或る日それは突然に
「…と、言う訳で私の後任として『かみさま』になって欲しいのデス♪」
えっと…目の前の落書きっぽい顔の幼女が何を言ってるのか理解できない。
「聞いてますデス?プリン下さい。」
ダメだ…本気で言ってる意味が解らない…。
「新人の『かみさま』は色々お得デスよ~?」
「時代に合わせた願いを叶える力を持ったり、時代に合ったお菓子が食べられたり」
「時代に合わせたプリンも食べられるかもデスよ~♪」
…プリン食べたい事とプリンが好きな事は理解できた。
「今なら携帯やらネット関連の神様にも成れるかもデスよ~♪」
携帯やらに関わる不思議話は大抵、怪談だがな。
「ちょっと死んだくらいの事で一々落ち込んでたらダメなのデス!元気出すのデスよ!」
「どうしてもと言うのならプリンも…一口あげるのデスよ!」
なんか聞き捨てなら無いセリフがあったぞ?
「ちょ、俺、どうなったって!?」
「やっと喋ったデス?えっと~確か狭い道路でスピード出してる車にふっ飛ばされてたデスよ?」
「交通事故か…視界の悪い道でスピード出してる馬鹿は偶に見かけたが、俺が轢かれるとは…」
そういえば色々違和感があるが?
「え~と、神様、ですか?」
目の前の落書きのような幼女に問いかける。
「はい、神様ですよ?」
「何時から神様なんでしょうか?」
「私デスか?火縄銃がブームだった頃だから、4、5百年くらい前だったとデス」
「ブームって…なんで喋りがそんなにフランクな感じなんですか?」
「神様は暇な時にいろんな場所へ行って時代に合わせる努力をしてるのデス」
「ちなみに、信心深い方にはニーズに合わせてキャラ作ってるデスよ?」
キャラ作ってるのかよ…ニーズってw
「頑張ってチェーン店出してる神様もいるデスよ?」
「チェーン店って…神社ですよね?」
「神社、仏閣は昔からチェーン展開してるのデスよ」
胸張ってドヤ顔してるが、もっと他に言い方があるだろw
ちなみにこの『落書き神様』の神社もチェーン店らしい。
世知辛い話だ。
「まずは店長候補…神様候補生?見習い?として頑張って下さいデスよ」
ホント、あの世も世知辛いな。
のんびり書くので忘れた頃に次話投稿予定デス