第百十七話 辛いなあ
翌日、学校が休みだったので、一人で一日中思い切って寝ようと思ってたのに寝れない。
横に転がってるだけだとちっとも頭が休まらない。
辛い、どうしよう、瞳さん…
やっぱり乗り越えられない気がする。
LINEでみなやゆうちゃんやさきちゃんが遊ぼうと言ってくる。
颯太もアニメを一緒に見ようと言ってくる。
それら全部が面倒くさくなって、ごめん土日は家で寝てると返した。
たくさん寝れたら、みんなともたくさん遊べるのに…
横になって泣いていた。一人世界に取り残されてしまった絶望感。
やっぱり瞳さんにはなれない私…
寝れないから頭が休まらないから誰とも遊べない。
*
休日はずっと寝転んでたのに眠れなかったので体が辛かった。
だるい体を起こして、学校へ向かう。
お母さんに「顔が疲れてるから休まれ」という言葉を振り切って電車に乗った。
あれ、どうしよう、行きたくない、行きたくない、行きたくない…寝てないもん寝てないもん寝てないもん…
涙が止まらなくなる。
電車に乗ってる他の高校生はギャーギャーと騒がしく耳に触った、とても元気だ。
全員ちゃんと寝れてるんだよなあ、だからこんなに元気なんだよな、よかったね。
私は一つも寝てない、もうダメだ。帰ろう。
電車に乗ってバスで家に帰った後、寝転んでいたけどやっぱり体が辛い。
どうしたんだろう。
メンタルの病気、不眠症などでググりまくる。
怖い病名がたくさん出てくる。
助けて颯太颯太颯太颯太!!
一人でいると涙が出る。
私はとんでもない寂しがりやだ。
夕方ごろ颯太からLINEがあった。
「…頼むから、俺の家来いよ」
私は泣きながら颯太の家に行った。
チャイムを鳴らすと颯太が慌て出てきてくれた。
「颯太、どうしよう…寝れないのここままじゃ、学校行けなくなっちゃうよ…」
「小春落ち着け、大丈夫だから…眠れなかったら学校休め、俺も休むから親に内緒で傍にいてやるから」
「そんなこと、できないよ…だって、まだ私の脚本上演してない…!送り迎えはお母さんがしてるの、だから、颯太の家にはいけない!!」
「………」
「颯太、…助けて」
「どうしたら、いいか分からない、ごめん…」
「颯太…」
そうだね、私もどうしたらいいか分からなくなってきたよ。
瞳さんからもらっていっぱいの言葉を思い浮かべる。
「いつか薬も要らなくなるから」
「深呼吸しよう落ち着いて」
「いつかすーっと辛いのも消えて楽になるから」
「寝れなくても死なないから大丈夫だから」
「時間が必ず解決してくれる」
「眠る時緊張しなくて、いいんだよ」
それから…
「超えられない壁はない」
そうだ、きっと超えられない壁なんてない、大丈夫だ。私は生きるよ。




