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第十六話 因縁の果て

昨日はよく寝た。


まずKのファンクラブに入らないと


待ってまず大人気アニメKについての履修…分からないよ…

Twitterで調べてもなんかヤバいらしい…


助けて颯太…


そうだ、憂さ晴らしにカラオケでも行こうかな!


一聖くんと達也くんとあと楓と!ついでに颯太も!


それだー!!

あんさんぶくぶ神もそう言ってるし!


私はなんかこう…もどかしい唇を歌えばいい!!カラオケまでは自転車じゃ遠いからお父さんのでかい車に乗って行こう!


そう思ってメンバーを集めてカラオケへいざ出発しようとした最中、達也くんがいきなり何かを悟ったような顔で言う。


「ゴウラがくる」


え、どういうことなの…?

回りが静まり返った。


強羅ってなに…?

ゴリラのこと?

まさかあの達也君の言ってたK…?


「達也君、ゴウラがくるとはどういうことなんだ?」

「うまく言えないんですけど、ゴウラが来るんです、小春さんもそう言ってました」


周りが静かに頷いてそのまま解散した。


「小春、なんでKが来ると思った」

お父さんが怒っている。

「だってゴウラがくる?かなって10周年だし…」

「お前は最近そうだな!?口を開けばKKKKってなんだそれ宗教か?ああん」

「ごめんなさい、お父さん…」


助けて達也君…。

その時携帯が鳴り達也君が事情を説明してくれた。


「分かったぞ…よく分からないがKなんだな、ありがとう達也君、じゃあまたな」


良かった…。

お父さん怒るの本当怖いから。

家に入るとお母さんが待っててくれた。


「ごめんお母さん…」

「Kのことは一回忘れて寝られ…」


安心した。

でもKはなんとなく現代の世界大戦などの縮図をゆとり世代の私たちに教えてくれてる気がしたから。

そうだね、私もよく分からない


寝よう、へーきへーきなんとかなる?

ファンクラン、おやすみ…


*


翌日私は、Kファンクラブには入れなかった。

私の頭はポンコツすぎる。

ツイッターランドの使い方が分からない。

でももういいやメディア欄漁ろう…


私の家はどうしてこんなに業が深いの…

うすい本を買うには高速バス取らんし、新幹線も乗らなきゃいけない。そんなお金ないよ…

以前薄い本を小為替で買おうとしたら郵便局でお母さんと鉢合わせするし…


庶民の家育ちだからKの友達一人もいないし、リア友にKを布教してもよく分からないと言われる。お父さんは無線に忙しいからKもwifiも知らんと言うし、お母さんが頼むからKの話をしないで宗教にハマらないでと言われるし、大人気アニメKをWikipediaしてほしいのに…

達也君は基本優しいけど「お前Kも分からんのか!?」注意されるときがある。

一聖君に聞いたらTwitter初心者の本をかえばいいよと言われたから大丈夫か…オールOK

これでようやくKになれる


REゼロからはじめる Twitter…!


とりあえず颯太の家に行こう!


*


颯太の家に到着。

そこにはタペストリーで雄大な景色が流れていた。


これは絵画だ

拝観料を払わなければならないレベル。


「颯太きれいだね…」

「小春のために用意した」

「ありがとう颯太」


思わず颯太を抱きしめてしまった。

あれだ、怪盗のチェックメイトというやつだ。

無敵に素敵?

絵画に向かってチェックメイト。


すると小さな天使がチェス的なものを回収してさらに壮大景色が見える。

眼鏡とスケボーが額を合わせて、優しい表情で笑いあう。

因縁の、果て。


思わず涙が溢れ出す。

そうか紆余曲折を経て二人は和解したんだ…


やっとKが分かった気がするよ…



家に帰るとお母さんがまた心配そうにかけてくる。

「お母さん、ごめん今日は風呂入って寝るわ」

「何があったがいね、小春」

「いや、大丈夫」

「大丈夫じゃないわ!いますぐ心療内科探すから」

「大丈夫だから!!」

またクソでかボイスを出してしまった。



翌朝、必死の説得でなんとなくお父さん、お母さんにも理解してもらえたはず。

ほっとした。

中学の夏休みは貴重だ。

お父さんにお願いしてカラオケ行こうー!

メンバーは私と、楓、それから、達也君と、一聖君と、颯太…それから松岡宇宙、通称『宇宙』くんと騒ごうー!

3年B組の宇宙君は同名の松岡さんに熱狂しているらしい。

あっという間にカラオケ屋到着。

「終わったらお父さんに連絡せい、また迎えに来てやるさかい」

お父さん優しい…。じーんと感動する。

フリーのドリンクを注文して、アイスを出す。

私はアイスの出し方がおそ松さんなのでいつももたついてからかわれる。


最初は一聖くん。あの絶望、ビリ的なの歌っている。

人気者の彼にも闇があったらしい。

楓に至ってはカードで封印する歌がうまい。

私は頑張ってお母さんのもどかしい唇てきなのを歌ったら爆笑された。

「ねえ颯太、どうしたらいいのこれ」

「黙ってやり過ごそう」

確かにという蟹。

達也君はパンクを狂ったように歌ってる。

彼は過去にケムリ的なTシャツを着て自転車で転びそうになり、自らの危険を顧みずに煙を守ったらしい。よく分からないけど。

そして最後は宇宙君。

…ダメだ怖いよ。

宇宙君がマイクを手に取る。


そして…

「アイキャンふらーい!!!ウィキャンふらーい!!いえい!!もっともっと!!!」


と歌いだしフロアが混沌の渦に巻き込まれる。

ペンライト持ってくるべきだったかな…。

分からないよ…宇宙くん。




駄目だ…

ポンコツ頭すぎてファンクラブに入れなかった…。

うちは貧乏だからファンクラブさえ入らないなんて…。

駄目、開き直ろう。

クリキン堂とKオフィシャルサイトを見てればとかなる!


結局強羅は家に来なかった。

達也君嘘つきだ。

しばらくというか永遠にゴウラはこないとお父さんとお母さんに言われてほっとした。

来てしまったら多分ぶっ倒れてお陀仏だ。


良かった良かった

とりあえずK関連の物だけお母さんにお願いしよう…

お母さんほんまにごめん…

お年玉も貯金して…

あーでもドクターストームと人間君と東、リベも気になるんだよなあ。

辛いお金が欲しい。

高校入ったら嫌だけどバイトしようかな…。

いっそ颯太にお金せび…ダメダメ他人様にご迷惑をかけないがうちの家の家訓だから。


颯太からラインが来た。

『俺の家来いよ』


もうなんなんだろう…

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