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放課後の勉強会と約束

今回多分ほとんどの読者様がわからないと思いますがこんなこともあるかもなくらいで読んでくれるとうれしいです。

テスト一週間前、普段よりも張り詰めた空気が学校内に漂うこの期間が何よりも苦手な俺は部活休止中のため誰もいないであろう部室で勉強しようと向かったのだが…


「何でお前らいるの?」


扉を開け、教室を見回すと星奈と那流ちゃんがいた。


「先輩、当たりですね。」

「思った通り、家だと妹がうるさいって言ってたしここにくると思ったよ。」

「図書室かもしんねーだろ。」

「図書室はないでしょ?本の誘惑に負けるから。」


返す言葉もない。読書が好きなことは事実だし、図書室で勉強は不可能だ。


「それで、俺に何のよう?」

「「勉強教えてください」」

「そんなことだろうとは思ったけど、何がわからないんだ?」

「「ビジネス計算です」」


うちの学校は選択科目で経済や商業に関する科目を選択することもできる。ここにいる3人は全員それを選択している。


「いや、先生に聞けよ。一年の那流ちゃんはまだわかるけど、一年間勉強してきた星奈も?」

「今回のテスト駄目そうなんだよ。お願い、空。」

「私もです。難しいです。先生は教えるの下手です。分からないです。」

「問題見せてみろ。」


そういうと2人が授業で配布されたであろうプリントを差し出してくる。


「まず星奈、どこが分からないんだ?」

「ここ。定率法の減価償却。」

「…。定額法はできるのか?」

「うん。」

「…電卓出しとけ。那流ちゃんは?」

「罰つけてるところ全部です〜」


1、2、3…全部で9あった。


「元利合計と福利計算にドルの円替え、日数計算と減価償却ってほとんど全部じゃねーか。てか、何でこの辺より難しい仲立人の計算できてるんだよ。」

「えへへ〜星奈先輩に教えてもらいました〜。」

「星奈、他にもっと教えるところあるのにさぁ、なんで難しいところからやるかなぁ。はぁ。とりあえず、減価償却からやるから2人ともルーズリーフと電卓とペン出して。」

「「はーい」」


とりあえず、まずは比較的簡単な問題で…これなら大丈夫そうだな。


《問一》

取得原価¥940,000耐用年数12年の固定資産を定率法で減価償却するとき、第3期首の残存価格はいくらか。ただし、決算は年一回、残存簿価¥1とし、償却率は0.167を使用する。(毎期償却限度額の円未満切り捨て)


「この問題を見た時まず何をしますか、星奈。」

「必要そうなところに線をひきます。」

「そうだな、今回の問題で計算する式を立てるために必要な情報は?」

「あ、わかりました!」

「はい、那流ちゃん。」

「まず定額法か定率法か見ます!そのあと割合を出します。今回は割合があるので線を引いとくだけです!」

「正解、今回は割合が出ている問題にしたけど普通はないからまず割合を求めてメモしておくこと。今回は定率法だから特にこの作業が重要。覚えといて。次は式を立ててもいいんだけどどうせなら電卓だけで行こうか。まずは…」

「先輩、先輩。空先輩雰囲気変わりましたね。」

「人に教えるときはいつもこんな感じだよ。わかりやすいんだよね〜」

「無駄話してると置いてくぞ。」

「「はーい」」

「ったく。まず取得原価を電卓に入れてくれ。」


2人が電卓を叩き始める。その間に答えを出しておく。


「入れたよ〜」

「それをメモリーに保存、そのあとに償却率をかける。」


式にするとこんな感じだ。

940,000(この時にM+のキーを押す。)×0.167=156,980


「出たか?」


2人が頷く。


「よし、次は今出た答えをM-のキーを押して

取得原価から引く。」


940,000-156,980=783,020


「その作業を今出た数字でもう一度やると…」


全ての操作を式に直すと…


940,000×0.167=156,980(一期末償却価格)

940,000-156,980=783,020(一期末残存価格)

783,020×0.167=130,764(二期末償却価格)

783,020-130,764=652,256(二期末残存価格)

答え¥652,256


ってなる。


「理解できたか?2人とも。」

「先輩、教えるのうまいですね。」

「そうか?星奈は他の勉強しとけ。前のテストで英語やばかったんだろ?」

「はぁーい。分からなかったら質問していい?」

「分からなかったら答えられないぞ?」

「ん、頼りにしてるよ?」

「あいよ。さて、那流ちゃん、続きをやろうか。」

「はい!」


それから5時半すぎまで、3人で勉強をしていた。2人が疲れ始めたので一度休憩をしていると、ガラガラッと音を立てて扉が開けられ、この部活の顧問、正木先生が入ってきた。


「電気がついていると思ったら、お前らまだ残ってたのか。」

「はい、少し勉強会を。」

「勉強はいいんだがもう教室閉めるぞ?」

「わかりました。そんじゃ、星奈、那流ちゃん、帰るか。」

「そうだね。」

「私、まだわかってないところがあるんですが…」

「LINEとかで送ってくれたらいいよ。今日はもう帰ろう。」

「わかりました。」

「てことで、先生。さよなら。」

「気をつけて帰れよ。」

「「「はーい。」」」


帰り道、那流ちゃんと別れて2人になった後のこと。


「今日はありがとね。」

「お礼はいい点数のテストでいいぞ。」

「期待してて。空に教えてもらったんだから。それくらいやってみせるよ。」

「じゃあ宣言どうりいい点とってきたらなんか美味しい物奢ってやるよ。」

「やったー!やる気出てきたぁ!」

「そりゃよかった。俺も勉強しないとな。」

「今回こそ、空に勝つぞー!」

「それは無理だな〜まだ負けられん。」

「じゃあ勝負しようよ。空がかったら私が奢る。私が勝ったら空が奢る。」

「それでいいぞ?どうせ俺が勝つから。」

「言ったな〜?忘れないでよ?その言葉。」

「ここまでだな。また明日な、星奈。」

「うん、また明日。空。」


星奈と別れた後、帰って勉強しないとなと思う空であった。

計算、作者が実際やっている物なのですが全然覚えられないです。共感してくれる人は少なそうですが…

空と星奈のした約束。どちらが勝ったかはおそらく次の話でわかると思います。お楽しみに。

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