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13 遠き日の思い出

入学式編最終回です。

マスコミと民衆達の包囲を切り抜けた宇宙達は

宇宙の自宅に退避していた。


一段落した宇宙達は今後の対応について話し合いをしていた。


「問題点は 2つだ。 

まず1つ目は今後のマスコミ対策についてだ

これについては 亜衣。 

お前に任せる」


「分かったわ」


亜衣はスマホを取り出し

どこかにLIMEを送った。


「これでもう大丈夫よ」


宇宙と壱は 頷いた。


その光景を見ていた奈央は


「どういう事? 宇宙も壱も何を納得してるんだよ?

あのマスコミと民衆達を見ただろ?

今もテレビのニュースは僕達の事でもちきりだよ」



「亜衣に任せておけば大丈夫だ。

2つ目は 莉奈の件だ」



「? そんな簡単に終わりな話?」



「あいあいに任せておけば大丈夫よっ」


壱も言い切った。



亜衣の実家「藍家」は マスコミに対して絶大な力を持っている。

SNSを使った世論操作もお手の物だ。


今回の女神と女帝の降臨事件は亜衣に任せておけば 数日のうちには収まるだろう。



本題はこれではない。



「2つ目の問題。 莉奈についてだ。


実は今朝 莉奈の事を忘れて1人で登校した。」



?????



「宇宙っ!!」

亜衣は莉奈が学校に来なかった理由を理解した。



「そらちん それって・・・」

壱も事の重大性に気づく。



状況が把握できないのは奈央だ。


「それがどうしたっていうんだい?」


奈央は困惑している。




「ウサギは寂しいと死んでしまうんだ」


宇宙は一言 そう言った。

頷く壱。


全く状況が分からない奈央。



「そこで今回はこれを使おうと思う。。」


宇宙は机の引き出しから

小さな石を出してきた。



「それって!!!・・・・」

驚く亜衣と壱。



そして その石の事は奈央も知っていた。。



「宇宙・・・ その石、、、

まさか あの時の。。。」


3人は驚きを隠せなかった。。

それは幼稚園時代に皆を震撼させた


「月の石」だったのだ。





「月の石」を持った宇宙は

皆を連れて隣の莉奈の家に向かった。



莉奈の家の呼び鈴を押すと

莉奈の母親 橋本莉里子はしもとりりこがでてきた。


「あら宇宙君。 やっぱり来てくれたのね。

莉奈なら部屋にいるから 行ってあげて。


亜衣ちゃんと壱君はここで待ってて貰っていいかな?


あら?この娘は 奈央君かしら?

あなたも皆と一緒に待っていてね?」


何故か莉里子は 当たり前のように奈央の事を見分けた。


莉里子は全てを理解しているかのように

4人に話しかけたのだ。



納得いかない感じで不貞腐れる亜衣。

当たり前 という感じで頷く壱

訳がわからず困惑する奈央


それぞれ反応は違ったが

莉奈の部屋に行く宇宙を見送った。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「莉奈。。。。  入るぞ」


静かに語りかけた宇宙。



「こないで・・・・」


部屋の中きら莉奈の声がした。。



「今朝は本当に悪いことをした。

もう2度と莉奈を置いて行くような事はしない。

その証を持ってきた。 扉を開けてくれ。」



静寂のあと扉が少しだけ開き

莉奈の可愛らしい手だけがでてきた。



宇宙はその手に そっと「月の石」をのせた。



莉奈は「月の石」を握ると扉を閉じた。。








バターーーーン


「うぁぁぁぁぁ〜〜〜」



勢い良く扉が開き

宇宙は扉にブチ当たり吹き飛んだ。



その直後

朦朧とする宇宙に柔らかい何かが

抱きついてきた。。。



莉奈だ。


 

扉から飛び出してきた莉奈が宇宙に抱きついたのだ。




「宇宙。。。」




莉奈は涙ぐみながら宇宙の目をしっかり見つめた。




「不安だったよ。

寂しかったよ。

怖かったよ。。。」



莉奈は溜め込んだ気持ちを宇宙にぶつけた。




「悪かった」



宇宙は一言だけ言うと

莉奈の頭にてをのせ そっとなでた。。。



それ以上の言葉は必要なかった。。。





その後2人は玄関に待つ皆の元に現れた。



「まさか宇宙ちんが 月の石を莉奈たんにあげるなんて思わなかったっ」


壱が手を口にあて顔を真っ赤にして驚いていた。



亜衣は不機嫌の絶頂にいて

誰とも目を合わせない。



奈央はニヤニヤしながら2人をみていた。



遠くで見つめる莉奈の母 莉里子は

満足そうに見守っていた。



こうして 莉奈の登校拒否事件は解決した。







「月の石」



それは 宇宙が幼稚園時代に出演したテレビ番組にゲストとして出演していた某国の宇宙飛行士に貰った宝物。


宇宙は友達達から「ちょいだい」「ちょうだい」と言い寄らたが その時に言った宇宙の言葉を皆は覚えていた。



「これは 大切な人ができた時にあげるものだから

みんなにはあげられないよ」








次の日から 学校には4人で、仲良く通うようになった。。。



しかし莉奈にとって 宇宙に先に行かれてしまった恐怖はトラウマとして残り

その後も宇宙を迎えに行った際 無意識に


「宇宙いますか?」と

言うようになったのだ。


その事について宇宙は 言及する事はない。


莉奈にそう言わせてしまっているのは

他ならなぬ宇宙なのだから。。。



やっと入学式編が終わりました


次回より 宇宙は大統領になる為行動に移ります。


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