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※目を合わせないのが鉄則です。  作者: 五色なっとう
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最近の人って外でもみんなうちの母が…とか父が…とかじゃなくてお母さん、お父さんって呼ぶよね。いや、お前も最近の人だろって言われたらそうなんだけどさ

曾祖母はピザと酒が好きだった。


当時5歳だった私は、よく曾祖母の晩酌に付き合わされていたのだが、その時たまに不思議な事が起きていたのを覚えている。


ふとした瞬間、曾祖母の美しい江戸切子のグラスに入っている氷がグラスから10cmぐらい離れた所に移動しているのだ。


それを見つけると曾祖母はうちの小さな製氷機から氷をつかみ出し、嬉しそうにバラバラと庭にまく。


「ばあちゃん、なにしてんの?」


たしか私はそういったはずだ、すると曾祖母は


「××××××××××××××××………×××××××××××××……」


さて……なんと行ったのやら…そんなに遠くない距離で聞いたはずなのに私には何も聞こえなかったのだ、あの時曾祖母は何を私に教えてくれたのだろうか。


曾祖母は私が9歳の夏に老衰で亡くなった。結局あの時何を言ったのかは分からずじまいだ。


そろそろ夏が近い、曾祖母が亡くなってからぱったりと止んだ『氷の家出』がまた近々見れるのではないか、そんな気がなんとなくしている。

そしてそれを見たら私は、多分嬉嬉として庭に氷をまくのだろう。

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