クリスマス記念 聖なる夜と雪と星空
お久しぶりです!
本編も近々上がると思います!
ではお楽しみください!
「寒い…」
「もー少しだから頑張れよ。」
現在午後5時12分。俺たちはクリスマスイブだというのに近くの山の中腹にある展望台で街明かりを見下ろしながら座っていた。
何を待っているかというと星だ。街明かりから離れたこの場所は、この周辺では一番星が綺麗に見える場所として有名なのだ。
「にしても、確かに寒いな。ここ。」
「どうせどこかに出かけるなら綺麗な景色が見たいって言ったのは私だけどさぁ。」
「場所というか…服装間違えたよな。俺たち。」
星奈は誕生日にあげたネックウォーマーをつけて来ているけど手袋や帽子なんかは着けていない。俺に至っては上着を着ただけだ。おそらく、俺のほうが寒い。
「しょうがないなぁ…」
星奈はそう言いながらカバンの中をごそごそと漁ったあと、中から出したクリスマスデザインの紙袋をこちらへ渡してくる。
「はい。メリークリスマス。」
「ありがと。開けていいか?」
こくりと頷いたのを確認しなるべく破らないように慎重にテープを外す。中にはアイボリーのマフラーが入っていた。
「誕生日にくれたからそのお返しの意味も込めて選んでみたの。そういうの持ってないでしょ?ほら、つけてみて。」
言われるがままに首に巻く。先ほどよりも暖かい。
「似合うか?」
「うん。似合う似合う。」
「あー、俺も渡さないと。はい、メリークリスマス、星奈。」
星奈へのプレゼントは手袋だ。スマホが触れるように指先のところが空いているものにしてみた。
「あったかい…ありがと、空。」
「喜んでもらえたようでよかったよ。」
それからしばらく無言の時間が続く。次に声を発したのは星奈だった。
「あ、雪…」
「今日は降るって言ってなかったのにな。」
しばらくしたら星がだんだん見えはじめた。そして午後6時、俺たちの目線の先には満天の星空が広がっている。雪と合わさることでまるで星がそのまま降って来ているように思えた。
「綺麗…」
「だな。」
実はここつれて来たかった理由は、前から星奈が星が見たいと言っていたのを一から聞いていたからだ。
「これ、見たかったんだろ?」
「え、あ、うん。でもなんで?」
「一から聞いてた。喜んでもらえらようでよかった。さて、この後晩御飯でも行こうかと思ってるんですが?」
「あら、いいですね。」
「なんだよその喋り方。」
「そっちこそ。」
……
「あはは」
「うふふ」
2人して笑う。
「さて、腹も空いたし、行くか?」
「もう少しだけいい?」
「あぁ、いいぞ?」
「ありがと。」
俺は思った。こんな時間が続けばいいのにと。
そして、俺は…
星奈の笑っている顔が好きなんだな。