3、選択
「お主、我の弟子にならないか?」
何を言っているんだこの人は
ソロモン? 弟子? 意味か分からない
「何を言ってるんですか?」
ここにはこの人しかいないから、とりあえず話をしよう
「だから、我の弟子になってくれ。そうしたら必ずやお主を【至高の召喚術師】にしてみせるぞ」
【至高の召喚術師】とはセンスがいい。もしほんとにできるのならして欲しいくらいだ
「お主その目、もしや我を疑っておるの」
疑わないほうがどうかしてるだろう。知らないところに急に移動し、何もないここで唯一あった人なのだ
「それはそうですよ」
「そうか、では、我に聞きたいことはないか?なんでも答えてやろう」
質問して良いとは嬉しい。正直聞きたいことだらけだ。
「ではまず、ここはどこだ?」
「ここかい?ここは簡単にいうと我の作った世界!つまり異世界ってことだ」
こいつサラッとおかしなことを言ったぞ。異世界とはどこまで本気か分からないが、逃げれそうにはないか
でも、一応逃げる準備はしておこう
俺は動揺せずに質問を続けた
「ここが異世界だとしてどうやって俺をここにつれてきた!」
「それは、異空間転移に決まっているだろう。」
いっ異空間転移だと!あのただでさえ使い手の少ない空間転移の上位互換であり、古代魔法である異空間転移を使えるなんて!
「随分と驚いた顔をするな。我は武力で名をはせたんだ。異空間転移くらい使えるし、お主が今逃げようとしていることもわかっておる」
なっ!くっ!もう逃げるのは絶望的か
「では、なんで俺をここに呼んだ!」
俺は少し声を荒げながら言った
「だからさっきから言っておるだろう。我の弟子にならないか?お主を【至高の召喚術師】にして見せよう」
本当にそれが目的なのか?分からない
でも一つどうしても確認しておくことがある
「最後にお前は自分のことをソロモンといったな。お前は本当にあの【至高の召喚術師】と言われたソロモンか?俺の祖先であるソロモンなのか?」
「そうだ我が子孫よ」
ダメだ本物か偽物か俺には分からない
「それを証明できるか?」
「もちろんだ!」
そのとたんソロモンから超大量の魔力が溢れた
≪召喚術》
「お久しぶりです。我が主よ」
そういって高速で出来上がった魔法陣から72柱の悪魔が出てきた
なんて速い召喚術師だ!
それにあれは、伝説のソロモン72柱‼ じゃっじゃあ、あの人、いやあのお方は本物のソロモンなのか!
「どうだ、これでいいかの?」
「はっはい」
「そうか、信じてくれて何よりだ」
まさかソロモンに会えるだなんて!いや、いつまでも浮かれてるな!はっきりさせなければならない事があるだろう!
「それで、弟子とは?」
「そうだな、お主には二つの選択肢がある。
まず一つ目は、我の弟子になること。まあ、安心せい。ここは我が作った世界だ。ここでいくら過ごそうが向こうの世界では一秒にも満たないだろうよ。それに死ぬこともない。必ずや【至高の召喚術師】にしてやろう。
もう一つは、我の弟子にならずここでの記憶をすべて忘れて向こうの世界に戻ることだ。
さあ、お主はどうしたい?」
「俺は・・・・・」
答え?そんなのとっくに決まっている
「あなたの弟子になる!」