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第二十二話 スモールファミリー

翌日。

颯太の家で一緒に勉強することになった。

「なあ俺たちの実力ならもう勉強する意味なくね?ゲームしようぜ」

「いや、私テスト前日は必ず眠れないタイプだから、勉強しておけないとヤバい」

「小春、大丈夫なのか?」

「何が?」

「それって…メンタルの病気の予兆みたいなもの感じてすげー怖いんだけど」

深刻そうに颯太が告げる。


え、メンタル?でも眠れなければ翌日爆睡するからオールオッケーなんだけどな。


「へーきへーきなんとかなる!それより理科と数学の公式覚えないと」


ふと、ゲーム機を見ると最新型のに代わってる。

携帯もそうだ。私はいまだにあいぽん7なのに颯太はあいぽん11に乗り換えている。

「颯太、なんですぐ機種とかなんでも乗り換えちゃうの?お金の無駄遣いだよ」

「え、だって…乗り換えないとテクノロジーに追いつけなくなるだろ?」

え…颯太ってすっごいバカ?

「あいぽん7でも空き容量あればアップグレードしていくらでも使えるから節約しなよ」

「金ならあるんだから俺の勝手だろ」

お互い少しムッとして勉強していた。


「そうやってさ、人間関係も全部この先乗り換えようとしてる?」

「…どういうこと?」

「友達も仲間も作らないで生きてくつもりなのかって聞いてるんだけど」

「俺の将来の夢…聞きたい?」

「……何?」

「俺の子供が生まれて嫁と小さな世界に閉じこもって生きていくこと」

「どういうことなの…?」

「誰も干渉しない小さな家族が欲しいんだよ」


なにそれ…?

頭がおかしい

友達や親せきや仲間に頼りまくって生きてかないと生き延びれないよ…


「私の夢は、広い世界で生きてくことだな、いろんな人と絆を深めてご縁がある人に感謝して生きていきたい、そんな閉じこもった世界、お嫁さんも、子供も悲しいと思う」

「……そっか、じゃ俺クラスの連中に関わって絆を作るか、反吐がでそうだけど」


なんで颯太がクラスの連中に関わるのか…

私の将来の旦那は颯太じゃないと思うし…

颯太が何を考えてるのか分からない。

生きたいのか死にたいのか、嫁が欲しいのか、子供が欲しいのか

でももしかしたら今の颯太の台詞が彼の最大の本心なのかもしれない。


*


翌日。みんな席で勉強していた。

「みなー勉強どう?」

「およよ…春ちゃん、二学期末は駄目かもしれん」

「分かる、私もテスト前日は寝れないからやばい」

「え…」

みなが唖然としている。なにか変なこと言ったのかな私…

「え、え…春ちゃんやばない!?テスト前日寝れないのにあの点数とれるの?どういうことなん??」

「いや、なんでかと言われてもよく分からんけど、テスト前日とか緊張することの前はよく眠れんのよ」

「およよ…そうだったんだね…春ちゃんあんま無理したら駄目だよ」

ありがとう、みな。勉強がんばろう…!


放課後はみなとさきちゃんとゆうちゃんでうちの溜まり場で勉強することになった。

「立花ァなんで理数系駄目なん?意味が分からないんだけど」

「いやいやゆうちゃん、ゆうちゃんが理数系できることのほうが意味わからんようち…」

「ゆうちゃん、ここ分からんよー教えてくれ」

みなもゆうちゃんに泣きついていた。

さきちゃんがまた黙っている、どうしたのさきちゃん!?

「うち勉強してないよ」

さきちゃんがぼそっと呟いた。

「え、どういうことなん…?」

すかさず私はさきちゃんに問う。

「偏差値低めのところでいいんよ、セックスのことしか考えてないよ」

さきちゃん!!とみなと私でさきちゃんに詰めよる。

ゆうちゃんはポケーッとしている。

「今は勉強せんなん駄目やと思うよ、テストの結果どうでもいいがけ?」

「大丈夫、3学期になったら本気出すわ、オールOKやわ」

そう言って頭の上を〇でかこんでOKサインを送ってくる。

さきちゃんはなんで今の時期にセックスのことばかり考えてるんだろう、意味が分からないよ…

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