表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
300文字で、3つのとびら  作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/4

美味いものを食べたい

……()()()は、人生をやり直すことになりました。


頑張ったのに残念な結果になってしまいましたね。

気の毒なので、チャンスを差し上げようと思います。


あなたは美食を追及して自身の体の不調を無視し続けた結果、ここに来ました。


…3つの扉をご覧下さい。

扉の向こうに選ばなかった人生を用意していますよ。


扉:1

美味いものをたらふく食べつつ体を鍛え、健康をキープする

予想される寿命は36歳


扉:2

粗食を心がけ、飲食以外に喜びを見出す

予想される寿命は58歳


扉:3

たまに大失敗しつつ、自分で美味いものを作る日々を送る

予想される寿命は89歳



さて、あなたは…どの扉を開きますか?




「太く短く満足できる人生を送った方がいいに決まってる」

あなたは、1の扉を開きました。


ガッツリうまいものを食べてはカロリー消費のためにジムで汗を流し、健康的な体系を維持し続けています。

そんなにたくさん食べているのにどうして太らないの?と女性からの羨望の眼差しが頻繁に届き、まんざらでもない様子です。


だんだん太っていない自分をキープするよりも、鍛え上げて絶賛を受ける事に興味を持ち始めました。

脂肪を燃やすためのトレーニングから筋肉をつけるためのトレーニングをするようになり、どんどん体重が増していきます。


いつしか、誰にも負けない筋肉量を蓄えることに執着するようになっていたあなた。

厳しいカロリー摂取管理のもと、鶏肉とブロッコリー、卵白とプロテイン中心の生活を送るようになりました。


鍛え上げた肉体を披露する大会の常連になったあなたは、日焼けサロンに行き、新しい衣装を購入し、自身の体を仕上げる事だけに集中していました。

一度でいいから優勝したい…その渇望は、体が訴えている危険サインと信号を軽視しました。

大会会場に向かう途中で激しいめまいに襲われたあなたは、街中でいきなり倒れ…そのまま目を覚ますことなく救急車の中で息絶えました。



…いかがでしたか?


そうですか、なにかにドハマりする癖を何とかせねばと心底反省したのですね。

なるほど、今度は何事もバランスよく楽しんで、のんきに暮らしたいというのですね。


願いが叶うと良いですね、お疲れさまでした!



~おまけ~

扉:2→朝:パン+コーヒー/昼:うどん/夜:ふりかけご飯というメニューを食べ続ける→浮いた食費で推し活に励む→長年推していたアイドルがデキ婚で引退し生きる気力を失う→メイドカフェに行きはじめるも食が細すぎてオムライスが完食できず挫折→年々食べられなくなり病院に行くもすでに手遅れ→推し看護師さんにお粥を口に入れてもらって喜んだ翌日他界


扉:3→自炊の失敗をSNSにUPしているうちに人気が出始める→大胆な調理方法で鬼バズ→食中毒騒ぎで注目を集め芸能事務所からスカウト→ネタ系料理人として人気が出る→毎年5キロずつ増えることをネタにされる→テレビの企画で50キロの減量に成功→ダイエットレシピが好評→食が細くなりはじめた頃に高齢者向けのレシピ本を発売→うまいメシが出る老人ホームを経営→孫が経営する健康居酒屋で久々に飲酒した翌日昏睡状態になっているのを発見され、そのまま意識を戻すことなく昇天

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ