44 極限
授業中 亜衣はふと隣りの席に座る宇宙の様子がおかしい事に気付いた。
宇宙はぶつぶつ言いながら 額に人差し指を当てるとブルブルとそこに力を込めた。
宇宙はブルブル力を込め続ける。、
時間にして30分
「長いわね。。。」
亜衣は宇宙にちぎった消しゴムをぶつけてみた。。
全く気づかない。。
「宇宙」
亜衣は小声で宇宙に呼びかけてみるが 返事は無い。。
宇宙は更に体を震わせ 呟いた。。
「いける」
???
余りにもおかしい。
思わず亜衣は授業中にもかかわらず 宇宙を起こそうと宇宙の前まで行った。。。
すると。
右胸を突っつかれた。。
!!!!!
恥ずかしさと怒りで思わず宇宙を引っ叩いた。。
最近の宇宙はおかしい。
幼馴染4人の共通認識だ。
授業中に亜衣の胸を突っついた宇宙には
クラス中から避難の声があがる。
胸を突っつかれたとはいえ 宇宙が皆から避難されるのは亜衣の望むところではない。
亜衣は この炎上を鎮火させるには 荒治療が必要と判断した。
方法は。。。。
皆がドン引きするほど 宇宙に対し
怒鳴り続けたのだ。
それはもう 皆が宇宙を可哀想だと思うくらいに。。
授業は、終わったが亜衣の説教は続いていた。。
しかも立たされたまま。。
この一カ月の試行錯誤で宇宙の体はすでに限界だ。
延々と続く亜衣の説教が 宇宙の体を蝕んでいく。。
そして ついに限界が訪れた。
カクッ
なんと 宇宙は立たされて説教されている最中に
居眠りをしたのだ!
!!!!!
眠りに落ちた宇宙は 目を見開き驚いた。
なんと 落ちると同時に明晰夢が発動したのだ。。
しかし この発動は
先程やらかした「寝た場所スタート」だ。
今回は大丈夫か?
宇宙は恐る恐る目の前で説教を続ける亜衣の頭に手をのせ 撫でた。
撫でられたのだ。
現世でこの行為をしたならば どんな目に遭うか。。
考えたくもない。。。
今回は、明晰夢が起動していると判断して間違いないようだ。
宇宙はほんの少し前に散々な目に遭ったのに 懲りずに 額に人差し指をあてオーラを込めた。
長い。
明晰夢はいつも以上に続いている。
心身共に追い込んだ状態で 立ったまま説教を受けるという 極限状態での居眠り。。
これ以上ないくらい限りなく浅い眠りだ。
それはそうだ こんな状態で寝てはダメだ。、
しかし宇宙は やってしまった。
いや やり遂げたのだ。
宇宙は指先に込めたオーラを
亜衣の右胸に当てた。
ぷにっ




