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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

違法電波

作者: さばみそ

防災なんちゃらで親が買ったグッズの中に入っていたラジオというもの。

「ラジオなんてスマホのアプリのことだと思ってたわ。しかも乾電池とか買ったことないわ~ え?自分でチャンネル合わせるの?ダイヤル?うわ~めんどくさいけどおもしろ♪なんかザザーとかチュイチュイ言ってるし(笑)」

やっと普通に聞こえる番組に合わせられた。話してる人は芸能人じゃないっぽい。これがラジオパーソナリティー?って人かしら。話が聞きやすくて面白い。うちの担任もこれくらい話し上手だといいんだけどね~


ギュギギギギュィィィ


「え?何?壊れた!?」

突然変な音が入る。そういえば、さっきCMで「違法電波許さん!」ってやってたけどこういうこと?混線してんの?たしかに迷惑!せっかく面白い話だったのに!


『…からよぉ、最近少し調子にのってねぇか? 俺ぁ先輩だろうがよ』

『はぁ… そんなに年変わんないでしょ。ちょっとくらい入社が早かったからって、そんなに威張らないでくださいよ』

おやおや?番組が変わったわけじゃないよね?もしかして、違法電波先の会話が飛んできちゃった?しかも超もめてるしw

『んだと!?てめぇぶっ潰すぞこら!!』

『そういうとこなんだよ。あんた、俺を部下だと思ってるだろうけど違うからな。あんたが隠れていろいろやらかしてるの、みんな知ってんだよ。俺はそれを止める、もしくは証拠を掴むためにいるんだよ!』


うわぁ、ドラマみたいな修羅場じゃん!これ、どうなるんだろ?これなら面白いからオッケーだわ。おい、オッサン?はやく何か反論しろし!


『…てやる』

『あ?』

『ぶっ殺してやるよ!てめえも他の連中も!』

『はっ!やってみろよ、コソドロ』

『おらぁっ!!』

『がっ… ち、おま… やめ… あ…』

『おらぁああああ!!』


………へ?なに急に静かになってんの?どうした?え?ままさかマジで?え?これ、私どうしたら!?


『はぁ… はぁ… 後始末、しないと… これも… それと…』


け、警察?一応連絡しなきゃだよね?す、スマホどこだっけ…


『お前も!!』


うわあ!?びっくりした。何?急にデカイ声出して!お前もって誰よ?お前って…

「いや、マジで誰のこと言ってるの?ちょっと怖いんですけど… ダメだ。はやく警察」


『警察なんぞ呼ぶんじゃねえ。おとなしく待ってろ』


なに?私の声、あっちに聞こえてる?え?来るの?後始末って言ってたよ?私を?え?


ガチャガチャガチャガチャ


え!?ちょ、マジでやめろって!なんだよこれ!?私、こんなことで?こんなとこで?


いや… いやだ… やめ…




その事件はあっという間に解決した。

横領の証拠を掴まれた同僚を絞殺し、それを隠蔽するために若い女性宅に侵入に殺害。痴情のもつれから女性を殺害し首吊りという状況を作ろうとしたようだ。だが、男がそれを完了する前に警察が来た。通報があったわけではない。違法電波によって警察無線に隠蔽工作の一部始終が流れていたのだ。なんとも自分勝手で痛ましい、そして間抜けな事件だった。


ただ、どういうわけか違法電波を発しただろう機械は見つかることはなかった

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― 新着の感想 ―
[良い点] 確かに違法電波ですよね。ならば警察が先に来るわけで、なるほどです。混線の話ですが、警察無線が聞こえたりすることがありますからねえ。とくにラジオを分解してまた組み立てると、コンデンサの調子が…
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