聖なるもの
宗教は数多く生まれそのほとんどがどこかのタイミングで潰えてしまった。
そんななくなった宗教の一つの宝物とされていたものが、手野市内にある手野総合博物館で展示されると聞いて観に行くことにした。
もはや400年ほど昔のこと、とある異国の土地で芽吹いた小さな宗教。
そのときの宝物の一つが、目の前にある金色に輝く像だ。
頭の上には輪のようにトゲが痛みすら感じるような鋭い蔓がある。
全体は50センチメートルくらいの女性像だ。
なんでもこれは神のみ使いとして崇敬を受けていた人物のものらしい。
この人がいたから宗教が生まれ、この人が死んだから宗教は消えたと、伝承ではそうなっている。
どれほどの力があったのか、ということは伝承でしかわからない。
でも、これができるぐらいだ、とんでもない人だったのは間違いない。
一度、実際に見てみたかったとは思うが、それをするには400年生まれるのが遅かったようだ。