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第百二話 1場、2場

【1場】


暗転中。ある小説家の仕事場。原稿が散らばっている。


編集 先生、いらっしゃらないんですか?失礼しますよー。

(明転。編集者が入ってくる)

編集 もう、こんな散らかして…。(原稿を集める)先生―、頼まれてたもの持って来ましたよ。先生―!…ちゃんと今日行きますって言ったのに、何処行ったんだ。

(原稿を集め終わる)

編集 これで全部っと。これこの前頼んだ原稿だな。うーん先にチェックだけでもしてみようかな。先生もいなくてちょうど暇だし…。(読み始める)主人公は二人組の男性作家か。先生が主人公に男性置くのって珍しいな。…冒頭は二人の仕事場、締め切り前のある日…。


暗転


【2場】

明転。宮本家。椅子が二つある。晃二・小池は背中合わせで座っている、晃二はパソコンに向かい、小池はコーヒーを飲んでいる。


小池 はぁ~うまい。今日も平和だなあ。

晃二 平和なのはお前の頭の中だ。あと締め切りまで2週間もないんだぞ!お前がプロット考えないと文章に起こせるものも起こせないんだよ!毎日毎日ネタをも考えずだらけやがって。毎回ぎりぎりになる俺の身にもなってみろ!大体お前から、ネタ帳抜いたら、何も残んねえんだからさっさと知恵絞れ。

小池 ひどいなー。いくら俺の才能が羨ましいからってひがむなよ★

晃二 ふざけんな!でも言い返せないのが腹立つ…くっそーーー!

小池 まあまあ、そんなに怒るなって。ほら、これでも飲め(液体をコップにいれ晃二に差し出す)

晃二 誰のせいで怒っていると思ってるんだ。(受け取り一気に飲み干す)…これ変な味がする…お前なにか入れたか?

小池 晃二これから苦労かける。

晃二 なんだよいきなり。

小池 お前は悪くないんだ。悪いのは俺だから。

晃二 …なに訳が分からないこと言ってるんだ、大体お前には苦労をかけられてばかりなんだからから今更だろう。

小池 ははっそうだな。

晃二 ったく無駄口叩いてる暇あったらさっさと仕事…(倒れる)

小池 …さてと(パソコンになにかを打ち始める)よし、こんなものか。


(葵、登場)


葵 仕事お疲れ様でーす、コーヒーのおかわりどうで…(晃二が倒れているのに気づく)これどうしたんですか?

小池 なんかね、突然寝ちゃったんだー。パタッと。起こしたんだけど起きなくってさ。

葵 えっそうなんですか。ったくしょうがないなー。おい、兄貴こんなとこで寝ると風邪ひくぞ。さっさと起きろ!

小池 葵ちゃん、無理に起こさなくて大丈夫だよ。俺1回自宅戻るから、それまで寝かしといてやって。疲れているんだろうし。

葵 分かりました。うちの兄貴がすみません。

小池 ははっいえいえ。じゃあね…晃二によろしく

葵 ?はい、いってらっしやい


(小池、はける。ドア音)


葵 いつまで寝てんだ、この野郎(蹴飛ばす)

晃二 いだっ!

葵 やっと起きたか、兄貴。

晃二 ああどこかの凶暴な妹が暴力で起こしてくれたよ…拓馬は?

葵 どっかのバカ兄貴が寝てやがるから、一旦帰るってさ。

晃二 まじかよ?仕事の余裕がないってのに。

葵  余裕がない時に居眠りするのも悪い

晃二 気づいたら意識がなくなってたんだって。


(晃二、パソコンの画面を見て固まる)

葵 兄貴?

晃二 なあ葵?「捜さないで下さい」ってどういうことだと思う?

葵 はあ?そりゃ言葉の通りだろ。

晃二 だよな。

葵 どうしたんだ?


(葵、パソコンを覗き込む)


晃二 『暫く旅に出ます。探さないでください、拓馬』だってさ。

葵  ふーんそうか。

晃二 ああ。

晃・葵 …………。



晃・葵 ……はあっ?


暗転

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