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第百七十九話 今日から高校三年生

tripleBの公演は俺と小春抜きでもなんとか上演が終わったらしい。

先輩方はそれぞれの進路に向かい、俺達は今日から高校三年生になる。

俺は今日から本格的に勉強に向けて動き出そうと決意する。しかしそれを小春に直接伝えたとき、すこし反応が微妙だったことがなんとなく気がかりだった。

『小春、俺東京大学行くことにした』

『え…そう、なんだ…頑張れ!!絶対颯太なら受かるよ!!』

『その代わり、前みたいに会える頻度が少なくなると思う』

『そう、だよね…うん、分かった!勉強頑張って!!』

会えなくなるのが寂しいから、だけの理由じゃない気がする。なんとなく一線を引かれてしまったような微妙な空気を感じ取ってしまった。

クラス替えがあったのだが、見事同じサークルの連中が勢ぞろいだった。そして担任はやはり数学の山中だった。こいつがまたKの合宿やら修行やらを開催すると言い出さないか恐ろしいが。

俺が東京大学行の赤本をパラパラとめくっていると、前の席の野田が話しかけてきた。

「颯太氏!それが!噂の東京大学行の魔の赤本か!」

「そうだな、今日から勉強するから間に合うか分からないけど」

「今日から…だと…」

「ああ、家でもほぼ勉強してなかったから間に合うか分からないけど」

「ちょっと見せてもらってよろし?」

「別にいいけど…」

野田がパラパラめくってしばらくして深いため息をついた。

「颯太氏…やはり貴殿は我とは違う次元にいるな…俺は日本大学でいい…」

「野田は…得意科目ないのか?」

「ないぜ!!!」

そんな決め顔で言う台詞ではないだろうと思いながら、俺は赤本にまた目を通す。

そこへjungle同期陣がドドドと押し寄せてきた。

「なになに颯太君!とうとう東大行きの赤本買ったのか!」

キラキラした目で和幸に問われ、俺は死んだ目で答えた。

「まあな、…見たくもないけど」

今までの授業は聞いてるだけでいつも満点だった。だが、東大行きの問題はそうはいかないみたいだ。

「俺は三国志めっちゃ得意だからなんでも聞いてくれよな!」

次は一聖がはいはいと手を挙げる。

「俺は実は英語ペラペラなんだよね!なんでも聞いてくれよ!」

一聖は英語が得意だったのか。初めて知ったな。

次はパリピ三科がはいはいと手を挙げる。

「俺実は物理と化学が大の得意分野なんだよねーなんでも聞いてくれて構わないぜ!」

あの数学で死んでいたパリピ三科にも得意分野があったとは驚きだ。

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