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第十七話 供給過多①

翌日。

あんまり寝てないけど颯太の家に来た。

チャイムを鳴らすと、颯太が手招きしてくれる。


「俺の宗教これ」

え…、どういうこと

「颯太これ誰?」

「美しいだろ…、あ、因縁の果てはやるよ」


因縁の果てはありがたい。

確かにこの方は神々しいイメージというか誰にでも好かれてる気がする…。

「颯太、この壁画について教えて」


颯太はすばやくパソコンを起動させ、教えてくれた。

…確かにこの人はお美しい。

ありとうございますルーナ様…お優しい…ご慈悲をください。

拝観料どころの騒ぎではない。


「これエロいゲームだから、小春にはあらすじだけ教えるから」

颯太…優しい。

つぎからつぎへと流れるように神エッチなゲームの情報が流されてくる。

ふぇいと、すていないとは派生品が多すぎる、アンサンブルなスターズも供給過多なのに。

とりあえずプラスキラるを見ておけば安心らしい。

恋姫☆無双、桜のうた、ユーフォーりアア、鞘の歌、走行悪鬼ムラマサ、ファン十夢、でもンベインetcもいいらしい。あとlanceシリーズ、湖衣姫夢想シリーズ、桜の歌、軋轢のおいでローグ、ぐリザイアのフルーツシリーズ…さよならを教えな、あげればキリがない状態。

でも一押しは月に来いしちゃった乙女作法?というゲームだ。

颯太は今までずっと神エッチなゲームを見てたんだ…

独りぼっちでボーっとしてる訳ではなくて良かった。

「ねえ颯太、この絵画美しすぎる…つけたままでいこう、ルーナ様に見守られよう」

「ありがとうな、小春」

大抵の人は引くんだろうな…でも私もKという宗教にハマってるから外す必要はないと思った。

「とりあえずプラキラるの神エッチゲームを見てればなんとかなる…!」

そうなんだね…でもね、買うお金なんてないよ…

「ルーナ様ってさよく分からないけど、誰にでもお優しそうだよね」

「ああ、この人は本当にお優しいんだ」

「ルーナ様は…なんか忍者の主人公みたいなキャラに惚れそう」

「ああ…確かにそうかもしれないな」

「颯太はさ」

「ん?」

「Kの中だと誰が好き?」

「…アンナ」

「アンナ可愛いよね」

「俺白髪の女の子フェチだから、アンナが一番可愛い」

そうか…みんな推しはそれぞれ違うよね…私は眼鏡とスケボー。

なぜなら腐女子だから…。

「それからな…Kのファンクラブはnoteでやってるから俺が代わりに入会してやるよ」

「ありがとう颯太…!」

颯太が優しい…。


*


翌日。

放課後の部活も終わったことだし、颯太と帰ろうかなと思っていると中西君、通称『廃棄パンの中西君』が現れた。

「立花さんちーっす、廃棄パンまたもらってください」

そう言い残し机の上にはたくさんの廃棄パン…。

吹奏楽部同期の中西君の家はパン屋を経営しててよく私に廃棄パンをくれる。

たまにこれは食べたくないなと思うやつもあるけど…

「立花」

颯太が怒ってる気配がする。

「どうして、怒ってるの、颯太」

「俺が新品のパン買ってやるからそれ俺の家に捨てろ」


え、…美味しいやつもあるのに…


逆らったらまた面倒くさいことになりそうなので「分かった」とだけ言った。


気が付けば友達とは帰らなくなったなあ…。

みんな部活終わった人ばかりだし。



「颯太一緒に帰ろっ」

「……ん」

どうやら部活が終わるのを待っててくれたらしい。優しいな颯太は。

「今日は何見る?」

「小春の好きなのでいいよ」

「うーん、難しいなあ…そうだ!黄色さんの2,4、4を観よう」

「なんだよ2,4,4って」

「バレーボールの小説をアニメ化したやつだよ!」

「面白そうだな、見るか」

颯太の家に帰宅。

二人で画面に集中する。これはバレーボールの青春を描いている、大ヒット作だ。男たちの熱い青春を描くのは浅野敦子のごとく…いや大きく振りかぶれのごとく…

「すごいね~黄色さんって」

「ああ、この人は天才だよ」

「私もいつかこんな文章書けるようになりたいな~」

「…小春ならできるんじゃねーの?」

「そうかな…」

「多分な、努力すれば出来ると思う勉強を」

勉強するのは嫌だな…

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