようになるんやないー?立花次第やわ」
ゆうちゃんは今ガン●●のアニメにハマってるらしいからこの手の話題にはあまり興味がないみたい。
「私は、田畑君と恋人になりたい、とかそういうのまだ分からなくて、でも楽しそうにしてほしい、だってあいつ、親がいないんだよ…きっと親の愛情受けて育ってこなかったからあんな捻じれた性格になっちゃったんだよ、ほっておけないよ」
みんな静まりかえった。
「分かった、小春に任せるよ、でも不快なことされたらすぐ報告して」
楓の一言に満場一致でみんながうなづいた。
「とりあえずね、セックスは高校生になってからにする」
と言ったら、みんなが爆笑する。
「立花は田畑と結婚するんかーめでたいわ」
ゆうちゃんが手を叩いて笑う。
あんな面倒くさい男と結婚は厳しいな…。
「まあそれはおいといて今日はみんなガン●●鑑賞せんー?」
とゆうちゃんが鞄から次から次へとDVDを取り出してくる。
ガン●●のDVDが20個ぐらい入っていた。
「今日はこれの鑑賞会するよ」
ゆうちゃんの一言には逆らえない。
みんなで真剣にガン●●のビデオに見入る。
敵役の人がどんどん死んでいく。
これは悲惨なアニメだ。
しかしカッコいい。
死を覚悟しながらガン●●に乗って戦うなんて…。
「ああ~〇〇様かっこいいわ」
ゆうちゃんがうっとりして画面に向かって呟く。
確かにこのキャラには神々しさを感じる。
ゆうちゃんもやっぱりオタクなんだなと笑った。
*
今日は一人で勉強することに決めた。
しかし、理科と数学はやっぱり鬼門だ。
これやる意味あるのかなって問題だらけ…。
将来、社会に出なきゃいけないいけないなら、その勉強だけすればいいのに…。
そうだ!颯太と一緒に勉強しよう。
思い立ったが吉日。さっそく荷物をまとめて颯太の家にGOだ!
家の前まで到着、インターフォンを押す。
「…何?」
さっきまで寝てたのか頭がぼさぼさだ…。
「勉強しない?一緒に」
「別にいーけど…」
「お邪魔しまーす…」
家の中はそんなに散らかってないみたいだ。
「俺、宿題終わらせたから、写したかったら、写していいよ」
ええ、まだ8月になったばかりなのに…
「いや、写すのは駄目なの、自分で理解したいんだよ、だから教えてほしい」
颯太がしょうがないというような表情で言う。
「何がわかんねーの…?」
「うーん割と全部なんだけど」
「は…?小春全クラス順位2位だろ、なに言ってんの」
「いやー割とフィーリングで勉強してるところあるからなあ」
颯太はますます訳が分からない顔をした。
「とりあえず、公式とか覚えれば、なんとかなるんじゃね?」
「そうだよねー面倒くさいなあ」
来年の受験は公立の一番頭のいい高校に入りたいから是が非でも頑張りたいところだけど、理科と数学は本当に分からない。何が分からないのかも分からない。
テストのたびにその範囲は覚えるけど全体を網羅できない。
「一応真剣のゼミの赤〇先生の手紙は読み返してるんだ、赤〇先生優しいんだよ」
「いや、その優しいところだけ読んでんじゃなくて、その指摘された部分をしっかりと予習しろよ」
面倒くさいな…
私の夢に数学と理科は一切関係ないのにな…。
高校行ったらますます勉強科目増えるんだよね、辛すぎる…。
その日は颯太とあーでもない、こーでもないと言いながら勉強を教えてもらいなんとか半分は宿題を終わらせた。
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