テスト後の1コマ
本日2本目
「「テストお疲れ様でした〜‼︎‼︎」」
テスト後、部室に集合した俺たちは、テストから完全に解放されたことを喜んでいた。
「今日は部活もないし、最高。」
「空、テストの手応えは?」
「さぁ。どうだろうな。」
今回は終わった。多少勉強はしたから赤点はないだろうがいつもより100点ほど点が落ちた気がする。
「そんなこと言いながら、いつも通りクラス1桁に入るんでしょ。」
「今回本当にわからないんだって。でも、いつもより悪い気がする。」
「約束覚えてるよね?」
「そのことなんだが…」
「ん?忘れたとか言わないよね?」
「いや、星奈勉強頑張ってたしさ。カフェでも連れてくよ。」
せこいことに何か高いものを要求される前にこちらから奢ることで財布の死亡を防ごうという作戦だ。星奈へのプレゼントが少し高かったから今は財布の中身が少し心許ない。
「え?いいの?」
「コーヒー1杯くらいなら。」
「やった!スタバいこ、スタバ。」
「今から?」
「うん!那流ちゃんとか竜にぃとかも連れて!」
ガラガラ
「話は!」
「聞かせてもらった!」
元気いいな。テンション高めな竜にぃと那流ちゃんが入ってきた後に、疲れ果てている3人組の男子が入ってくる。
「俺はパス」
「俺もパス」
「じゃあ俺も」
「健二はいいとして。いや、何でお前らいるんだよ。」
「「竜にぃに呼ばれた。」」
と言いながらビミョーな顔をしている亮平と浩大。あ、これ呼ばれたんじゃないな。
「俺が呼んだ。」
それと対照に竜にぃはニヤニヤしている。
「…あぁ。お前ら、拉致されたのか。」
「「正解。」」
竜にぃがたまにする部室への強制連行を拉致と呼んでいる。これの被害者は部活の仕事を手伝わされるのだが今日は仕事もない。
「悪いな、さっき言ったようにスタバ行ってくるわ。」
「「「じゃあ俺らは帰ります。」」」
「あいよ。また明日な。」
「「「また明日ー」」」
さてと、3人を見送ってから星奈の方を向く。
「行くか。」
「うん!」
そこからバスで少し移動したところにあるスタバに4人で入った。
「何にするんだ?」
「空は?」
「俺はキャラメルマキアート。」
「うーん、じゃあ私は期間限定のやつ!」
「わかった。」
そう言って俺は星奈の分と合わせて注文と会計を終わらせた。
「那流ちゃんは決まったか?」
「私も星奈先輩と同じやつがいいです。」
「いや、俺は奢れないぞ?」
「俺が奢るよ。空は星奈と那流ちゃん連れて席取っといて。後で持って上がる。」
「竜にぃ、ありがと。じゃ、先あがろっか。」
「「はーい」」
ちょうど4人席が空いていたのでそこに陣取ると3分と立たずに竜にぃが上がってきた。
各々の飲み物を楽しんでいると那流ちゃんが俺に話しかけてきた。
「そういえば空先輩、星奈先輩とあまりいちゃつかないですよね。」
うぐっ、それについてか。
「いや、3ヶ月たつんだけどさ、未だに距離感を掴みかねている。」
「え?そうだったの?」
驚いたように声を上げる星奈。そりゃそうだろ。今までこう言う経験ないんだし。
「そんなの付き合ってるんだったら気にしなくていいじゃないですか。くっつきたい時にくっつけばいいんですよ。こんなふうに。」
そう言って星奈に抱きつく那流ちゃん。星奈も「嫁が可愛い〜」って言いながら抱き締めてるしほんとに仲良いなこの2人。
「空、本音は?」
「変わってほしいとかは思ってないからな。」
竜にぃが聞いてくるが別にやましいことはないので普通に返すと声のトーンをさらに落として返してくる。
「違う、さっきの距離感の話。あれ、嘘だろ?」
「バレたか。」
「本音、後で聞かせろよ。どうせあのグルで電話するんだろ?」
あのグルと言うのは仲のいい男子5人で組んだ電話用のLINEグループのことだ。今日電話するつもりだったからその時に聞かせろってことだろうな。
「わかったよ。」
「二人でなに話してるの?」
「んー?2人は仲良いなって事。」
「そーでしょ?」
そんな感じで30分ほど雑談した後、解散した。スタバからは星奈と帰る方向が反対なので1人で帰路に着く。
「理由ねぇ…」
この後電話で本音を漏らすことになるのだがそれはまた別のお話。
次は星空上げます(多分)