17 大統領夫人に私はなる パートⅡ
思った通りの展開です。
「大統領に俺はなる」
皆で登校時に 幼馴染である宇宙がそんなとんでもない夢を語り出した。
それを聞いた壱は体中に鳥肌が立ち震えが止まらなかった。
まさに震撼。
今までも宇宙はとんでもない事を言っては それを実現してきた。
おそらく大統領になる事は通過点で その先にこそ宇宙の叶えたい夢があるのだろう
長年一緒にいる壱は宇宙に本当の夢がある事も悟っていた。
どんな夢であろうと 宇宙は必ずそれを実現させるだろう。
宇宙の夢を叶える為に わたしは何が出来るだろう?
壱は 一文字財閥の時期当主である。
自身も一般的には相当難易度の高い将来のビジョンは持っており それを叶える自信もあった。
しかし そのビジョンは宇宙の夢に比べれば余りにも小さくみすぼらしいものに思えた。
いつもは自信という鎧をまとい 他者の事など気にもせず 傍若無人に振る舞う壱だが、宇宙と比べてしまう度に纏っているその鎧は脆く砕け落ち 丸裸になってしまう。
「器が違う」
「お前は助演女優力が足らないんだよ」
いつか宇宙が壱に向けて言った言葉を思い出した。
所詮 一文字財閥の時期当主の壱など、宇宙の前では 助演女優で、しかないないのだ。
壱の夢のひとつとして 「全世界のジェンダーレス化」が、ある。
壱は一文字財閥と壱の力を持って そう遠くない将来「全世界のジェンダーレス化」を実現させるはずだ。しかしその達成は急を要す事になった。
壱は心を決めた。
早急に全世界をジェンダーレスに導いたうえで
助演女優に徹し宇宙を大統領にする
そして・・・
「大統領夫人に私はなるっ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一文字財閥の時期当主の壱に出来る事は多かった。
宇宙の話の中にあった「留学」だが
宇宙の頭脳と一文字財閥からの推薦で押し切れば
中学卒業を待たずしてそれは可能だろう。
弁護士資格にしても難易度は上がるが不可能ではないだろう。
しかし そこには悩ましい問題があった。
「宇宙と遠距離恋愛になってしまう事」だ。
宇宙の頭脳なら今すぐにでも 海外の大学に特待生で留学が可能だろう。
しかし それについて行くだけの力が壱にはない。
「宇宙と離れ離れになるなんて考えられないわっ」
壱は頭を抱えた。。。
遠距離恋愛は絶対にさけなければならない。
中学卒業までは宇宙には留学は我慢して貰わらければならない。それまでに壱は自身も宇宙について行けるだけの力を付けることを誓ったのだ。
「遠距離恋愛はさけなければならない。」
「遠距離恋愛」
「恋愛」
そう 壱の脳内では すでに壱と宇宙は付き合っていることになっているのだ。
幼稚園時代より(勝手に使用済みの)服をシェアし
同じ毛布(宇宙が捨てる予定の毛布を回収して愛用)を使用し。2人の愛を育んできた(つもりでいる)
序列一位の莉奈など全く持って関係なし!
「亜衣? ただのお猿さんでしょ?」
「奈央? ただのお人形さんでしょ?」
壱にとって 他の幼馴染が驚異などという認識は全くなかった。
すでに壱の脳内では宇宙と付き合っているのだから。。。
壱は思った以上のヤバイ奴のようです。
フラグの回収が続いています。
一話目から振り返って見て貰うと更にお楽しみ頂けると思います(笑)
お気づき頂いているフラグもゆくゆくは回収していきますのでそれまでお待ち下さいませ。
次回は序列一位 莉奈のお話です。
面白いと思った方はブクマ よろしくお願いします。