7 歪んだ主従関係
なかなか現在に戻ってこれません。。。
人脈確保の為にも重要な話になるはずなので
ご了承下さい。
果たして 宇宙は特待生で留学できるのか?
大統領になれるのか?
そして 宇宙人の知識と技術で 人類を新たなステージに導けるのか?
「あれ? そういえば莉奈はどうしたんだ?」
小学校時代 待ち合わせなどしなくとも 7時50分に家をでれば 莉奈は当たり前のようにそこいて
50m先にある登校班の集合場所まで一緒に通っていた。
中学校に上がった初日である今日
「なお」と再会できる喜びで テンションが上がり
小学校に通っていた頃より 15分もはやく家を出てしまった。玄関前に莉奈がいなかった事にも気付かず。。。
「メス豚の事はおいといて さっさと1組の教室に行くわよ」
美少女による余りの毒舌に 周囲がどよめく。。
そんな中 宇宙は亜衣に連れられるように教室に向かって歩き出した。
廊下はたくさんの新入生で溢れ返っていたが 女帝のオーラを纏った亜衣がモーゼの如く突き進むと 十戒のワンシーンの様に人混みは左右に分かれた。
亜衣は不適な笑みを浮かべながら 宇宙を引き連れ突き進んで行く。
南小出身者以外には "従者を引き連れて歩く女帝そのもの"にしか見えていないだろう。
そんな最中 宇宙は歩きながら何の迷いも無くクラス分けのプリントを読み出した。
"周りで息を潜める群衆達"こと同級生達は
この風景に一同驚愕した。
それはそうだろう
従者と思われる物が 主人を無視するように
プリントを読み出したのだ
そんな周りの反応など 宇宙は意に介さず
プリントを読み続け そして探していた名前をみつけた。
「莉奈も1組か。。。」
「何か言ったかしら?」
亜衣は足を止め宇宙に向かって攻撃的な視線を送った。
「いや 別に・・・・」
宇宙はそう一言いって
迷う事なく またプリントに目を戻した。
「早く行くわよ」
亜衣は少し不機嫌そうに歩みだした。
「マジか・・・・」
"周りで息を潜める群衆達"の中からそんなため息のような声が上がった。。。
周りの反応など全く気にする事なく プリントを読みながら歩く宇宙を引き連れるように 女帝は教室に向かって歩いていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
2人の通り過ぎた後
東小出身の群衆は一斉に騒ぎだした。
「なんだ あの美少女はぁぁぁ」
「頭がおかしいのか あの従者はっ」
「どういう事????」
「あの 冷ややかな目がたまんねぇ」
「あの従者 以外とカッコいいかも」
反応は様々だったが
この一件で 宇宙と亜衣は
たちまち 東小出身の群衆達の好奇の対象となった。
教室にたどり着くと クラス中が亜衣の美貌にざわめいた。
「誰だあの美少女は」
「お人形さんみたい。。」
全体の70%を占める東小出身者達に亜衣の事を知る物はまだいない。
そこで南小出身のチャラ男 佐藤君が持ち前の演説力で 皆に亜衣を紹介した。
「ここにおわすお方を誰と心得る 恐れ多くも 名門藍家ご令嬢 南小の女帝 藍亜衣様であらせられるぞ 控えおろうっ」
完全にスベっていたが 亜衣のフルネームだけは皆が理解した。
その結果
亜衣のフルネームのパンチ力と美貌のギャップに
東小出身者全員が衝撃を受け 黙り込んでしまった。
そんな事は 亜衣には全く興味はなく
当たり前のように
窓際の1番後ろの席に向かった。
しかし、そこには既に先客が立っていた。
先客は 中1にして180cmはあろう巨漢でガチムチだ。
凶暴を具現化したかのようなその表情と雰囲気で
入学早々 完全にクラスで浮いていた。
そのガチムチ巨漢は亜衣と宇宙を見つけると 事もあろうか凄い勢いで向かってきた。
その瞬間。
ドカァーーーーーーーーーーーン
盛大にコケた。。
血塗れなったガチムチ巨漢は何もなかったかのように
気持ち悪いほどにこやかな笑顔で
声を上げた。
「遅いよ 2人共っ! ウサギは寂しいと死んじゃうんだよっ」
「そういうキャラかいっ!!」
教室にいた同級生が脳内で一斉にツッコミを入れた。
この凶暴そうなガチムチ巨漢のオネエキャラこそ
南小出身の宇宙の親友
一文字壱だった。
壱は こう見えても、名門「一文字財閥」の御曹司だ。
壱の祖父「一文字玲」は戦後の闇市を取りまとめる事で財をなし、その後 戦後復興の立役者となる事でその基盤を盤石のものとした。
現在は 壱の父親である「一文字半」が当主をつとめ、一文字財閥は世界を舞台に躍進を続けている。
宇宙は やれやれ といった感じで壱に話かけた
「相変わらず 騒がしい奴だな、入学初日位大人しくしてられないのか? お前には助演女優力が足りないんだよ」
女優力って言っちゃダメでしょ!
周りにいた同級生達は脳内を超えてツッコミを入れそうにかったが
そこはグッと堪えて静観した。
「失礼しちゃうっ ずっと待ってたのに あいあいとそらちんがなかなか来ないからじゃないっ」
「何時から待ってたんだよ」
「7時からに決まってるでしょっ!」
決まってるんだ。。。
壱は逆ギレしてきたが 宇宙は無視して壱に尋ねた。
「莉奈の奴はもうきてるのか?」
「知らないわよっ そらちんと一緒じゃなかったのっ」
やっぱり 莉奈は登校していなかった。。
そろそろ 集合時間が近付いており 外にいた新入生達もほとんど教室に入って来ている。
これはまずい事になったかもしれないな・・・
宇宙は嫌な予感に包まれ 考え込んでいた
幼い頃より宇宙の予感はほぼ当たるのだ。
その時
「あのメス豚 引きこもりにでもなったんじゃない?
庶民は庶民らしく 家で畑でも耕してればいいのよ」
亜衣がパンチの効いた毒舌をのたまった。。
「はぁ?」
その一言に宇宙は切れた。。。。
「ふざけた冗談かましてんじゃねぇぞ! おさるさんは南の島でバナナでも食っとけ!」
あまりに衝撃的な宇宙の一言に クラス全員は青ざめた
と同時に クラス全員の頭の中に幼稚園の時に歌った あの名曲が流れた。。
♪ 〜 ♪ ♪〜♪ ♪〜♪ ♪〜♪ おさ〜るさ〜んだよ〜♪
その結果、恐怖と笑い 相反する2つの感情に耐えられず
一瞬失神するものまで現れたがなんとか立て直し その後沈黙が訪れた。
最初に口を開いたのは亜衣だった。
「ごめんなさい」
半ベソをかきながら 亜衣は宇宙に許しを乞うた。
「・・・俺も言い過ぎた。分かればいいんだよ。 あとでみんなで莉奈の家にいくからな」
亜衣は黙って俯いていた。
冷静さを取り戻しつつあった宇宙だが 再度イラついてしまい追い討ちをかけた。
「分かったか!! 返事は?」
「・・・・はい」
2人の主従関係・・・
それは
従者は亜衣
主人は宇宙だった。。。
主従関係 難しいですね。
続きが見たい方 ぜひ
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